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かもめ食堂のレビュー

お話は淡々としているが傑作!!  2006/8/1

・・ おしゃれなキッチンの佇まい、焼き立てのシナモンロールから始まり、トンカツ、ショウガ焼き、肉じゃが、そして、おにぎり、鮭の塩焼き、等々、シンプルな料理が実に美味しそう。そんな料理を作るシーンを観ている、ただそれだけで幸せな気分になってしまう...。 そもそも「フィンランドなら、何とかやっていけそうだと思った」という以上に、サチエが食堂をオープンしたいきさつは語られないし、ミドリが日本を飛び出してきた理由も分からない。ドラマティックな展開をあえて避けてる脚本なのですよ。つまり「野暮なことは聞かない」という姿勢がとても良い。オトナだね。(笑)  「やりたくないことはやらない」という姿勢も羨ましい。映画はそんなスローで暖かな映画の空気に包まれますが、「人はみんな変わっていくものですから」と、ちょっと辛味の利いたスパイスをふりかけるのも忘れない。話は全然違うものなのですが、なんか、「バクダッド・カフェ」を思い出してしまいました。 それにしても、何と言うことのないシーンで、ずいぶん笑わせてもらいましたし、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、それぞれの強烈な個性が生きている。絶妙の間がすばらしい。 エンドクレジットに流れる、井上陽水の「クレイジー・ラブ」がこれまた素晴らしい。この曲をもってくるセンスに脱帽。自由だけれど哀しく、もどかしいけれどちょっと希望がある。コメディな部分も含め、ゆったりした映画でした。



★悩みもぶっとぶかも?!★  2006/5/11

・・ フィンランドで単身『かもめ食堂』を開いているサチエさん(小林聡美) お客が全く入らず、地元のオバちゃん3人組にも馬鹿?にされる始末。 一人目のお客さん、日本カブレの青年(少年?)トンミ君や訳アリな 旅行者?ミドリさん(片桐はいり)、預けた荷物が出てこなかったマサコさん (もたいまさこ)と知り合い、まったりながらもステキに話が進んでいきます。 日本人の女性3名が3名とも単独で北欧まで来て、そこでこんなにステキな 出会いをとげてしまう。一人旅がしたくなること、ウケアイです。 しかも北欧のオシャレな雰囲気。まさこさんは荷物がないので服を 買いに行くのですが、それがまた、マリメッコ。むちゃくちゃキュートです。 物語りも雰囲気も楽しめて一石二鳥。しかもゴハンもおいしそう。 見ていると、自分の悩みもなんとかなるさとなぜか思えたり。オススメです。



端正で、美しく、歓びのある日常  2007/3/13

オフビートな映画です。 それぞれの登場人物に、抱え込んだ過去や、望むべき未来があるでしょうが、すべて省略されています。姓名がはっきりしている登場人物すら数人しかいません。映画は「かもめ食堂」で起こることを中心に、現在を切り取りながら進みます。画面はHBくらいの硬くも柔らかくもない鉛筆で描いたデッサンのように端正で、これがスカンジナビアの無駄のないデザインによく合っています。 日本人女性が単身、ヘルシンキで食堂を営む(しかも映画のはじまった時点では食堂の収入はゼロ)という、かなり非日常的なお話で、彼女に絡んで来る人物たちについても、お金は大丈夫なのか、とかそういった面は、やはりばっさりと省略されています。と、これだけ変な話なのに、主人公の無駄も淀みもない料理の手つきや端正な画面構成によって、観ているうちに、これが何の変哲もない日常に見えてくるのが不思議。 大した事件が起こるわけでもなく、ラストに向けて物語が収束していくこともありません。メッセージらしきものも無くはないですが、そういったものは、大切なエピソードではあっても、おそらく、この映画のテーマではないでしょう。 そんな、現国の設問に100字で答えるような解釈は、この手の映画には無効です。切り取られ、提示された主人公たちの暮らしに接し、ただ、感じればいいのだと思います。感じ方は人それぞれでいい。 ぼくは、この映画を観ている間、幸せでした。それだけで、いいのではないかと。 久々に、こういう静かで美しく楽しい映画を観て嬉しくなりました。かなり傾向は異なりますが、「マルメロの陽光」「ウルガ」「親愛なる日記」といった映画が思いだされました。



品格のある佳作です。  2006/10/2

・・ 観終わって、幸福感にひたれること請け合いの佳作です。全編フィンランド・ロケであることがかもし出す雰囲気がたまらなく良い。さりげない食堂のインテリアも北欧らしい品のよさを感じさせます。そして街が騒々しくないのがいい。そのため、まだ客が少ないときに主人公たちが食堂内を歩く足音、食器をテーブルに置く時の音、料理の音、そして最後の拍手の音まで、実に心地よく耳に響きます。本作は繊細な音を含めてそういった音を耳を澄ませて楽しむことのできる、近年なかった見事な映画だと思います。女優陣の演技はいずれ劣らぬ好演ですが、やはり小林聡美の存在感が抜群です。人生に達観し、何事にも動じず、人に対して常に敬意をもって接し、押しつげがましい所は少しもない。そして周りの人を励ますことを忘れない。その元気の輪が広がっていくのが実に素晴しく、それが観終わった後の幸福感につながります。最近の日本映画の好調ぶりを代表する、品格のある作品として、お薦めです。



日本のカウリスマキ  2006/8/19

・・ 小津がフィンランドのカウリスマキを経由して逆輸入されたような、日本映画の成熟を感じさせる映画。 小林、片桐、もたいの三人はもちろん息の合った演技だが、日本の町を舞台にしていたら、その個性が浮きすぎていたのかもしれない。 フィンランドという異国(フィンランドの空気感は本作の重要な背景だが、おそらくそれはフィンランドでなくてもよい)において、そもそもが周囲の環境とは少し異質な存在として暮らしている状態だからこそ、三人の個性が映画のストーリーと軌道を揃えることができるのだと思う。 食堂の調度品をはじめ、主人公の家の家具、三人のファッションなどには、監督らしい繊細なセンスのよさを感じる。 観客が当然おもう、なぜ主人公がフィンランドで食堂を開いているのか、という疑問については全く説明せず、登場人物たちとのコミュニケーションに重点を置いた脚本は、見事に成功している。 リアルな会話劇のなかで、たった一つのファンタジーをもたいまさこの身に起こすような緩急のつけ方は心にくい。 人が誰かと出会い、少しずつ影響を受けながら、昨日とは少しだけ違う人生がはじまっていく。ただそれだけのモチーフを見事に映像化している。



ヘルシンキ かもめ食堂行ってきました。  2006/8/12

映画を見た後、おにぎりを食べ、シナモンロールを見つけては、かもめ食堂に浸っていました。 毎日がなぜか、ほっこりする映画です。 ついに、ヘルシンキまでかもめ食堂まで行ってきました。 かもめ食堂自体には、おにぎりは無かったですが、アットホームなお店でした。帰りにママから‘ありがとう‘と日本語で言われたので、 私は、‘キートス‘でお返し。。 かもめが街でも舞い、トラムがゆっくり走り、石畳の敷き詰まったゆったりした街があわただしい毎日を、ほっこり、ゆったりしてくれました。 帰ってから、もう一度、かもめ食堂がみたくなり、DVDを予約しました。



美味しいおにぎり  2006/3/27

小林聡美のために書き下ろした原作を映画化。 宝くじを当ててフィンランドに食堂を開店するも閑古鳥が鳴く。 食堂を舞台に、片桐はいりとの出会い。そして、もたいまさこの登場。 最近はやりの雑誌「クウネル」等に見られるような、超自然体のリラックスしたドラマ。 寿司・天ぷら・鰻ではなく、鮭・オカカ・梅干しのおにぎりだ。 小林聡美が演じる主人公の無欲なライフスタイルは、人間として、日本人として忘れてはならない何かがある。 その何かを、自然にこぼれ出るようなさりげなさで、我々にメッセージを送ってくれた。



フィンランドに行きたい  2006/8/9

北欧好きの女性にはたまらない作品です。 誰にとっても最高に面白い!っていう作品じゃないんだけど しみじみ面白い。そしてクスっって感じ。 小林聡美さんの凛とした雰囲気と合気道のすり足がイイ(笑) もたいさんと 片桐はいりさんとの絶妙なバランス フィンランドの空気感がたまりません。 観終わったあと旅行したくなりました。



しずかに???。  2006/8/15

ダイナミックな盛り上がりはない映画です。もたいさんの「間」は相変わらず、すばらしい。映画館でも くすくす。 ふふふ。 ひひひ。 といろんな笑い声が聞こえてきました。 静かに一人「明日もがんばろ」って思える映画です。



ほっこりする映画。  2006/10/7

スリルもサスペンスもないラブロマンスもない。 でも、ほのぼのとした雰囲気がいい。 小林聡美、片桐はいり、もたいまさこの味がいい。 音楽はほとんど使われていないけれど、 その分、 コーヒーが落ちる音、おむすびののりを噛む音、とんかつを揚げる音。 そして、「いらっしゃい」の声。 普段は聞き逃してしまうような音がとても生きている。 観ていて和食が食べたくなった。 もたいまさこがますます好きになった。 小林聡美が綺麗だと思った。 片桐はいりがおもしろいことを再確認した。 お料理もしたくなった。 なんだかしあわせになった。 そんな映画。



映画の疲れは映画で  2006/10/25

小林聡美、片桐はいり、もたいまさこの3人が出演していると聞いただけで面白そう。 思った通り小林聡美が普通人的で、あとの二人が個性的な役を演じ、3人が醸し出す独特な匂いのする 映画でした。ヨーロッパでもフランス、イタリア、ドイツでなく日本人には比較的馴染みの薄い フィンランドが舞台となっているのが、ゆるめの物語なのに深い所まで引き込まれる要素の一つでしょうか。 見ている途中で、香り良いコーヒーが飲みたくなり、美味しいおにぎりが食べたくなる、視覚聴覚は平穏なのに 臭覚、味覚は興奮させられるのも面白かった。 秋の夜長、連日連夜映画を見続けて疲れた時にはこの1本はお勧めです。



腹減った。  2006/8/1

おなかが空いているときに観ると、非常につらい映画です(笑) とにかく出てくる料理がおいしそうで、食べてる所もおいしそうで。 特にこれといった事件が起こるわけではありませんが、何故か惹きつけ られる映画です。 3人の女優陣も存在感を放っています。特にもたいまさこさんは、劇場 公開中、登場シーンで笑いが起こっておりました。圧倒的な存在感です。 本年度の邦画としてはトップクラスです。 是非一度観て頂きたいです。



こういう生き方がしたいと思った  2006/5/6

・・ まずは、小林聡美、片桐はいり、もたいまさこの演技がいい。この3人のキャスティングを行った時点でこの映画は半分成功したようなものだ(という気がする)。そして、フィンランドのきれいな空気というか、ゆったりと流れる時間というか、そんな背景が心地よい。日本食をメインとする食堂という設定も絶妙。最初から最後まで地に足の着いたそれでいて自由な奥行きの深い生活(人生)模様が描かれた佳作。



はやりの癒し系か???  2007/3/6

前半はまあいいのだが、後半は異常に退屈。森田芳光風のシナリオに、日本人の北欧幻想をくっつけただけ。お前らフィンランドっていうとムーミンしか思いつかんのかと言いたくなる。そのくせ、いい映画だと言わせようとする圧力もかけている。



構えない、作為のない、すばらしさ  2007/7/19

ヘルシンキに開店した「かもめ食堂」が客がまったく来ない日々から、満席になるまでの、ただそれだけを綴った映画。 なのに、すごくいいと感じてしまうのはなぜなんだろう。 見終わって数ヶ月経っても、強い印象が残っているのはなぜなんだろう。 小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ・・・フツーの演技をする彼女たちの「優しさ」が 出ているからだろうか。 それとも、昼でも平行な日差しのヘルシンキの、ゆっくりと過ぎていく「時間」を感じ取ってしまうからだろうか。 未だにわからない。 エンディングに流れる井上陽水の「クレージーラブ」がまたいい。 監督、原作、脚本とも女性だから出る味なのだろう。 今年の映画「さくらん」もそうであった。 もっと女性監督、原作者、脚本家の作品を、僕は観たい!



究極の「なんでもない」  2007/2/16

見終わって、何が一体おもしろいんだろう・・・と素朴に思った。ストーリー展開のほとんどない、喜も怒も哀も楽も非常に印象の薄い1時間30分。淡々とした、というより、淡々とし過ぎた感のある不思議な映画。エンディングロールと井上陽水のごきげんなクレイジーラブのメロディーが流れる中、「・・・で?」と自問自答している自分がいた。 それでも1時間30分のあいだ、退屈する事もなくずっと見ていた。自分でも意識しないうちに心がくつろぎ、気持ちがのんびりしていた。つかみどころのない妙にゆったりした感覚が脳裏に残っていて、消えない。さりげなさを装いながら驚くほどにお洒落なインテリアとファッション。それと対をなす、やたら家庭的で懐かしさ満載のおかずたち。(あえて「おかず」。「メニュー」って感じじゃない・・・) 全編に流れる、清潔感と透明感。 かもめ食堂の木の床を歩く時の乾いた靴音。テーブルに食器を置く時の小さく鈍い音。港に群れ集うカモメたちがさえずり合う騒々しい声。市電の音。街の音。普通の映画では消されてしまうような、日常生活の何気ない音が耳障りにもならずにずっと聞こえてくる。何気ないものや何気ない事が、何気なくそこに存在している。まるで空気を鑑賞しているようだ。 ただそこに存在するためだけの、本当になんでもないとしか言いようのない映画。それでいて、印象は薄いのに存在感は濃厚。いいのかよくないのか、時間をかけないと答えが出せない気がする。気になっている人は、とりあえず見て「感じて」おいたほうがいい。



しみじみと,ていねいに。  2006/7/18

かもめ食堂,行きたいなぁ。 森にも行かなくちゃ。 おにぎり食べなくちゃ~。 ちょー感動 ( > ▽ < ),とか,すげー ( ゜□ ゜;)みたいなことはないんだけど,しみじみと,じわじわと,「よかったなぁ~」と思える作品だと思います。 自分のペースや,自分の気持ちをちゃんと感じながら,ていねいに,大切に生きたいなぁと思いました。



ぬるい癒し系映画ではない  2006/10/4

なんでフィンランドで日本食堂?と思いながら観始めたが 3人のフィンランドおばちゃんたちが、かもめ食堂をのぞき 小林聡美をさして「あれは子ども?」「いや小さい大人よ」 とコソコソと話し合う場面から、一気にひきこまれた。 小林聡美・片桐はいり・もたいまさこの3巨頭ゆえ、 会話の間(ま)の絶妙さは折り紙つき。 そこかしこに、くすりと笑みを誘うモチーフがちりばめられている。 3人の日本人女性と、フィンランドの住人たち それぞれが別々の人生を抱えつつ、かもめ食堂を通して、袖すりあう。 この映画には、大笑いとか、身を賭しての献身とか、 ドラマティックなものは全く出てこないけれど、 本当に強いもの、本当に優しいものは こういった日常の送り方の中にあるのだ、と気づかされる。 淡々と物語りは終わっていったが、 見終えた私は、しばらく涙が止まらなかった。 夫に「なんで泣くの?」と聞かれた。 なんで泣くのだろう? たぶん、それは、映画が生み出す「本当のもの」に触れたからだ。 単なるぬるい「癒し系」の映画ではない。 地に足ついた大人の品性溢れる作品だ。



私もフィンランドに行ってみたくなった。  2006/11/27

・・ 美しい小品。 大感動、というわけではないが、温かさ、優しさ、美しさに満ちた、心地よい映画だった。 たぶん、特に30~40代ぐらいの女性が観たら、ほとんどの人は大絶賛するのではないだろうか。 私もフィンランドに行ってみたくなってしまった。 フィンランド語で普通に会話して、トンカツをザクザク切ったりシャケの切り身に塩を振ったりしている小林聡美が、とてもかっこよかった。 まさしく、彼女の存在あってこその映画だったと思う。 あの透明な美しさは、どこから釀し出されるものだろう。 ──しかし、素朴な疑問。 フィンランドって、ああいう派手な柄物の服しかないのだろうか(きっとそんなことはないはずだが)。 私も、もしフィンランドに行くことがあったら、あんな派手な柄物の服を買って着用してみたいものだ。



なるほど、本は後で。  2006/12/3

映画の素晴らしさは皆さんが書いていらっしゃる通り。 毎日を丁寧に生きて、凛としているサチエ、 悩みを抱えながらも前に進むミドリ、 やっと自分の時間を楽しみ始めたマサコ、 それぞれに共感し、その人間臭さを愛しく感じ、 何だかじんわりとくる、静かで温かな映画です。 この映画を見終えた後で、本を読んでみると、なるほど納得。 三人の背景がもう少し詳しく分かり、 だからサチエはこうで、ミドリはああで、マサコはそうなんだ、と発見できます。 その後もう一度映画を見ると、三人への感じ方が少し変わっていたりもして、また面白い。 何度も楽しめるから、DVDは購入して手元に置いておくのが正解だと思います。



舞台をTV映像で観るようで、俳優三人は良かったが  2006/12/17

小林聡美, 片桐はいり, もたいまさこ の三人の個性が生かされているので、 この方たちのファンには楽しめる作品だろう。淡々とした描写で、多少飽き てはくるが、どうやら、最後の三人三様の言葉に意味があるのか。小林聡美 の料理の手際よさ、片桐はいりのあの表情、もたいまさこの何もしなくとも 存在感がある。何も考えずこの三人の演技を楽しむといい。スタバのシナモ ンロールとコーヒーでも飲みながら。 ※ひとり星一つで、星3つ



元気になれる  2006/12/26

何をしていても心ときめかず、鬱々していたときに観てガツンとしました。 「やりたくないことはやらないだけです」 「そりゃあ、どうしてもの時はどうしてもです」 「毎日まじめにやっていれば、きっとわかってもらえます」 「大丈夫ですよ。。。たぶん」 「人は変わってゆくものですから」「いい方に変わってゆくといいですね」 などなど、心にとどめておきたい言葉がたくさん聴けます。 カップを持つ手つき、会釈、おじぎ。。。日本人ならではのしぐさの美しさがフィンランドが舞台だといっそう際立っています。 礼儀作法、おにぎり、和食。。。日本ってやっぱりいいな!



チョットあか抜けた田舎の透明感  2007/1/15

映画「かもめ食堂」を観た。 日本人の出演者は女優が3人だけ。あとは日本語がちょっと話せる日本かぶれのフィンランド青年と フィンランド人の役者さん。 設定場所は(ロケ地も)フィンランド。と言う微妙にエキゾチズムを感じる非日常的なシチュエーションだ。 女3人が主人公で、一人が「小林聡美」、もう一人が「もたいまさこ」で、 ちょっと現実感から遊離しているとくれば、「やっぱり猫が好き」を 思い出さないわけにはいかない。 さすがに室井滋は出ていないが、そのかわりに「片桐はいり」というキャスティングはそのイメージを補ってあまりあるし。 だが映画はそんな先入観とは関係なく、かなり面白かった。有る程度想像していた感じの空気感を持っていたし、 なんといっても小林聡美は、あの淡々とした魅力全開で、映画の所々で感じる ? が彼女の台詞一言一言で、 まぁそんなこと気にしなくてもいいっか・・という気になってしまう。 合気道をやっていたという設定で、変な足運びを自宅で寝る前に、くそまじめな表情で欠かさず行っている。 今時、合気道である。ヨガでもなく空手でもなく合気道なのだ。 片桐はいりとの最初の絡みはガッチャマンの唄フルコーラスを知っていた事がきっかけだったし。 (僕は歌えなかった) ややもすると、”やっぱり猫”風な室内劇に陥りそうな気がするが、 フィンランドの夏の風景がさわやかで、暑さも薄く快適さが有り透明度が有るロケ場所の空気によってそれを感じさせない。 だが所々に差し込まれる3人一人一人の日常のエピソードは、妙に現実離れしてファンタジーの色彩を濃くしている。 群ようこの原作だと思っていたのだが、実はこの映画のために書き下ろした話だったと知って これは最初からキャスティングありきで書かれたのだと思った。 男にはなんとなく物足りなさのある話だと思うが、若い女性には結構受けているのだろうなと感じた。 でもヘルシンキの街角には「いらっしゃい!」と気負い無く声をかけてもらえる 「かもめ食堂」が、もしかすると存在している様な気が、今はちょっとしている。



スナフキンとミーの秘密まで???!  2006/8/1

さすが、昔の深夜番組「やっぱりネコがすき」の女優2人(小林聡美、もたいまさこ)プラス最強の個性派女優、片桐はいりが出ているとなれば、映画も毎日立ち見の満員御礼だった!ついにDVD発売するそう! なんともTVをみているような、みんな大笑いというより「フフフッ」とルミ姉のように笑ってしまうむずがゆいような笑い!「力の抜けた流れに身をまかせていれば、そのうちうまくいくさ!」みたいな映画でした。「無理をしない」「その場その場を柔軟に受け入れてく」みたいな感じが、「常に向上しなきゃ!」みたいに頑張っている都会人の力を抜いてくれる感じでした。フィンランドの青い空にも癒されました。 フィンランドといえば、ムーミン!なんとスナフキンとミーの意外な関係が明かにされる衝撃シーンもありました。会場が「えー、知らなかった。ショックかも」という雰囲気になりました。必見です!



疲れた秋の夜長に如何です?  2006/10/3

・・ 話の素晴らしさは先輩レビュアー諸氏が賞賛されているとおりです。 かもめ食堂の主人の誠実さが、周囲の人々に柔らかに伝わります。 どんなフィルムを使って撮影されたのでしょうか。 まるでドイツやフランスの映画のように、全編通して淡い色調でした。 目が疲れないのです。 ハリウッド作品にみられる、色の氾濫がなくとても新鮮です。 小林聡美は本当にいいおばさんになりました。 やかんをつかむのに手ぬぐいを使っているのが清潔で、好感を抱きました。 もたいまさことの共演では、どうしてもあの名作ドラマを想起してしまいますが、 三人のやりとりは実力のある女優ならではの長回しのカットが多く、 むしろ舞台劇を観ているようです。



空気を楽しむ  2006/11/29

この作品がつまらない、という人は多分ハリウッドで何億円かけたアクションシーンや CGシーンが出てくる映画、美男美女の燃えるような恋愛の物語にときめくのが好きだったり、 映画の中にホラー、ヴァイオレンス、エロスが出てくるとワクワクする、という方なのでは ないでしょうか。そういう映画の好みは個人によって様々なので否定はしません。 でも世の中には映画の中の空気を楽しむという鑑賞法があって、かもめ食堂はまさしく 空気を楽しむ映画。だからいい味、いい雰囲気、他にない個性を持った小林聡美、 もたいまさこ、片桐はいりというこの絶妙なキャスティングは素晴らしい。 主演の三人の女優さんのうち一人でも美人オーラだしまくり、フェロモン出てます、 な人だったらこの空気は出せなかったんじゃないでしょうか。 オールフィンランドロケにする必要はあったのか、という疑問がわきましたが 夫も子もないある程度年を経た日本人女性が異国の地で和食の大衆食堂を経営、という 実はファンタジー的な部分を日本にあまりなじみのないフィンランドという国の空気、光 がそんなフィクションもいいかもしれないと思わせてくれるから不思議なものです。 ロケ場所が英語圏の暖かい国とかだったらだめだった気がします。 と、えらそうなことつらつらと書きましたが実は鑑賞中猛烈におなかが減りました。 この映画は空気もいいけれど出てくる食べ物もすべてがおいしそうで・・・・・ 鑑賞の際はおにぎり片手に是非。



幸福感  2007/4/8

ほのぼのとした気持ちになるのか、あるいは退屈に感じてしまうのかは観る人の感性に委ねられるんでしょうね。 びっくりするほどこれといった展開がなく終わってしまう物語です。 エンドロールが流れ始めた瞬間「えっ、これで終わり?」と驚きました。 けれど、とても爽やかな気持ちになりました。 それはきっと、メインキャストの三人が生み出す心地よい空気のおかげなんだと思います。 特に小林聡美さんは透明感のある素敵な演技を見せてくれます。 大きな展開のない100分は決して退屈ではありませんでした。 穏やかなフィンランドの空気をあなたも是非感じてみてください。



かもめ同好会  2006/8/1

何もしない。何も悩まない。美味しいもの食べて、お茶飲んで、友達やご近所さんと何気無い会話。何事にもスローで、でも、芯は強く。 ヒールの靴や、肩苦しい洋服は厳禁。自分が自分らしく出来るそんな清潔感溢れる身なり。 そんな何事にも適度で、自分自身に丁度いい生活スタイル。なかなか出来てない日本人が多いよね。 せめてこのDVDを家で流して、空気だけでも、スローな生活を。



素朴な味わいのある映画  2006/8/19

映画全体が、作品中に出てくる料理のように奇をてらわない地味で素朴だけど、どこか懐かしくてほっとする仕上がりになっている。異国を舞台にしながら、日本人に生まれてきたことを感謝したくなるような映画だ。予備知識なく、期待せずに見たのだが、見終わった後、心がいつまでもポカポカしている感じ。意外な大ヒットの要因は、みんながそうした気持ちに飢えている証拠だ。森田の「間宮兄弟」と併せて見るといいかも。



かもめ食堂  2006/10/12

なんていうことのない物語というか、ほとんど物語りですらないんですが サチエの潔さと優しさが相まって、なんともいえない雰囲気を醸し出してくれます 原作は私が敬愛してやまない群ようこ先生 エッセイでは無類の強さを発揮しますが、最近、小説も書くようになりました 映画の中にも群ようこ先生のエッセンスがちりばめられていたように思います 主人公サチエを演じたのは、小林聡美さん サチエの凛とした潔さと優しさを完璧に演じきった この映画の主人公は小林聡美さん以外ありえない フィンランドのゆったりした時間を完璧に作り上げたのは 新鋭・荻上直子 ほとんどのシーンがカメラ固定で 寄ったり引いたりするだけ 「あとは役者さんお願いします」みたいな撮り方 ベテランの女優さんだったから成立した作品だと思います 映画を見終わったあと、なんともいえない不思議な感覚に包まれて しばらく動けなかった こんな贅沢な1時間半は最近なかった



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