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映画は良くできているが、真実は闇の中へ・・・ 2006/8/30
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ドキュメンタリーを観ているかのようなリアリティがあった。悲劇的な結末とは知りながらも思わず画面に引き寄せられてしまうような迫力ある演出は見事。しかし、この映画の機内での出来事、墜落の経過は全くの想像によるもので真実味はない。乗客の勇気ある戦いによって墜落となっているが、実際の93便の残骸は進行方向にそって十数キロに四散していることから空中爆発との見方が有力。墜落地点とされる場所より遠く離れた街へ部品が落下しているので他の機が墜落したのと間違って報道されていた。空軍による撃墜説もある。一番奇妙なのは4機のブラックボックスが1台も回収されていないことだ。また携帯電話の圏外を飛んでいたのに携帯がかかるのも奇妙だ。振り込め詐欺と同じ手口による政府の陰謀説まである。ブッシュ大統領は登場しないが、1機目がWTCに激突したのを知りながら学校訪問を開始し、2機目、3機目の悲劇が起こっても学校から離れず、学校内で子供を後ろに立たせてのテロとの戦いの決意表明を放送するまで動かないのは超奇妙。知っていたのではないか?と思ってしまう。真珠湾攻撃の経緯、ケネディ暗殺など謀略がまかり通る国だけに、真実は完全に闇の中だ。私はこれはアメリカ政府のプロパカンダ映画だと思っている。
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観客を傍観者から当事者に変えてしまう恐怖 2006/8/14
ユナイテッド93にはいろいろな説があるのは、911テロに詳しい方ならわかっていただけるだろう。実際は抵抗した乗客はコクピットを占拠できなかったとか、米軍に撃墜されたとか。
従って、この映画が『真実』かどうかはわからない。わかっているのは機内から携帯電話で話した遺族達の証言が主に元になっているに過ぎず、機内での描写はほとんどが想像上のものでしかない。もちろん私自信もそういったある程度の予備知識はあった上で鑑賞した。
だが・・・
管制塔等の描写を交えながら客観的に進んでいた映画のストーリーに徐々に引き込まれ、まるで観客自身もユナイテッド93の乗客だと錯覚させられるほどの恐怖に陥るのである。
また、この映画ではイスラム過激派を悪者としても描いていない。あくまで彼らも一個の人格として表現され、被害者と同様人間であるとしている。乗っ取るまでの緊迫感に脂汗を流し、コーランを唱えるテロリスト・・・それもまた恐怖を煽る。
人が考え、人が起した事件。それを人が見、人が阻止しようとする。
画面の隅々に描かれた全ての人間模様。人間群像劇。
生きようとする人間、死をかけて任務を遂げようとする人間。
その両者が見事にコントラストとして観る者の心を揺さぶる。
見終わった後には、何も言葉はでなかった。
悲しみなどといった陳腐な表現すらできない。この映画にはそういった力がみなぎっている。間違いなく2006年最恐の映画である。
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衝撃のノンフィクション・サスペンス 2006/10/21
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前半は、数ヶ所の管制官たちのドキュメンタリー風のエピソード。どの機がハイジャックされたんだ? といった混乱を細部にわたって再現しています。その時点で、アメリカ上空に4000機も飛んでいるのだから、レーダー、無線の混雑ぶりがひしひしと伝わってくる。一部本人も演じていた管制官らの混乱ぶりは本当にリアルだった。
後半は、最後の1機であるユナイテッド航空93便の内部のシーンが中心となります。世界貿易センタービル炎上のニュースを知ったときの機長らの様子。それはあまりにリアル。殺されるパイロット、戸惑う乗務員、怯える乗客、そして実行犯の表情。機内電話や携帯で家族へ絡をする乗客たち...。
特筆すべきは、「テロリスト」=悪党、それと闘った乗客・乗務員=英雄といった構図ではないこと。もちろん乗客の勇気ある行動は素晴らしい。でも、乗客もテロリストも、どちらも自分たちが信じることを行なった。しかし、どちらの「信」も無意味にする死だけが残った。まるで、ギリシャ悲劇のよう。
印象的だったのが、93便に乗り合わせた全員が祈っているところ。もちろん、家族への祈りもあるでしょうが、全員が神に願いを託しているのだ。その祈る神もそれぞれ違うという皮肉さ。
そして、フィクションのサスペンスドラマなら、ラストは当然ハイジャック阻止で終わる。だけど、我々はこの「ユナイテッド93が墜落」してしまうことを知っているわけで、素晴らしい映画には違いないのですが、観終わった後は気分爽快とはなりません...。
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本当の事実には到れないこと。 2006/9/16
諸々の関係者・遺族等からの貴重な情報提供により制作されている為、7~8割部分が史実と思われる。とんでもなく生々しい。
勿論この事件の顛末上、機内での概ねの事実は判らない。また情報提供された管制官や遺族の方々でも記憶上、当時の事実とは異なる部分も有るだろう。
しかしその「想像に頼るしかない部分」「事実解り得ない部分」こそが、この史実を映画として観る側にとっての'救い'である様に思われる。そうでなければあまりにも痛ましく、あまりにも身につまされる。
見終わった後どこからか「…凄ぇ…」と絶句した一声が聞こえた。私も同感である。
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実話ですが、真実であるとは限らない。 2006/10/24
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2001年9月11日火曜日の夜、私はいつものようにラジオを聞きながらメルマガを発行していた。
22時過ぎ、『先程、ニューヨークの世界貿易センタービルに、航空機が衝突しました』との一報が流れた。
あわててテレビをつけた。NHKで、ニューヨークからの生中継のレポートをしていた。
もうもうと黒煙を噴き上げる世界貿易センタービルの映像を背景に、レポーターがしゃべっていた。
そのとき、画面の右側から機影が現れ、そのままビルに激突した。『またぶつかった!』
レポーターは気付かない。
取材かなんかに来た、小型のセスナ機かと思った。後で、旅客機だと知った。世界貿易センタービルの大きさを知った。
テロ犯は、旅客機を4機、同時にハイジャックし、世界貿易センタービル2棟とペンタゴンにぶつけた。もう1機は、目的を果たせず、墜落した。
それが、ユナイテッド93便だった。この映画では、そのユナイテッド93便機内で起こっていた出来事を中心に、9.11のあの日の出来事を描いている。
生存者はいなかった。だから、墜落までの時間、機内で何が起こっていたのか、正確に知ることはできないかも知れない。
しかし、映画の中でも描かれているように、機内から乗客が家族等に電話連絡をしていた。
それらの証言を基に、実際に演じる役者の人が遺族に会い、取材を重ねて、演技を創っていったりもしたそうだ。
テロリスト、乗客、機長、客室乗務員、管制官……。とてつもないことをした人も、できなかった人も、自分の職務を全うした人も、みんな1個の人間であった。
その場その場で精一杯生きていた。映画は、何の演出もない事実を映した映像のように、淡淡と進んでいく。
真実ではないかも知れない。でも、この事件は事実である。あの日、テレビを見、涙を流し、アメリカ国家を歌いたいと思った私には、観るべき映画であった。
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その時、自分なら何ができたか・・・!・ 2007/4/6
9.11同時テロでハイジャックされた4機の旅客機のうち、唯一目標到達前に墜落した「ユナイテッド93」の離陸から墜落までを追う。娯楽作品ではないので、この事件に関心のない人はただ恐怖と緊張の連続を味わうだけである。
映画は地上(管制センター、各空港管制塔、北米防空司令部)とユナイテッド93便機内の様子に絞り込み、ただ、ひたすら「その時、何が起こったのか」を真摯に再現。観客は映像を通して、事件の目撃者となることを強要される。次々にハイジャックされた旅客機が連絡を絶ち、レーダーから消える怪現象に、何が起きているのか把握できない管制センター、管制塔がパニックに陥る。この緊迫感が凄い!!
ハイジャックされたユナイテッド93便の乗客たちが、機内電話や携帯電話を使って、地上から情報を収集。他のハイジャック機が目標に突入・爆発したことを知って、短時間に団結、果敢に行動を起こす。最後の5分間の彼らの戦いには、思わず、奇跡を祈りたくなる。
エンドロールが流れはじめる時、あなたはすぐに立ち上がることはできないだろう。そして、もし、あの日ユナイテッド93便に自分が乗っていたとしたら、何ができたのか考えているに違いない。彼らが遭遇したこと、彼らが行動したこと、それは決して私達に無縁なことではない。映画『ユナイテッド93』はそれを伝える作品である。
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結果がこうであったこと 2006/12/10
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恐らく手持ちのカメラワークは目まぐるしい。機内,管制,軍部と次々に変わる場面も,観る者の心理状態とシンクロして,緊迫度が増す効果となっている。何より,結果が分かっているという「真実」の重み。余計な同情や感情を煽るような演出は皆無で,ただただ圧倒的迫力で描き切った監督の手腕。
ハイテクジェット機も手動で急旋回させることができるのか,操縦室はノックで開くのか,管制のシステムは・・・と普段目に出来ない場面に驚きもした。
突然の同時ハイジャックに,あの軍事大国がオロオロ。「防ぐことが出来たか」とは問い掛けてこない。結果がこうであったこと,それが強烈なメッセージとして胸に迫る。
本製品の売り上げの一部は,シャンクスヴィルに造られるメモリアルの建設費に寄付される。
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遺族たちへの最高の鎮魂歌 2007/4/4
この映画に登場する、乗務員と40人の乗客を演じた俳優たちは、年令、外見、雰囲気などができるだけ本人に似ているように配慮されている。また、俳優達は、事前に自分が演じる人物の遺族に会いに行き、故人の人柄や遺族の想いを聞いて役作りに臨んでいる。その様子を収めた特典映像を観てから、再度本編を鑑賞すると、涙が溢れて止まらなかった。
上映前の試写会には、遺族たちだけが招待された。観おわった遺族の殆どが、あの日の出来事を過剰な脚色や主観を交えずに、忠実に再現してみせてくれた監督の誠意に感謝の言葉を発していた。
あの惨劇から5年たって、ようやく「時」が彼らの心の傷を癒し始めた今、この映画を観て「あの日の出来事」を再度直視するのは、遺族にとって凄く辛いことだったろう。しかし、「辛かったけど感動した。この映画は私たちの遺産です。大勢の人に観てもらいたい。」というある遺族のコメントを聞いて、この映画は彼ら遺族に、哀しみと同時に大きな慰めも与えたことがわかった。やっと心の整理をつけることができた遺族もいたかも知れない。
この作品は、有名俳優を使わなかったことでリアリティを持たせ、最初から最後まで事実のみをドキュメンタリー風に淡々と描き、客観性を徹底させている。テロリストの若者たちの描き方も主観を交えていないので、宗教や信念に殉じざるを得なかった彼らの苦悩が感じられて痛々しく見えるほどだ。もしテロリストたちの遺族がこの映画を観たら、どんな感想を持つだろう。乗客の遺族と同じように涙するかも知れない。
911を扱った映画は他にもあるし、今後も製作されるかも知れないが、観るものの心に最も感銘を与えるという点では、本作を越える映画はないと私は思う。心が激しく痛む辛い映画であるが、一人でも多くの方に観てもらいたい。ぜひ特典映像も一緒に。
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強烈なインパクトを以って、心を捉えて離さない作品。必見! 2006/8/16
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凄い映画である。強烈なインパクトを以って、鑑賞後ズシンと心を捉えて離さない傑作だ。アメリカ人にとって、生涯忘れることが出来ない日時であろう“9.11”の長く忌まわしい1日を、イギリス人監督のポール・グリーングラスは、極力政治色を拝しつつ、4ヶ所の管制センター、防空指令センター、そしてユナイテッド93便の機内と、事件の経過に準じて、めまぐるしく場面変換させながら、迫真のドキュメント感覚で、観る者を釘付けにする。ワールド・トレード・センターに最初の1機が突っ込んだ際、まるで悪い冗談を見ているような気分で、何が起こったのか暫しの間認識出来ず混乱、2機目の追突で、それが確信に変わり、“事態”を受け入れざるを得なくなった時の、茫然自失で言葉を失ってしまう関係者たちのリアルな恐怖の表情は強烈だ。防空センターでの攻撃命令を巡る緊迫のやり取りや、全ての飛行機を緊急着陸させるにも、4万2千機が飛行している為容易ではなかったとの事実にも驚かされる。乗客の自己犠牲的行為で未遂墜落した93便の内部のドラマは、生存者なしで残された資料をもとに綿密に組み立てられた推測の物語であるが、冒頭、コーランを唱えながら静思してその時を待つ犯人たち(主犯はレバノン人)の佇みから、登場人物に均等に向けられる優しい眼差しと、アクションシーンに於けるハンディ・カメラのブレた映像から、不安感と緊張感を抱かせるコントラストが秀逸だ。犯人たちを含め、全ての人々が身の覚悟を決め、愛する者に“I LOVE YOU”と別れの言葉を告げた後、神に祈るのが極めて印象的。あれから5年、先日のイギリスでの同時多発テロ未遂やイスラエルのレバノン侵攻等、今だ進行形で続く果てしない暴力の連鎖に、我々が出来る事は何なのか、考えさせられる。
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ドキュメント・タッチの「再現ドラマ」なのだけど・・・・ 2007/1/10
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わざわざ映画館で見る映画なのか迷っていたが、NY映画批評家協会で作品賞を受賞したと聞き、遅ればせながら映画館に足を運んだ。米国での評価もかなり割れているようだ。映画の作り方としてはかなりユニークだ。いわゆる映画的でドラマチックな手法は避け、全編ドキュメントタッチでクールに作られている。表現は悪いかもしれないが、いわゆる「再現ドラマ」という感じがする。狙いはリアリティ重視なのだろう。映像的にもほとんど手持ちカメラでかなりぶれているが、これもリアリティを増すための選択といえる。この狙いはあたったか。あたったともいえるし、そうでないとも言える。それは、UA93便をめぐる「事実」とはなにかについての考え方によって変わるだろう。映画に描かれた「物語」は客観的事実といえるのだろうか。UA93便については当初から疑問点が多かったように思われる。だから、私の場合、いまひとつすっきりしないものを感じてしまう。制作上の最大のポイントは、「テロ」を阻止するため自らの命も顧みず立ち上がった乗客の勇気を称えることにある。そして、それが結果として愛国心を鼓舞し、イラクへの侵略を正当化する役割を果たしているように私には思える。映画が終わり、最後に気になる説明があった。「出撃したF16が撃墜してもよいという大統領の決断は指揮官が搭乗員に伝えていなかったし、事実、権限もなかった」というのだ。UA93便は撃墜されたという説がいまでも根強い。だから、最後に弁解めいた説明を入れたのではないか、そんな気がする。この映画には政治的な意図がある、そんな懸念を私は捨てきれない。だから、リアリティをそのまま受け入れられない。