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人にも自分にもトゲトゲしかった私を救ってくれた「人生の一作」 あれから私はベニーニの様に幸せになれはしなかったけれど、ジャック&ザックの様に明日へ踏み出すことは出来ました 2007/6/8
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高校3年の終わり頃、100%受験生になっていたあの頃、私にとってのバイブルだったP.バラカンの「ポッパーズMTV」にJ.ジャームッシュが出演したことがありました。「自分の好きな映画を撮れなかったら電気工事でもやっていた方がましさ」と言い切るその自信。流れた『ダウン・バイ・ロー』の断片。素晴らしかった。自分は大学合格という当面のせち辛い目標に全生活を消費消耗していましたが、「でも本当はこういう世界を生きたいんだ」と届かぬ思いを抱いていた18歳でした。
そして運も悪く浪人生活を余儀なくされていた夏のある日、やっとミニシアターでこの映画を見ることが叶ったのです。やっぱり素晴らしかった。そして凄く救われた気がして、図らずも映画館の暗闇でぼろぼろ涙が出て止まらなくなったのです。尖ってこだわりに満ちて他人を傷つけて生きても何も残らない。でもベニーニのように、陽気に快活に、そして後ろを振り向かず人を愛して生きていればそれだけで良いではないか。後はひたすら流れに任せて流れていくだけ…。それは受験戦争でぼろぼろになった私の気持ちの「糧」となる、必要な「精神の滋養食」でした。
今でも忙しくて孤独で気持ちがすさんでいる時にふとこの映画を見てみます。変わらず素晴らしい。バラバラだった3人の気持ちが‘I Scream…’で一つになる爽快さ。モノクロで撮られた川下りの美しさ。愛情たっぷりにチークダンスをする二人…。男達が地に足をつけて人生の新たな展望に乗り込んでいくその力の抜け方・自在さ。もう最高です。語り尽くせぬ思いがありますが今回はここまで。
〈追伸〉ある時ふと気付きました。「もしや最後に出てくる女性って…」そして調べるとやっぱり彼女はN.ブラスキ! 『ライフ・イズ・ビューティフル』でお母さん役をやり、実生活でもベニーニの妻である彼女はすでにこの作品でも競演していたのです。二人の後の映画と実人生を彷彿とさせて感慨深いです。
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お洒落な映画 2007/3/24
映画のはじめ、トム・ウェイツの音楽に乗せられ、すぐに映画の世界に引き込まれます。
トム・ウェイツは音楽だけでなく、役者としても魅力的なアーティストだなって思いました。
もちろん、ジョン・ルーリー、ロベルト・ベニーニも文句のつけようのない名演を見せて
くれています。個人的に、ロベルト・ベニーニのしゃべる片言の英語が大好きです。
肩の力を抜いて、あまり構えず見て欲しいお洒落な映画だと思います。
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笑い死にさせる気だ 2007/5/18
個人的には何の関係も無かった、
三人が刑務所で出会い、特に意気投合するわけでもなく
なんかなりゆきで脱獄することになり
それとなく別れて行くというあらすじ。
強いて言えば・出会い」そして・別れ」・友情」が
テーマになるのだろうが、そのテーマを見事に避けている
(というより押し付けを避けている)監督の意図が不思議と好きである。
まるで初期のRPGゲームのような印象を持った。
「オイお前、DJなんだろ。じゃあ天気予報とか実況中継してみろよ。」
というジョンルーリーに対して(多分半分挑発。ミュージックDJに
天気予報って・・・)、半ば嬉しそうに実況してみせる
トムウェイツが愛おし過ぎ!!
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行き当たりばったりの脱走ロード・ムービー 2007/10/6
冒頭のなにやら不穏な空気と音楽に思わず引きずり込まれる。でも、大したことは起こらない。
間の悪い男たちが、つまらないことで警察に捕まり、刑務所で偶然同居することになる。そして脱走、さしたる緊張感も感じられないまま脱走はいつの間にかなんとなく成功、普通ならクライマックスとなる美味しいところを、ジャームッシュはあっさりと捨てている。その後の逃走もモタモタと展開する。仲間の一人が道すがら偶然出会った女性とチャッカリ結婚し、逃走から「一抜け」たりしながら行き当たりばったりで話は進む。そんな役柄をロベルト・ベニーニがとぼけた持ち味で好演、他の2人も要領の悪い生きざまを淡々と演じている。
決して理屈っぽくない、むしろそんな要素を徹底的に排除した映画である。