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惚れ惚れする脚本 2007/8/12
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長らく「洋画ランキング」というような催しもので 一位を取り続けた大傑作の映画である。
話としては 幾分通俗的な恋愛譚なのだと思う。但し 見ていて 3時間を超える長尺が全く気にならない。
出演する数々の名優の演技もあろうが 僕としては やはり脚本が練りに練られて 黒光りしているからだとしか思えない。
脚本の素晴らしさを説明するのは難しいが 一つだけあげたい。この映画は この映画の狂言回しを行っている古着屋のセリフに始まり その古着屋のセリフで終わっている。
ネタバレもあるので これ以上は書かないが その古着屋のセリフが この映画全体をきちんと暗示している。このような仕掛けをきちんと埋め込んでいる点一つとっても 実に脚本が良く練られている点がわかる。僕は そう思うのだ。
この映画は第二次世界大戦の下で作られたことも有名だ。戦争しながら こんな映画を創ってしまう欧州は やはり米国映画には無い「何か」を持っている。
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志ん生人情噺 2007/5/1
初めて「天井桟敷の人々」を見たのは20年前。キネマ旬報のオールタイムベストで一位キープし続け、私たちの年代の映画好きは永らく観る機会が無く、悔しい思いをしてきました。ビデオの普及で幻の映画が気軽に観る事ができるようになり、やっと見る事ができました。観終わったあと一位キープも十分納得しました。フランスの小説に言う「ロマン=長編」の風格を持った大作です。未だナチスドイツの占領下でありながら製作が開始され、コメディフランセーズの全面的な参加の元、こんな映画が製作された事を奇跡の様に思われます。この映画で語られる人間模様、恋愛は現在(いま)に通じるメンタリティーを有していると思います。古今亭志ん生の人情噺に通じる人間観の確かさを映画の中から読み取る事も可能でしょう。古いフランス映画の入門としてはもっと軽やかな作品の方が良いと思われますが、いずれは観て欲しい名作だと思います。
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スズナリ 2007/6/26
この映画を観たのは、20年くらい前、レンタルで。ずっと気になる作品でした。ナチス占領下にもかかわらず、マルセル・カルネ監督が三年の歳月を費やし完成させた、二部構成、三時間をこえる大作。歴代洋画ベストテンに必ず挙げられ、邦題の神々しさもあり、何か敷居が高く感じられたのです。しかし、映画の幕が開くとすぐにその世界に引き込まれました。19世紀半ばのパリ、天井桟敷席までスズナリの劇場や、見世物小屋等が立ち並ぶ界隈が舞台。「恋なんて簡単よ」と言う、誰にも束縛されない自由な女ガランス、全てをパントマイムで表現出来るが、大切な思いを伝えられない男バチスト、言葉巧みに恋と成功を手に入れようとする俳優ルメートル、ガランスとの恋に破れたバチストと結婚する、凡庸な女ナタリー、悪党ラスネール、大富豪モントレー伯爵。この映画が描くのは登場人物たちの人間模様であり、現在にも通じる愛憎絵巻なのです。そしてラストシーン、「これが人生なんだ」、そして「これこそ映画なんだ」と… 。 この度DVDで、久しぶりに観たのだけど、やはり深いです。台詞がまたいい。この作品を映画館で観てみたい、と思うのは私だけではないでしょう。つまるところ『天井桟敷の人々』とはスズナリの私たちなのかも知れません。
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このような戦い方をフランス人は映画でしていたのか! 2007/9/29
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ナチ占領下でこの大作を創ったフランス人の政治力に驚嘆。監督マルセル・カルネはいかなる人物であったのか。
作品への驚きは二つ。
1:パリの下町の庶民が生き生き。これはナチズムの映画としての戦いとみた。
2:パントマイムという最高の芸をみることができること。
パントマイムを演じるパチスト(ジャン=ルイ・パロー)、美しい女性ガランス(アルレッティ)との純粋愛。とにかく、パチストの芸に感動!
最後は女が去っていく。群衆にまぎれて、追い求めるパチスト...。
実に3時間。2部構成。
最高の作品。とくにパントマイムを演じるジャン=ルイ・パローには、驚きをあたえられること必至。死ぬまでに一度は観ておかないと...
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大人の映画 2007/1/5
一人の美女をめぐる男たちの恋の鞘当、今はなきパリの犯罪大通りを舞台にした最後は切ない気持ちになる恋愛映画であります。この美女は決して若くはないけれど、目尻のちょっとした翳りさえも美しさを際立たせてあまりあるものがあります。もちろん見た目の美しさだけではなく洒落た言葉のやりとりもさすが!という感じであります。愛しているとわかっていても別れていくしかないという最後のシーンには涙・涙なのであります。ずっと探していてやっと見つけて大変満足しております。