リリー・フランキー原作の同名ベストセラーを映画化した本作は、ドラマ版とは違って、映画ならではの細部へのこだわりや、絶妙なキャスティングによって、原作の持ち味を存分に活かすことになった。原作者自身がモデルである主人公の「ボク」が、炭鉱町・筑豊での少年時代を経て、東京でイラストレーター兼コラムニストそして成功。ガンに冒された「オカン」を東京に呼び寄せるという物語は、ほぼ原作どおり。映画だからといって、妙に本筋を外れなかったことに好感が持てる。
長髪で無精ヒゲを生やしたオダギリ ジョーは、思いのほかリリー・フランキー本人に近いイメージ。さらに樹木希林のオカンの若き日を実娘の内田也哉子が演じることで、時の流れが見事に表現されている。そのほかキャストでは、原作にも出てくる松田美由紀の使われ方や、一瞬だけ登場する豪華ゲストも見どころ。炭鉱町のセットを始め、その後の80~90年代のカルチャーも丁寧に映像化された。原作ファンが気になるのはクライマックスだが、オカンがガンに苦しむ姿を壮絶に描く反面、その後は過剰な演出を避けたたことで、原作よりも、じっくり感動する人が多いかもしれない。映画として、どこにインパクトを与えるべきなのかを、監督の松岡錠司は知っているのだろう。(斉藤博昭)
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより) リリー・フランキーの同名小説を、オダギリジョー、樹木希林主演で映画化した、母子の絆を描いた感動作。昭和の筑豊の炭鉱町で育った主人公・ボクが、平成の東京タワーの下で母・オカンを看取るまでを描く。脚本は、『恋の門』の松尾スズキ。
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大ベストセラーの映画化は家族愛に満ちている。 2007/9/7
母親という存在がとてつもなく大きく感じられる
映画です。日本の一般的な家庭の何気ない生活でも
ライフスタイルは多様化する時代でありながら、
この映画からはどんな方(むしろ男性)でも共感
できる親子関係がまるで自分のことのような気持ち
にさせ、何故か涙が自然と流れ落ちてくる。
オダギリジョ、樹木希林、内田也哉子ら3人の
名演が光る。特に、2人が演じるオカンが過去と
現在を行き来し、自然に年を重ねた姿があって、
見事なバトンリレーであった。
人生を見つめ直し、たったひとりの母親への感謝を
気づかせてくれる映画です。
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映画としての面白さ 2007/9/3
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多くの人が言うように、話自体は、どこにもある母と子の話なんだけど、そこはかとなく日常が積み重ねられ、貧しくも活力に満ちた時代や自分自身の体験や記憶とつながり、思いが増幅します。
泣かせは当然あるのですが、号泣を周到に避け、淡々と進んでゆきます。でも、見せるべき場面は長回しやスローモーションで直視させ、絶妙な間合いでふっとフェードアウトさせる。上京する主人公を駅まで送る母の姿。そして、電話で上京を促された母が、故郷を捨てる寂寥感と再び息子と暮らす高揚感を抑えつつ東京駅へ向かうシーンに、息子の呟くような炭坑節が被さる場面は本当に素晴らしい!!
また、時々、笑いをとるシーンが入るんですが、その間も絶妙のタイミングで、よく計算されています。
実際のリリー・フランキーには、大泉洋が一番近そうだよね。ただ、想像通り、オダギリジョーが醸すマザコン息子像はひと味違ったし、だらしない田舎者がだんだんと洗練されていく過程をキッチリと見せるあたり、ふと見せる何気ない表情も良い。
オカン役は、現在が樹木希林で過去が内田也哉子。いやー、内田也哉子が良いです。母親にもちろんそっくりだし、微妙にブサイクというのがいいし、演技自体も悪くなかった。絶妙のキャスティングですよ。
樹木希林の演技には文句のつけどころがありませんが、抗ガン剤で苦しむ姿が、これまた鬼気迫る演技だったし、最後の場面も素晴らしかった。父親役は一貫して小林薫で名演技ですし、メイクアップもさることながら年代別に違う味を出していたのもよかった。主人公の恋人役の松たか子は、可もなく不可もなしかな。
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身につまされる思いになる 2007/10/1
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大ベストセラー小説を映画化した話題作だけあり、出演陣が豪華です。約2時間半と長めではありますが全く飽きることはありませんでした。
物語と比べると、オトンが出演する頻度が高いという特長はありますが、ほぼ忠実に描かれていた。若き日のオカンを内田也哉子が、年をとってからは也哉子の実母である樹木希林が演じており、リアルさを増している。
見どころは、個人的には主人公がオカンの癌を知り、更正をした後です。借金地獄を抜けオカンを東京に呼ぶ。そして死までの期間、大変な孝行をする。ふと、自分のことを振り返り身につまされる思いになる。
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親孝行、したいときには親は無し、と言われますが…この映画は感動致しました! 2007/10/27
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タイトルでも書き込みましたが、良く「親孝行、したいときには親は無し。」と言われて久しい時節が過ぎました。
僕は、逆に大企業の超スーパー・ビジネスマンとして鍛えられてきた20代や30代が正にその時代でしたが、有り難い事に自分自身が大企業を辞めて新たな事柄を始めても親は…勿論それぞれ病は持っておりますけれども、健在であります。
この映画でオダギリジョーさんが演じる息子は15才、高校から大学、そして自分自身の生計が立つまで「オカン」と疎遠であった事、これは確かであります。勿論、途中で「オカン」が甲状腺ガンになった事でびびっておりますが…でも生きる「オカン」を考えていた、思っていた…そういう節が所々に見て取れます。
ところがその「オカン」が進行性のガンを患っている、その時から主人公の態度が大きく変わります。「自分を育ててくれたオカンのために、絶対最期まで看取る、頑張らせる」…そういう態度に変わっていきます。
オカンの立場からすると、一体どうだったのでしょうか…? オカンは、息子のそばで死んでいく、そのことだけを考えていたのではないのかなあ…そう映画からは読み取れます。最期は息子と一緒に過ごして、そしてあの世へ行く…それだけをオカンは考えていたのではないでしょうか…?
観ていて、自分の家族にダブる事柄がいくつもありました。仕方ないですね。自分が年取れば、当然父母も年取っていく訳ですから…。
でも、この映画から学んだのは「死」ではなく「それまでの生き方」、そして引き際。
これに僕は感動しました。非常に素晴らしい映画です。これは日本では超一流の映画として残ってもらいたい映画です。
是非、皆さん、ご覧ください!
損はないです。あるのは「得るものだけ」ですね。日本映画の一つの金字塔と思います。
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もう食傷気味だと思っていたが、映画的な見事な傑作! 2007/10/28
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昨年原作が大ベストセラーになり、社会的ブームを巻き起こしたリリー・フランキーの「東京タワー」。2時間スペシャルドラマ、舞台、遂には月9で連続ドラマと様々な媒体で既に取上げられ、さぞ映画化するにあたってのアプローチは難しかったと思う。1年以上も前に原作を読んだ者にとっても正直食傷気味な感があったのだが、松尾ススギが脚本を書き、松岡錠司が監督、オダギリジョーに松たかこ、そして何よりオカンを樹木希林が演じるとあれば、やはり期待をもって観てみたのだが、これが凄く良い出来ばえなのだ。まずは、主人公の幼少期である筑豊時代が丹念に描かれ、樹木の実娘である内田也哉子の親譲りの独特のほんわかしたムードと共に慎ましくユーモラスに語られているのに好感が持てる。好意を持たれた男とデートする母についていく子供ながらの心情の推移は同世代で一人っ子だった者には痛いほどよく分かるし、ラブホテルのオッパイぽろりは可笑しい。オカンが東京に出てきてからの物語が佳境になっていく後半部は、樹木の名演でその一挙手一行動に胸が衝かれるが、殆どの者が周知である悲しい結末部は、極めて激情的な原作世界から適度に抑制させ粛然と描く事で、反って情感深くいつまでも余韻を残す。主要撮影シーンにスタッフ、キャストの詳細なロングインタビューがインサートされるメイキングは独立したドキュメンタリーとしても見応え十分、携わっている人たちがそれぞれのコンセプトやプランを語りあい、時に意見の相違から皆で議論しあって作品を作り上げていく過程が垣間見えて感動的だ。積極的に役柄に踏み込む樹木と抑えたオダギリの受け身の演技も見ものだ。
6
オダギリからもらい泣き 2007/10/30
若いかりし頃のオカン役、内田也弥子が「誰にでもある、普遍的な話」とこの映画のプロローグDVDで言っていたが、正にその通りで、ストーリー自体には特に驚かされる事も無く、淡々と流れて行く。
けど、原作がベストセラーになったのは、誰もが「自分もこんな事、やってきたよな~」と言う共感と、決して避ける事が出来ない現実に向き合わなくてはならない事に、感動、感銘を受けたからだろう。
親が子供に注ぐ愛情は、子供はどんなに親孝行しても返せないと思うし、どんな事をしても、親が亡くなった時には「もっと、親孝行すれば良かった…」と言う思いは、残ると思う。
この映画の中で、主人公雅也から見た親孝行は、一緒に東京で暮らした思い出と、オカンが亡くなった後に雅也が言った「今も、親子だから…」と言う思いだが、
オカンにとっては、自分の貯金を全て叩いて、雅也を大学卒業させた事が、親として1番嬉しかった事かもしれない。
それにしても、癌の末期は壮絶である。
側に居ても何も出来ず戸惑い、時に鳴咽を漏らしながら泣き、時に静かに大粒の涙を流すオダギリジョーには、もらい泣きした。
だるそうに、ゆるく唄う「炭鉱節」が「オダギリ節」になってて、これまた泣けた。
母親と息子には、父親と娘とはまた違った感情があるのだろうが、残念だけど「娘」にはよく解らない。
7
ボクとオカンの絆 2007/11/8
かなりヤバかった映画ですね。3年前に母を亡くしてる自分にとって主人公のボクにはかなり共感できました。
オカン役の樹木希林とオトン役の小林薫は言うこともなく完璧だったし、ボク役のオダギリ・ジョーは原作者リリー・フランキーと雰囲気が似ているし、オカンとのふれあいもナチュラルでうまかったです。ハマリ役ですね。
途中何度も涙腺が緩みましたが、ボクがオカンに最後にかける言葉や、ラストのセリフはひたすら優しくて、朗らかで感動が高まりました。
実際に母親を亡くしてる人には・・一人で鑑賞することをお勧めします。
8
原作を映画化することの難しさ 2008/1/6
皆さん絶賛されている中で、正直そこまでは来ませんでした。原作を読んでなければもっと入り込めたのかな、とも思ったんですが。
長編小説を2時間強の映画にする訳ですから、原作どおりには行かないと思います。でも、おかんが何故、東京へ来なくてはならなかったのか、僕は何故おかんに「東京へ来ないか」と言わなければいけなかったのか。原作では伝わってくるニュアンスが映画では「?」です。出演者の演技等は素晴らしいですが、この一点だけ気になり、最後まで感情移入できませんでした。
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親が子に、子が親に☆ 2007/10/25
親が子に向ける愛情や期待や思いやりは、
他の何にも変えられない、かけがいのないものです。そこには絶対があり、安心があります。
日常においては、なかなか気にこそしませんが、いつもいつまでもどこか支えとなってくれる柱のようなものではないでしょうか。
特にこの東京におけるオカンとボクは、
オトンが家を出ていることや一人息子であることで、ある面では特殊とも言える濃さがあります。
そして、その切っても切れない繋がりは、時に、どうしようもない疎ましさ、面倒臭さにもなります。
(ある年ごろ、あるいは特に男にとっては)むしろ、そんな時のほうが多いのが自然なものではないしょうか。
たとえそうではなくても、いつも大袈裟に確認し合うなんて変なものです。
そういういくつかのシーンが面白いです。
また、とても母親らしい想いの深さのある演出も多くに感じられました。
映画自体の出来はと言えば、
(たぶん小説やドラマ群と同様、)
だいたい東京タワーのブームから想像するものと大差のないものでした。
よくある親子ドラマであり、‘普通’の域を出たものではありません。
それでも、
全体的にはあまり感動を煽らないようにしてると感じられて好感が持てましたし、
こんな‘オカン’の姿を見せられたら、
こんな親孝行を見せられたら、
誰だって自分の中に感じるところがないわけはないんです。
そんな映画だと思います。
10
ボクのおかん 2007/10/28
みんなが自分の母親に感じていること。
本当にどこにでもいる普通のおかん。
でも、ボクだけのおかん。
どんなときも・・・
自分に人生の岐路に立ったときも・・・
だまって見送ってくれる。
自分が人生の迷い道をたどっているときも・・・
だまって助けてくれている。
そして、花が咲き始めたとき・・・
一緒になによりも喜んでくれる。
そんな母親像を描いたお話です。
樹木希林のオカン すごくよかった ^^
実娘の内田也哉子のおかんの若き姿 すごくよかった
^^
筑豊の炭鉱町の雰囲気は、わたしの田舎(東北)での
ロケと聞いた。
また、偶然、わたしの息子も M美に通っていて、
今日、M美の文化祭に行ってきて 帰ってこの映画を見た。
”ボク”のような学生がたくさんいたことを、今、思い出している。