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黒澤娯楽時代劇の決定版 2007/8/8
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「用心棒」に続く、黒澤娯楽時代劇の名作。「用心棒」よりもユーモアが強調され、キャスティングも小林桂樹、入江たか子、伊藤雄之助、田中邦衛など少しとぼけた面々が適材適所で配役されています。三船の豪快さ、仲代の冷徹ぶりも健在です。「用心棒」の続編ではなく姉妹編なので、この作品だけ独立して観ても十分面白い。むしろ始めての黒澤映画だったらこちらの方が面白いかもしれません。織田裕二主演でリメイクされていますが、スチール写真を見るかぎり、今の若手俳優特有の前髪を下ろしたおかしなマゲ(若くではなく幼く見える)を見ただけで、ゲンナリです。三船敏郎の男臭い豪快さは表現できないでしょうね。この価格で出るなら絶対に買いです。少なくともリメイクのロードショーにお金を払うよりは有意義だと思います。
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時代劇の枠を超えた極上のアクション映画 2007/10/25
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森田芳光監督、織田裕二主演で、この黒澤映画のリメイクを作るらしい。
森田監督も随分思い切ったことをするものだ。
普通の基準で相当に素晴らしい映画になったとしても、
この黒澤オリジナルと比べられたら、
「やっぱりオリジナル版の足元にも及ばない」と評価されるではないか。
それくらいこのオリジナル版はスゴい映画なのだ。
この映画、数ある黒澤映画の中ではある意味異端と言ってよい。
上映時間が短く、スケールが大きい大作と言うわけでなく、
社会的なテーマを扱ったり、心に響くメッセージを持っているわけでもない。
腕の立つ浪人が勧善懲悪で悪者たちを懲らしめると言った、
あらすじだけから言うと、ごくごく普通のチャンバラ時代劇だ。
だが、そのような「普通のチャンバラ」だからこそ、
黒澤の映画監督としてのずば抜けた技量が表れている。
アクションはもちろん、笑いあり、ハラハラドキドキあり、
どんでん返しのトリックあり、悪が倒れる爽快感あり、
そして目に焼きついて絶対忘れられないラストシーン。
ここまで書いて、リメイク版を作る森田監督の気持ちを邪推した。
森田監督は、ひとりの映画ファンとして、
1人でも多くの人に、オリジナル版椿三十郎を見て欲しいと思ったのではないか。
そのために、自らの作品に悪評がついてでも
「オリジナルを見直すためのリメイク」を作ったのではないかと。
ひとつ注意。
リメイク版を見たい人は、先にオリジナル版は見ないように。
オリジナルを先にみると、非常に高い確率でリメイクにがっかりする。
でも、リメイク版を先に見れば、ある程度リメイク版を楽しんだ上で、
さらにオリジナルで極上の楽しみが得られるはずだ。
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緩急取り混ぜた絶妙のテンポで楽しませてくれます 2007/11/4
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問答無用、びゅんと伸びるストレートの速球の面白さがあった『用心棒』に対して、翌年、1962年(昭和37年)製作のこちらは、絶妙の曲線を描いて曲がるカーブの趣。夜の社殿で話の経緯を提示する出だしのシーンから、血しぶきビュッ!のラストの決闘シーンまで、緩急取り混ぜたテンポで楽しませてくれました。
全編を貫く太い流れのひとつは、椿三十郎(三船敏郎)と室戸半兵衛(仲代達矢)の丁々発止の駆け引きと緊張感。そのたて糸に時折織り込まれる横糸が、飄々とした登場人物のとぼけた面白味。なかでも、三十郎・三船も苦笑いするしかない城代家老夫人(入江たか子)のおっとりとした物言い、キャラクターが魅力的でしたね。
あとは、そうだ、見張り役の侍(小林桂樹)が「ちょいと割り込みますがね」と言うことだけ言って、「それじゃあ、わたしはこのへんで」と押入れに戻るシーン。あそこはおかしかったなあ。くすりとさせられました。
加山雄三以下の若侍のなかでは、田中邦衛がいい味出していました。
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世界に影響を与えた名無しの素浪人 2007/10/27
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前作となる「用心棒」をセルジオ・レオーネ監督がパクって「荒野の用心棒」を撮影したのは有名な話。この映画はクリント・イーストウッドや音楽家エンリオ・モリコーネの出世作となり、影響はバック・トゥ・ザ・フューチャー3のマーティまでに及ぶ。「椿三十郎」の主人公は「用心棒」では桑畑三十郎と名乗っていた名無しの素浪人(三船敏郎)。彼の素性、旅の目的など一切が語られないが、驚異的に強く賢い頼れる男という設定が痛快。黒沢映画全般にいえることだが、時代を経ても古くささを感じさせず、脚本、演出、音楽、配役その全てにおいて完璧である。角川によって織田裕二主演でリメイクが作られるそうだが、そんなことをするより昔のフィルムの最新の技術でデジタルリマスター&ドルビーステレオに修正した映画を上映して欲しいものだ。今作のリメイクは、例えるなら「モナリザ」の贋作展へ行くようなものである。
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最近黒澤のリメイクが流行っているが 2007/12/8
これはどう云う訳だろうか。製作サイドのネタ切れか?それとも今更ながらに黒澤の時代を超えた映画作家としての力量が再認識されていると云う事なのか?
本作は「用心棒」の続編。一般的な評価は勿論圧倒的に「用心棒」だ。中には「柳の下に二匹のどじょうはいなかった」と云う酷評迄ある。
映画としての完成度の高さと迫力は「用心棒」であろう。あの隅々迄で計算され尽くされた精緻なカメラワークと舞台劇の様な設定でありながらも映画ならではの迫真の映像美に加え、三船の名演はこの作品に続編の存在などあり得ないと思わせるものだった。
しかし黒澤は凡百の映画作家とは違った。主人公の三十郎だけを流用して全く別物の世界を作り上げてくれた。
前作を意識して敢えてライトタッチの演出・映像。カメラに宮川や中井朝一を起用しなかったのも意識的なものだろう。
時代劇でありながら、血気に逸る若者と物に老いた三十郎や城代家老睦田との対比は、いつの時代も変わらない世代間の相克を表している。完璧主義者の黒澤が加山雄三以下若侍達の大根演技を容認したのも、現代的な若者達の言動を加山達に重ねあわせていたからだろう。
ラストシーンは無論最高の見せ場だが、映画の中程で何十人もの侍をなで斬りにした三船が、物凄い形相をして肩で息をする場面は、所謂「時代劇」を超越した黒澤流リアリズム演出の見事な発露だ。
他にも入江たか子と伊藤雄之助の飄々とした演技が、見事に脇を引き締めている。リメイク版で初めて黒澤を知った人たちにも、ぜひ観てもらいたい素晴らしい作品だ。
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黒澤映画で 最も好きな作品 2007/11/17
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「黒澤映画の最高傑作は何か」と聞かれると色々あって困る。正直答えられない。一方「一番好きな黒澤映画は」と聞かれれば もう文句なしに 迷わず この作品を上げる。
この作品は 黒澤映画の中ではむしろ小品ではある。なんとも愛らしい作品である。
前作「用心棒」に比べて決闘シーンこそ少ないが 前作に無いユーモラスな場面が素晴ら
しい。
余り言われていないが 黒澤映画の大きな魅力の一つにユーモアのセンスがある。その点
で 黒澤の諸作の中でも この「椿三十朗」は傑出している。まぎれもなく日本喜劇最高傑作の一本だ。
実に知性的で シャレていて 小粋なフランス映画のようなテイストだ。こういう映画は最近の邦画では 中々お目にかかれない。
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果たしてリメイクする必要があったのか・こっち見ればいいじゃん 2007/11/26
10年程前に見た時は、何か一般受けを狙い過ぎな印象を受けて
「用心棒」の方が面白いと思っていた。
しかし、今回「影武者」に続けて鑑賞したら
その「痛快娯楽作品」ぶりが、逆に楽しめた。
時代劇の割には、チャンバラシーンがあまり無いのも特徴的だが
少ないチャンバラシーンに三船敏郎の豪快な剣さばきが光ってます。
仲代達矢の渋い声がカッコイイのに
リメイク版のトヨエツの声は何か軽い感じがするのは何故だろう。
同じ「引け、引けぇ~いっ!」のセリフが
印象が全然違う。
クロサワは、やはり白黒だからこそカッコ良く見えるのだろうか・・・?
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リメイク版と比較になりません 2007/12/8
前作の三船三十郎は45年も前のものとは思えないほど、今の若者が見ても面白い。
どなたかも書いていらっしゃったけれど、先に三船三十郎を見てしまうとリメイク版はガッカリするかもしれません。織田君も頑張っていましたが、あの三船敏郎の太刀さばき、重厚感は出せません。あの世界の三船があんなコミカルな演技をするなんて!実際の三船敏郎とはどのような人だったのでしょう?現代のようにバラエティ番組やトーク番組のない時代、俳優、女優がトイレへ行く事さえ想像できない雲の上の存在でした。皆さんもご存知なのでしょうけれど、バラエティで笑わせてくれる三船美佳さんのお父様なのですよ(^^ゞリメイク版を見た人が三船三十郎を見るきっかけになれば良いですね。加山雄三さんの好青年ぶり、・北の国から」出お父さんを演じた田中邦衛さんの生意気な若侍ぶりも見られますよ。田中邦衛さん、口をとがらせてしゃべるのは昔からだったのですねぇ(^^ゞ
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リメイク版とは月とスッポン 2007/12/8
何がオダユージだ あんなもの比較するまでも無くこっちの方が面白い
皆が言ってるように比べるまでも無いのだ 迫力や面白さが桁外れに違う
やっぱり何度見ても最後の切りあいのシーンは素晴らしい 長いにらみ合いのすえ画面から音は完全に消え去り血しぶきが四方八方に飛び散る
あの興奮を二度実現するのは不可能 「ダイ・ハード」のジョン・マクレーンのキャラクター
もこの三船敏郎にオマージュを捧げたものだったらしい 間違いなく日本映画の至宝
素晴らしい映画でした
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「軽くて明るい」異色の黒澤作品 2008/1/6
この作品は好評だった「用心棒」の続編であり、それを踏まえるとストーリーの流れや主人公が名乗るシーンなどで共通点(パロディ?)もあり、観ていてニヤリとさせられる。「用心棒」ではダークな描写が結構あったが、本作は完全に大衆娯楽に徹した勧善懲悪時代劇といえ、テンポはコメディ・タッチですらある。この点で、本作の「物足りなさ」を指摘する黒澤ファンがいるのも事実だ。(2007年に角川がオリジナル・シナリオでリメイクした際にコメディに仕上げたのも自然といえば自然。)
起承転結なんて関係なく、いきなりトップ・ギアでストーリーが突っ走る脚本は見事で、実は相当高度な本作りだったのではないかと思う。また、三船・仲代の黄金コンビがゾクゾクするような2ショットを見せてくれる各シーンが最大の見せ場だが、とにかくメッセージ性の強い作品ばかり撮った黒澤監督の作品の中ではかなり軽快な方に位置しており、人気作だが(「用心棒」同様)異色作だと言えよう。
まだ観ていない方は、「用心棒」とセットで見ることをお勧めします。