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男性憎悪的な美しき悪女 2008/3/2
暗黒街のボスを撃って、金を持ち逃げしたボスの女(ジェーン・グリア)を捜すよう命じられた探偵(ロバート・ミッチャム)の彼女と知り合ったばかりにおちいる探偵の運命を描いたフィルム・ノワールの傑作。この作品のヒロインであるジェーン・グリアは関係が深まれば深まるほど男の存在がうとましくなるのか、ボス(カーク・ダグラス)を含め、関係する男を殺害していく情無用な女。男性不信というか、ある種男性憎悪的な精神状態の美しき女。こんな悪女は昨今の作品ではなかなかおめにかかれない(でも、魅力的で悪女と知りながらも男は彼女を離せない))。
前半は、回想的にボスの女と彼女を追う探偵のラブストーリーを甘く描くが、後半は一転サスペンス色いっぱいに悪女ぶりをみせ、いっきに悲劇的な展開を描ききるのはさすが。1940年代の作品だが、今観てものめりこめるファムファタール色いっぱいの傑作フィルム・ノワールだ。
ところで、この作品は1984年に「カリブの熱い夜」として「愛と青春の旅だち」のテイラー・ハックフォード監督がリメイクしているが、ヒロインは徹底した悪女ではなく、むしろ自己犠牲の愛を描いた作品(ラストはオリジナルと異なる結末)になっていた。この作品のヒロインの母親役をオリジナルのヒロインであるジェーン・グリアが演じているのも面白い。