ひとめ海を見ようと港へやってきた町ネズミのガンバは、残虐非道な白イタチのノロイによって故郷が全滅の危機にさらされているという島ネズミの忠太と出会い、仲間となった港ネズミたちとともにノロイを倒す旅に出かける。
斎藤惇夫の児童文学小説『冒険者たち ガンバと十五匹の仲間たち』を原作に、『あしたのジョー』『家なき子』などの名匠・出崎統監督が手がけた冒険TVアニメーション不朽の名作全26話をDVD-BOX化。中心となるのはかわいくデフォルメされた個性豊かなネズミたちの友情と冒険劇だが、時折ドラマはかなりハードな展開を示すこともあり、またラフでワイルドな画はアグレッシヴ感を増大させるなど、いわゆる他の名作文学アニメとは一線を画した魅力的なものとなっている。初放映から30年の歳月を経た今観直しても、古めかしさなど微塵も感じられず、むしろ今のアニメにはない演出のスケール感などには圧倒されっぱなしである。野沢雅子ら声優陣の好演も忘れがたい。(増當竜也)
名作アドベンチャーアニメのTV版全26話と、劇場版「ガンバとカワウソの冒険」「冒険者たち~ガンバと7匹のなかま~」を収めた6枚組BOX。白イタチ・ノロイに支配された島を救うため、ネズミのガンバと7匹の仲間たちは尻尾を立てて冒険の旅に出発する。
1
だまって尻尾をたてましょう 2006/3/19
冒頭、海へ向かって川を下るガンバとボーボ。
この川面がまっしろです。何故か。油膜が張っているのです。当時は工業廃水をそのまま河川に垂れ流しておりまして、油膜が太陽光に反射してまっしろに輝くのです。異常な現実感が退廃的に美しい。
鎖を駆け上る七匹のねずみの挙動がすべて異なります。緻密な作画に舌を巻きます。ねずみと人間の時間軸が違います。互いに異界の住人なのです。ガンバは実際のイタチをみたことがありません。想像のなかのノロイは不安と恐怖が生んだ絶望の怪物として膨らんでゆきます。
そして実際のノロイときたら!ああ、もう、思い出しただけでも泣きそうです。こんなの勝てるわけないじゃないですか。
それでも戦うんです。知恵と、勇気と、絆で。尻尾をたてて。
この作品自体が通過儀礼なのです。子供の、ではありません。挫けそうになった大人の背中を押し、ふたたび立ち上がらせる力を有した希有のドラマです。ようやくその事実に気が付きました。さあ。
2
不朽の名作 2006/2/18
・・
テレビシリーズ全26話と、劇場版「ガンバとカワウソの冒険」を収録した新装版DVD-BOX。
前回2001年に発売されたBOXは、あっという間に売り切れ。放送から四半世紀が経つが、相変わらずガンバ人気は高い。
ガンバたちネズミ連中の魅力的なキャラクターが、本作の最大の魅力である事は論を待たないが、この作品を普通の良作から、底知れぬ魔力的なパワーを持った名作に引き上げたのは、何と言っても敵の親玉、ノロイの存在である。
白銀に輝く毛並み、つり上がった真っ赤な眼、そしてネズミたちを圧倒する巨大な体躯は、小さな子供が見たら失禁しそうなほどの迫力を持つ。僕自身、子供の頃は下手なホラー映画よりも余程怖かった記憶がある。
更にその恐ろしさを効果的に表現するため、背景美術もノロイ登場シーンだけガラっと変化する。昼間ならば、太陽はまるでゴッホ絵画のような異様な色彩で輝き、夜ならば風景が紫の薄気味悪い色調で塗りつぶされる。
そして出崎監督作品ではおなじみのハーモニー処理、つまりここぞ!という場面で普通のセル画から劇画調のイラストに移行する手法も、本作が最も効果的に使われたのではないだろうか。
作画面では、ガンバたちネズミは擬人化されて表現されており、普段は直立しているが、これがいったん走り出すと四つ足のケモノとして描写される。この移行がスムーズで、四つ足での疾走も実に活き活きとしている。作画枚数を極力節約しながらも、有機的な動きを追求したスタッフは素晴らしい。エンディング作画は、先頃亡くなった「耳をすませば」の近藤喜文監督によるもの。
主に映像面に絞ってガンバの素晴らしさを語ってみたが、脚本や音楽も一級品である。こんな素晴らしい作品を子供の頃に見れた幸せに、感謝を感じずにはいられない。
作り手の大人たちが、本気で子供たちに向き合っているからこそ、日本のアニメは素晴らしいのである。
3
ガンバは面白いが、、、 2006/3/20
・・
TV版「ガンバの冒険」は斎藤惇夫氏の・冒険者 ガンバと15匹の仲間・を出崎統監督によってアニメ化されたものだ。TV版は原作よりもより低年齢向けに簡略化されストーリーは底が浅く物足りない感があるが、何よりもアニメ版の優れている点は美術と音楽にあると思う。どの場面を切り抜いても絵本になるような美しい絵は観ているだけで楽しい。また出崎氏の力ある演出は小さなネズミたちに人間以上のパワーを感じさせてくれる。元気が出る作品だ。評価が星3つなのは今回のDVDBOXの構成のつまらなさにある。以前発売した時は値段さえ高かったもののオリジナルの大判の豪華ブックレットがついてきた。今回は劇場版2本とのカップリングである。残念なことに劇場版はとてもつまらない。TVのガンバファンにはあまり欲しくないディスクではないだろうか?劇場版を外してもっと安くするか、もっとユーザーが喜ぶ特典(例えばデジタルリマスターするとか、復刻セル画をつけるとか、サウンドトラックCDをつけるとか)をつけて欲しいものだ。単純な商品化ではなく購買意欲をそそられるようなメーカーの工夫が望まれる。
4
未購入者の方、今すぐ買いましょう。 2006/5/10
アニメ史上に輝く大傑作。
内容については他の方のレビューをご覧頂くとして・・・
このBOXセットについて。
セット内容は、通常のトールケースサイズ×6、薄いブックレット、ガンバ達7匹+ノロイにチーズにサイコロ×2のキーホルダーチャーム、描き下ろしBOX。
それと購入者応募特典で3000円分の小為替でガンバ達7匹+ノロイのフィギュアが手に入るそうです。
確か7月31日までのはず。→〆切、延期されたそうです。詳しくはメーカーのサイトでご確認下さい。
まず、購入者応募特典について。
詳細はBOX表面のシールだけで、中の応募用紙も白黒。
ノロイは30cm近く、ソフビ製でガンバ達も付属するらしい。
これぐらいしか分からない。
なによりそれまで告知されていたボードゲームからフィギュアに変わったのは何故か。その説明が一切ない。
唯一の映像特典のCMにも購入者応募特典としてボードゲームの存在が謳われているのに。
→申し訳ない。外国向けの売り込み用映像?も付いてました。本編を編集した数分のやつですけど。
→いつの間にかメーカーサイトに写真出てました。出来はかなり良さそうでした。
トールケースジャケットは旧版の2巻がザクリとガンバ達のイラストに変わっている。
ブックレットは登場人物・本編の簡単な紹介と内海さんのインタビューくらい。付かないよりはましという程度の代物。
旧BOXに附属していたというメイキング本に比べるととても物足りない。
旧BOXをお持ちの方は勿論、単品版しか持ってない方も買い換える必要はないと思う。
再販は素直に嬉しいし、一年間期間限定生産の旧BOXを購入された方を気遣ってのことなのだろうが、もう少し考えて欲しかった。
価格も安いので商品としてのこのDVD-BOXの評価は辛うじて星一個減。
「ガンバの冒険」自体は星いくつ付けてもおっつかないほどの名作なのに。
5
見応えありすぎ 2007/1/24
いかにも子ども向けの絵。
しかし、そのストーリーは、大人でなければ全てを理解できないであろう深さ。
ノロイとの戦いもすごいですが、
ザクリとの戦いもすごいです。
そして、弱気者の、あまりにも絶望的な戦いが、
エンディングテーマに象徴されています。
明るく見えて、実は重いテーマ。
その重さをかき消すガンバ達の明るさ。
ともかくお勧めです。
6
買いましょう、財布の中をカラッポにしてでもです 2006/6/23
・ガンバの冒険・、いやぁ懐かしい―――。当時私は・ドリモグだぁ!・・モンタナ・ジョーンズ・・名探偵ホームズ・等のアニメにどっぷり腰まで嵌まり込んでおりまして、その中でも特に印象に残ったのがこの・ガンバの冒険・でした。この中では当時にしては珍しく、自然破壊・環境保護と言った事柄を、動物の視点から本来は子供向けであるアニメーションの持つ利点をフルに使っています。冒頭で、ボーボとガンバが川下りするシーンがあるんですけど、ナンと水色じゃなく白いんですよね、川が。これは当時工業排水を無制限にドバドバ流していた事をリアルに表現しています。そして悪役に狐やら白イタチやら野良犬やらが出て来て、ガンバ達の道筋を阻むんですが、彼等の描き方が凄い荒々しく真に迫った描き方をされていたので、子供ながらに怖かったのを覚えています。既に、私は全巻揃え終わっているので、敢えて買う必要は無いんですけど、今回発売された事を聞き登校させて貰いました。まだの人は是非、買ってください。さあ尻尾を立てろ!でっかい冒険が待っている!ナンチャッテ。
7
ネズミ版「七人の侍」 2006/3/8
すでに見ている人は、その内容のすばらしさに震える、未見の人は、これから見る楽しみが待っている。
これは、そんな掛け値なしの傑作です。
原作に登場する16匹のネズミたちを、「七人の侍」にちなんで七匹にまとめ、それぞれの個性を余すところなく活写するストーリー。
頭からラストまで、とにかくシビれます。
特に
●ガンバが初めて海を目にするところ。
●第15話「鷹にさらわれたガンバ」における、孤独な山小屋の青年と、仲間からはぐれたガンバとの、束の間のふれあい。
●旅の過程で関わってきた仲間が駆けつけてくる、ノロイとの最終決戦。
●シジンの詩が感動的なクロージングを果たすラストシーン。
これはホンの一例です。
とにかく見ましょう。見てない人は、人生確実にソンしてます。
8
テーマは平和、そして勇気、友情と実に満載です。 2006/7/2
・・
生と死がこれ程にリアルな壮絶な子供向けアニメも珍しい、激画調な迫力あるアニメ絵にも時代を感じます、勇敢なネズミ達の愛と正義、常に死と隣り合わせな危険な日常を生きる彼らはとても魅力的です、毎回、涙なくしては観賞できない、小さなネズミ達とはとても思えない大冒険活劇です、白イタチのノロイが死ぬ程に怖いです。
音楽も聞いていて実に元気を与えてくれる、今でも伝説となっている名作アニメです、非力でぬけたネズミも元気一杯な勇敢ネズミも力自慢のボス気質ネズミも皆が助け合って生きている、仲間って素晴らしいですね。
9
尻尾が疼きやがるんだよ 2006/11/29
何故ノロイ島にいくかと問うイカサマに、ガンバはこう答える。
「そんなこと俺にもわからねえよ。ただ海に出ろ、ノロイに行けと、尻尾がうずきやがるんだよー」
はっきり言ってシビレます。
岸壁でハンカチを振るメスネズミ達の姿に、もだえます。
「義をみてせざるは勇なきなり」「人生意気に感ず」これらをシンプルに描いた、間違いなく隠れた名作です。
これを少年時代にリアルで観る事ができた私は幸運だったと思います。
10
悪役の中の悪役ノロイは大人になっても怖かった 2008/2/9
僕はガンバの冒険が子供の頃大好きで、DVDBOXを買って改めて観たけど名作です。5歳くらいから20数年全く観てなかったのに、ずっと僕の心にあったあの白いバケモノ、白イタチのノロイの迫力は圧巻で、友達に「ガンバの冒険のDVDBOX買ったんだ」というと皆口をそろえて「あの白いイタチが怖かった」というくらいの名悪役なのです。そのバケモノに勇敢に立ち向かう7匹のネズミ達。大人になった僕らが昔憧れていたモノで、結局手に入れられなかったモノがそこにはあります。でもガンバ達を見ているとまだ間に合うかもって思うんですね。だからもう一度しっぽを立ててみようと思いました。ありがとうガンバと仲間たち。