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60年の生涯で出会った最高傑作 2005/8/24
何十年もはるかな昔…、田舎の小さな映画館で…。初めてこの作品を見た時の感動は60を過ぎたいまでもまざまざと甦ってきます。心の琴線を震わすテーマ音楽「宿命」。今はもうほとんど残っていないであろう、数々の良き日本の原風景。俳優たちも、その持てる演技力の全てを出し切って演じているのがひしひしと伝わってきます。結婚後は妻に、子供ができたら子供たちに、そして、仲間たちと映画の話をするときはいの一番に、この作品を推薦してきました。そして、今でも時たま、秘蔵のベータ版ビデオで鑑賞しております。そんな折、デジタルリマスター版DVDの発売を知り、年がいもなく、今から入手、上映を楽しみに胸をときめかせています。
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映像芸術とは 2005/11/18
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映画でなければ伝わらないモノを見せてくれる映画監督こそが映像作家であり、その作品は映像芸術と呼ばれる。だからこそ、黒澤も小津も市川も鈴木も今村も山田も北野も映像作家なのだ。名作と言われる原作、それも長編を映像化する時はなお更の事。原作を手堅く3時間以内にまとめられればまだ良いほうで、原作を越える事は至難の業だ。それを、野村芳太郎は見事にやってのけた。敢えて台詞をほとんどなくして音楽と映像だけで表現した父子の旅と駅での別れ、日本映画史上屈指の名場面である。少年が作った砂の器が風に壊されるオープニング、2人の刑事の夏の東北への旅、若き森田健作の線路際の執念の捜査、一度見たら生涯忘れられない療養所での加藤嘉の演技・・・素晴らしかった原作でも味わえなかった感動がここにある。映像芸術とはなにか知りたかったら、野村芳太郎の生涯最高の仕事、「砂の器」を見よ!
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素晴らしい日本映画! 2005/12/9
デジタルリマスター版なので、素晴らしい発色を期待していたのですが
原版の撮影条件のせいか、いまひとつの感じがしました。しかし、音声の5.1チャンネル・ドルビー・デジタル化は納得出来ました。
それにしても、この傑作を<最良の形>で保存させた熱意に敬意を表します。
作品の感銘は言うに及ばずですが、個人的には、<丹波さん&森田さん>の、出張旅行での鉄道シーンとか、
飲み屋での会話が とてもとても気に入っています。
鉄道ファンの方にも、ぜひとも 観ていただきたい作品ですね。
それにしても、あの<親子の流浪のシーン>。何故、あれ程哀れなシーンが、美しいと感じるのでしょうか!!。
<張込み>&<砂の器>・・。作風は違えど、刑事物の日本映画・映像の傑作ですね。
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感動作なのだが… 2005/12/11
感動的な名作との呼び声高い本作を、今回初めて(かなりの期待を込めて)見た。
役者は好演ないしは名演。メッセージも胸に迫るし、実に真摯な製作態度にも心を
打たれるのだが…。ちょっとした違和感が残るのはなぜだろう。
おそらく主人公の扱いに釈然としないところがあるのだ。過去に傷つき、それを
捨てて生まれ変わるために凄絶な人生を歩んできたであろう彼、殺人まで犯して
しまうその葛藤が、彼自身からあまり伝わってこない。
それを終盤、刑事の口からすべて語らせているが、ドラマの現実時においては、
それはまだ単なる推測にすぎないのだ。逮捕直前にも、刑事たちに「父親に会いた
かったでしょうね」「あたりまえだ」と温情深い言葉を交わさせているが、彼らは
主人公の人となり、その現実を、その時点まで実際に確認したことはない。
名高い放浪の場面も、ピアノを引き続ける主人公といまひとつシンクロしない。ど
ちらかというと、事件を追い続けてきた刑事たちの方に寄っている。彼らはハンセ
ン氏病とその社会的偏見に対して、抗議する立場を代表しており、そこで主人公に
対する無条件に温情的な目を注いでいる(上の発言は、そこから出たものだ)。それ
が主人公の放浪とよりシンクロするのだ。つまり、これは刑事たちの視点で描かれた
場面であると言ってもよい。
ここに、映画が作られた時代の差というものを感じる。人々がまだ善なる人間性と
いうものを、疑いなく信じることのできた時代。今では、同じ題材でもこのような
描き方はできないだろう。その埋めることのできない隔絶感に、今の時代の不幸と
いうものも感じさせる映画である。
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失われたものの大きさに、泣け 2005/10/6
ストーリーやテーマには今更触れないが、映像の美しさに感動。それは、デジタル技術のみへの賛辞ではなく、もはや失われた、近代日本の最後の牧歌的風景への郷愁である。草いきれや土、水の匂い、畳の匂い、ローカル線車内の独特の香り等々。。。映像から漂よってきそうである。そして、この種の感動は、同時代に生きた経験を共有していないことには得られないんだろうなぁ。
高度経済成長期の終焉のタイミングで本作は製作されたわけだが、その後30年。。。。四半世紀を超えて、日本の風景は大きく変わってしまった。四季折々の風景を、叙情豊かにインサートするという日本映画の無意識の伝統的手法は、失われた技術になりつつあることに、涙してしまったよ、劇場で観たときは。
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デジタル・インタメディエイトの力! 2005/10/12
2002年のDVDでは傷みを抑える作業が行われたが、今回は・日本映画の傑作のマスター版を作る」ことを目指し、デジタルリマスター版が作成された。出来上がった本物の・砂の器」は1974年の初号フィルムよりもきれいだったと撮影監督の川又さんが語っています。今夏の映画館興行では東京、大阪、京都の3館で上映し、4万5489人が鑑賞。映画館で映画を観たい人、本物が見たい人が日本にいるということを実感させてくれました。そのDVD版ですから感動もひとしお。デジタル・インタメディエイトはハリウッド映画では、すでに80%に使用されている技術です。今後この技術で美しい日本映画の名作群を復元して、未来への財産として欲しいものですね。
余談:リマスター版試写会当日、野村監督の訃報が。合掌。
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日本映画屈指の名作が甦る。 2005/12/7
松本清張をして「私の作品を超えた名作」と絶賛された本作。それは野村芳太郎と松本清張の最蜜月期の作品でもあった。橋本忍の映画化に賭けた執念も見逃すことはできない。今日、邦画ブーム再燃という風潮も感じられるが、これほどの制作期間とスタッフ・キャストに恵まれる時代は、おそらくは永遠に過去のものであろう。「こだわり」とは何か、モノを作るというのはどういうことなのか、この映画は何度観てもその時々に新たな発見を提供してくれる。永遠のベストワンという称号はこの作品にこそ相応しい。
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あまりにも悲しい親子の旅路 2006/6/14
松本清張の描く日本人の「心の闇」。多くの日本人はその深淵を覗き込まされるのを、内心抗いつつも強い力に引き込まれ、覗き見る事を余儀なくされる。日本人のDNAに直接訴えかけてくる多くの作品群の中で、本作はその究極にあたる作品であると個人的に思っている。国鉄蒲田操車場での殺人事件。その犯人を追う老練な刑事と若い刑事は、その真実を追及していく内に、ついには触れてはならない衝撃の事実を探り当ててしまう。それは単に、犯人の実父がライ病であったという事実だけでは無く、もっと深く根源的に暗い。
「生まれてくること、生きている事。」
普通、ある小説が映画化される場合、多くの作品は、小説以上に面白いって事は少なく、よくそういう事でがっかりさせられるケースが多いが、この映画は小説を遥かに凌駕していると思う。クライマックスの親子の旅路にオーバーラップする音楽が美しく、悲しく、胸に迫る。推理物としてのトリック仕立ても素晴らしく、丹波哲郎の熱演が光る。
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ビールにハンカチ、扇風機・・・ 2006/9/27
数年ぶりに観てみましたが、やはり凄すぎます。この映画に込められた重厚なメッセージ、テーマ等は私の描写力を越えてます。またしても涙ボロボロです。
で、本筋以外のところを見ると…時代設定上、最初の場面は真夏だというのに刑事がエアコンの恩恵を受ける機会ほとんどナシ!!あるのは自前のハンカチと扇風機のみ!!さぞや暑いだろうなぁ~…こんな状況下で、捜査の合間に飲むビールの美味そうなことったら。その後田舎の四季の風景が映るのですが、これがまた美しい。すっかり忘れてた四季の風景・風物詩を思い出させてくれました。登場する俳優陣も見事に役柄にマッチ。目線だけで観客をここまで引きつける俳優が今時どれくらいいるのかなと思わされました。
特に丹波哲郎…大霊界でもシブい存在でいて欲しい。
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デジタルリマスター版 いい画像です 2005/10/31
20数年前、学校の授業で『砂の器』見ました。いつの間にか題名すら忘れていたのですが最近同名のテレビドラマでその名前を再び聞くこととなりました、ドラマの内容は現代風にアレンジされ音楽もすばらしく良い作品になっていました。しかし!以前見た映画と何かちがう・・リマスターDVDで再度この作品を見ることが出来ました、丹波哲郎扮する今西刑事の蒲田駅殺人事件の捜査をおったこの映画は後半から怒涛の如き人の生い立ち、親子の絆、別れ、孤独を昔懐かしい画像と音楽だけで表現していきます。ハンセン氏病という社会的に重い題材をテーマにしたこの映画、ドラマでは最後に再会を果たしますが映画では最後までそれはありませんでした。会いたくても会えない、そして知られてはいけない過去・・泣けますね。自分の少年時代と重ねながらくり返し・・くり返しみてしまいました。砂の器、和賀にとって現実のものはすべて砂のように消えて流されてしまうもの しかしたったひとりの父親との絆は音楽よりも強かったそう信じたいです。