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ハチャメチャで楽しく、しかし原作に対して真摯に取り組まれている!! 2007/12/21
劇団による上演の天国と地獄と聞いて、オッフェンバックの天国と地獄を取り入れた新たな劇かと思いきや、ちゃんと天国と地獄のナンバーは網羅されている。使用されているナンバーはミンコフスキーとリヨンオペラの物に近いが、独自のオリジナルなナンバーや、演劇的な部分の挿入なども多い。しかし1858年初演版は歌のナンバーは少く演劇的要素に支えられていたのだから違和感は全く無い。
歌唱による所と、オッフェンバックの楽譜では歌唱の部分でも台詞で喋った後、又歌に復帰するなど面白い工夫がみられるが、この様な場面でも台詞に置き換えられた部分は楽譜の寸法に支配されており、とても運びが早く痛快だ。歌詞などはさすが劇団、自由に改変している。しかしここで注目したいのは、この様な自由な改変が、かえって天国と地獄のオルフェ、ユリディス、プルート、ジュピター等の織りなす人間模様を分かりやすく生き生きと描き出している。また、ユリディスの死因、ユリディスの素性等に新たな解釈が加えられ、これはなるほど!と納得させられた。また世論に先導され、名誉のため天国に妻を返してもらいに行く。。。ということは実際はどういうことなのか、これは生々しい悲劇になるためオペレッタでは明確にしないところを毛皮族のオルフェはちゃんと実行しているのだ。また最終場でジュピターはいかにしてユリディスを連れ出そうとするかこれは説得力のある設定だし、またユリディスは何故ジュピターのもとに行けずにバッカスの巫女になってしまったか、はじめて釈然とした回答がここにあった。音声特典を聞けば、江本純子さんの作品に対する真摯な取り組みがわかる。
新たな、独自な、という往々にして原作をぶちこわす現代演出多い中、この毛皮族の天国と地獄は原作に独自のルートから肉薄している。
何回も見返しているがクセになる!!