1
06年最高のアニメ 2007/2/5
派手なプロモーションを繰り広げる国内外の映画をよそに、ネットなどでの口コミで高い評判を得た作品。昨年公開されたアニメの中では恐らく最高の出来。ジブリで「ハウル」の監督に指名されていた細田守監督らの丁寧な仕事に加え、エヴァンゲリオンで見覚えのある貞本義行のキャラデザも相まって、ここ最近の日本アニメの集大成的な高水準の作品となった。有名な小説「時をかける少女」ではなくて、その20年後という続編的な内容である点も、決して悪い方に作用していない。新人を起用したヒロインの声もすごく新鮮。下手に著名人を使わなくてその点も良かった。もっとも、アニメなので、見る人を選んでしまうし、絵と音楽は美しいが、後半のテンポが悪かったりと、完璧な映画ではない。だが、逆にアニメだったことで、その辺が目立つ粗にならなかったとも言える。
とにかく、スタッフのすばらしい仕事ぶりに感謝するとともに、地道な口コミで、この作品をここまでに引き上げた無名のファン達もたたえたい。
2
本当に良い作品ですよ 2007/1/23
鬼才・細田守の監督作品にして06年アニメ映画としては白眉の一本。
細田守については「デジモン」とか「ワンピ」の劇場版等々を参照のこと。
一言で言えば非常によく出来ている作品。
キャラ・背景・音楽・セリフ・演出、それらが高いところで合体していて、
見た後の印象がとても強く残る。そして何度なく見てしまう。
原作は超有名作品だが、それを現代風にアレンジして
なおかつオリジナルとして完成させているのは流石としか言いようがない。
もちろん話の根幹はタイムスリップが絡んでいて、
このテーマの宿命のようなタイムパラドクスのアラや矛盾は存在するが、
それらを展開の早さや演出の妙によって上手くカバーし、
より本質的なジュブナイル世界を描ききっていることにこの作品のポイントがある。
もっと正直に(?)言えば、他人に薦めたくなる作品なんですよ。
良いから見てみなよ、って。
もしかしたらそれが最大の魅力かもしれませんね。
3
ついに出ますね、DVDが。 2007/1/12
評判を聞いて、本作を上映している中で自宅から一番近いシネコンに行きました。車で1時間以上かかりましたが、それだけの価値は充分にありました。この作品が入っていない邦画年間ベストテンがあったら、そのランキングは絶対信用できないなとまで思ったくらいです。
私自身、原田知世さんの実写版に強い思い入れを持っていたので、正直「どれ程のものか観てやろう」的な思いもありました。映画が始まって最初の15分程は、なにやら中年おやじが間違って場違いなところにきてしまった?的な居心地の悪さを感じたことも事実です。しかし、主人公の少女がタイムリープの能力を獲得し物語がアクティブに動き出してからはぐいぐいと引き込まれていき、気がつけば自分も登場人物たちと一緒に真夏のグラウンドにいるようでした。
現代風にアレンジされてはいますが、旧作同様人が人を想う気持ちの尊さ、切なさが見事に描かれた傑作です。おそらく物語の矛盾点を探そうと思えばいろいろと出てくるのでしょうが、そんなことをする気が全く起きない程観賞後の満足度は高かったです。
鑑賞中こらえていた涙が、エンドロールに流れる奥華子さんの「ガーネット」を聴いた瞬間堰を切ったように溢れてしまいました。明かりをつけないでくれと真剣に思いましたが(笑)、DVDで今一度、自宅でゆっくり鑑賞できる日が楽しみです。
4
評価されるべき本物 2007/1/11
2006年夏に上映された三本のアニメ映画には一つの共通点があった。
それは、人気作家の有名作品を原作にしているという点だ。
ジブリの『ゲド戦記』
GONZOの『ブレイブストーリー』
そして本作『時をかける少女』である。
ゲド戦記とブレイブストーリーに関しては、上映前、上映中にTV番組・CM等で雪崩のような広告展開を実施して、その名を聞かない日はなかったといっても過言ではない。
上記の二作品と比べれば、時をかける少女の知名度は比較にならないほど低いものだった。
しかし、ゲド戦記とブレイブストーリーが圧倒的な広告展開の割りに興行収入が振るわなかったことに対し、時をかける少女はじわじわと口コミで評判が広まり、予想外のロングランを記録した。
観客は馬鹿ではない。
どんなに大声で美辞麗句を並べたところで、作品そのものに輝きがなければ、即座に淘汰されてしまう。
逆に素晴らしい作品であれば、どんなに小さな存在でも必ず世に出てくる。
今の時代、悪評も賞賛も広まるのは恐ろしく早い。
5
レベル高いなあ 2007/1/26
原作者、筒井康隆が好きでこの映画を見たのだが、それどころではなかった。原作の現代的なアプローチでの昇華は作画、脚本、演出全てにおいて完璧であると思う。むしろ、原作ではあまり描かれなかった、主人公紺野真琴の思春期の女の子としての透明感が作中で大きな役割を担っている。コメディとシリアスも絶妙な按配で、とにかく何度でも見たくなる作品。これは是非とも中高生ではなくそれより上の世代に見てもらいたいと思った。タイムリープがテーマになっているだけに、過ぎていった日々と、その時間は戻らないのだという事を痛感させられ、どこかセンチメンタルな感情を呼び起こされる。
正直なところ、その世界観やスピード感溢れる展開もあり原作の面白さを確実に凌駕している。純粋に日本のアニメのレベルは高いと思った、そんな作品。
6
疾走すること 2007/7/22
中学高校のときに経験する事って、本当にすばらしいもの。
でも毎日がそんなにキラキラ輝いているわけじゃない。
あのときああしていればよかったこうしていればよかったという後悔、
これから自分はどうなっていくんだろうという不安、
そんな感情にがんじがらめになって何もする事ができない今。
そういう日常を、ただただやり過ごしていくという方法もある。
でもこの映画の主人公はそうじゃない。
彼女はただひたすら、駆け抜ける。走って走って走りまくる。
疾走する彼女を観て思った、自分は今そんなに一生懸命生きているだろうか?
いつかはみんな必ず大人になる。
けれど、ひょっとしたらその『いつか』は明日で途切れてしまうかもしれない。
それを知っているかどうかで、自分の人生はあらゆる向きにベクトルを変えていく。どんなふうにでも形を変えていく。無限の可能性が生まれる。
自分の人生なんて自分の意思でどーにでもなる、この映画はそういうことを教えてくれた。
私も、ただひたすら、ばかみたいに、
走って、走って、走り抜きたいと思う。
7
発売間近 2007/4/13
やっと発売されるかと思うと今から目頭が熱くなってきます
映画館には2度見に行きましたが3度目はグッと堪えました
何故ならば自宅でもゆっくり本当にゆっくり見たい作品だからです
だからDVDが出るまで3度目の楽しみは取っておこうと思いました。
しかしこの映画
私が映画館に見に行った時は整理券を配るほどの行列と見終わった後
エンディングが流れ終わるまで誰一人帰る人も無く
幕が下りた後に拍手までありました。
こんなに客席と気持ちの良い一体感を感じた映画はアニメ以外を含めても
初めての映画でした。通常版でも良いので買って損は無いと思いますよ。
というか自信もってオススメします!
8
映画館が思い出の場所になる 2007/2/25
この映画ほど、映画館で見て良かったと思った映画はありません。
見終わった後、自分の中で何かが変わりました。
過去にもいくつかの作品を見た映画館でしたが、あの映画館はこれからは
「時かけを見た映画館」として記憶に残ると思います。
何がどう良かったかは今さら私がどうこう言う必要は無いでしょう。
見た後は満足感でいっぱいになり、すぐに家に帰りたくなかったです。
ゆっくり歩きながら映画に想いを馳せ、頭の中で奥さんの主題歌がエンドレスで流れていました。
翌日はどうしても我慢が出来ず、映画館に足を運びました。
二度目の鑑賞は、いろんなレビューを思い出してしまい冷静になってしまいましたが、
あのシーンやあのシーンで鳥肌が立ち、ああやっぱり見に来て良かったと思いました。
出来れば映画館で見て欲しい作品ですが、この際DVDでもいいから見て欲しいです。
アニメ映画に抵抗のある方には評判が悪いそうですが、耳をすませばなんかが好きな人には
気に入ってもらえそうな気がします。
9
2006年ベストアニメーション映画(邦画) 2007/1/12
限定版は値段が高いので、通常版とどちらを購入するか迷っていますが、
もうこの作品は、映画ファン必携でしょう。
本作は2006年夏、出来の悪いアニメーション映画2本がテレビでバンバン
宣伝されている中、余り宣伝もされず、ひっそりと公開されました。
しかしながら、その面白さが口コミで伝わり、徐々に上映劇場を増やして
いったことは記憶に新しいことだと思います。
本作の魅力は、現代的にアレンジされた主人公の人物像です。見てくれは
悪くないのに、後先考えず行動するボンクラな人物として描かれています。
そんな主人公だからこそ後半の展開が泣けてくることになり、演出として
非常に成功しているのだと思います。
また、カット割も、予算の関係上、同じシーンの使い回しは若干見受けら
れますが、登場人物の感情描写を補完するように巧みにロングショット、
バストショットを使い分けており、製作陣の技巧の高さが見受けられます。
くどいようですが、某2作にはそういった魅力は全くありませんでした。
ストーリー自体は、勿論旧作と同じアウトラインであるため、青春時代の
甘酸っぱい思いを味わえることは間違いありません。
買って損はありません。
是非ごらんになって下さい。
10
鑑賞者の未来につながる物語。ありがとう、の涙。 2007/4/11
過去への小規模なタイムスリップを繰り返しつつ、一人の少女が苦悩し、成長してゆく物語。そのスピード感、急展開に引きずり込まれつつ、最後の最後、あまりに真摯なメッセージに絶句。言ってくれて、ありがとう。そんな気持ちで涙。そのメッセージに導くまでの展開の巧みさ(面白さ)も絶賛に値するが、何より製作者たちが、こういうことを考えながら作品を手がけたのか、ということが伝わっただけで、感無量。上映開始後二ヶ月、市の映画館でも一箇所、それも一日一回しか上映されていなかったこの映画が、時間をかけて多くの人々に評価され、愛されるようになったことを嬉しく思います。