昭和33年。東京の下町の自動車修理工場に、集団就職で青森からひとりの少女が就職してきた。六子は大きな会社を期待していたが、小さな工場でガッカリ。それに怒った社長の則文だが、やがて六子は則文の妻トモエや息子の一平らと仲良くなり、一家になじんでいく。一方、売れない作家の茶川は、飲み屋のおかみのヒロミから、親に捨てられた少年・淳之介を押しつけられ、一緒に生活することに。最初はけむたがっていたが、淳之介が自分が原作を書いている漫画のファンだと知り、次第に距離が縮まっていく。そんなとき、淳之介の本当の父親が現れ…。
東京タワーが完成し、白黒テレビが出始めた昭和30年代を舞台に、人情味溢れる下町の人々の心温まるエピソード満載の感動作。堤真一(工場の社長)薬師丸ひろ子(社長の妻)吉岡秀隆(作家)小雪(飲み屋のおかみ)など人気と実力を兼ね備えた役者陣も好演だが、一平演じる小清水一輝のヤンチャさ、淳之介演じる須賀健太のけなげさが、この映画のチャームポイント。また下町の人情がホノボノと胸を打つゆえに、後半のさまざまな別れには泣かされっぱなしだ。昭和の景色を再現したCGも見事だが、やはり映画は映像だけでは語れない。人々のやさしさに、心の清らかさに触れることのできる原作(西岸良平の同名漫画)のハートを山崎貴監督がきちんと映し出したからこそ、感動できる映画に仕上がったといっても過言ではないだろう。(斎藤 香)
西岸良平によるロングセラーコミックを、『リターナー』の山崎貴監督が映画化した感動作。東京タワー完成間近の昭和33年。人情味溢れる東京都下の下町・夕日町三丁目にある自動車修理工場・鈴木オートに、集団就職で上京した六子がやってくる。
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驚きです。こんな世界があるなんて 2006/6/13
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パリの心象風景を鮮烈にVFXを駆使してビジュアル化して、
フランス人観客の共感を得た「アメリ」。
この映画を観て、アメリと共通するものを感じていました。
でも、本当は、もっと日本人として感動に泣いていました。
小津安二郎をはじめ、もし日本映画の巨匠が今でも生きていたら、
きっとカラーで、こんな人情味たっぷりな名作を撮っていたに
違いない。カラーではありますが、そんな既視感とともに、
眼前に繰り広げられる、あまりにビビッドな、昭和という時代の
庶民と心情風景に圧倒されます。
観客動員を得て、賞を総ナメにしたのも、十分にうなづけます。
特に、脚本がすばらしいです。二人の少年の友情と、二人の
対照的なオトナの男の友情という、二つの交流を軸に、観客が既に
知っている、その後の突入していく、高度経済成長と、失われていく
何か大事なものが、まだ失われていない、その象徴としての、
東京タワーと夕日の組み合わせ。
鮮烈過ぎる、鮮やかな見事な心象風景に、心の子宮回帰を思い起こさせ
観客のなつかしさに沈殿する、思ってもみなかった秀作です。
2
細かいことは抜きにして 2006/4/2
好きです、この映画。
「実際の昭和30年代と違う、無理やりな感動話。」
なんて話もちらほら聞きますが、別に良いじゃないですか。
肩に力を入れず、リラックスして見て下さい。
見終わった後、とっても清々しくなりました。
映画ってそういう物だと思います。
「優しくなれる映画」、素敵ですよね。
3
映画なんだから 2006/5/18
幻想、憧れとか書いてあるが・・。
映画くらい気持ちよく観たいと思いませんか?
個人的には、「殺伐とした現代」に現れた「古きよき時代」を巧く表現した名作だと思い、一人で見た後、両親と連れ立って映画館に行きました。観終わった後、自然発生的に拍手が出た会場内・・。今でもよく覚えています。
吉岡くんが少しわざとらしいようなところも、なくはなかったですが、それも面白かったけど。
「昭和30年のいいとこどりな」映画と思って楽しんで欲しいです。
4
古き良き日本の「幻想」 2006/3/12
付き合いで見た映画だが、久々に感動した。
この映画は久々に私をノスタルジーの世界へ連れて行ってくれた。あのころ、下町の商店街で育った私の古き良き楽しい思い出が頭によみがえって来る様だった。見終わったあとも自分の心は30年代の中にいた。
そして現実に戻った後、私は冷静に「古き良き日本」を回想していた。ちょっと待てよ?
私は昭和25年生まれの55歳だが、確かに今と比べて暖かいご近所、暖かい地域社会があった。だが、ここに描かれているような「いい人たち」ばかりではなかった。
おそらくこの監督も、これを見て「これが昭和30年代の日本だ!」と思っている人達も、そのほとんどが本当の「昭和30年代」を経験したことの無い人達だろう。
確かに私も子供の頃、親だけでなく、「地元」に育てられたし、あの頃の大人たちは他人の子供でも平気で叱った。私もよく近所の「おいちゃんやおばちゃん」たちに叱られたものだ。
そういったこの映画にあるような「古き良き日本」があったのは確かだったが、しかし今と比べて遥かに「人間関係のしがらみ」が強かったのも確かだ。
もしかすると、あの頃のようにご近所に何かあっただけですぐに噂が広まるような時代よりも、今のように他人に無関心で、ご近所や他人のことをとやかく言わない「いま」の時代の方が、「よけいな人間関係のシガラミ」がないぶん「生きやすい」と感じる人も多いのではないか。
たぶんこの映画は、「古き良き日本」の最良の部分だけを詰め込んだ映画だ。それを見てこれが「かつての日本」だと信じ込むのは大きな誤解だと思う。
今思い出せばあの頃だって、嫌なやつや意地悪なご近所だって結構いた。君たちが思っているほど「昭和30年代」はバラ色じゃないよ。
映画としては素晴らしいが、これは「古き良き日本の幻想」である。
5
原作に忠実ながら縛られていない。 2006/6/13
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もう30年以上の連載になる西岸良平氏の「三丁目の夕日」の単行本は、我家では親子二代の愛読書です。
さて、1954年生まれの小生にとっては、昭和33年は、まだ4歳で正確な記憶もない。東京タワーの立ち上がっていくという「時の流れ」もはっきりとした記憶には残っていない。しかし、少なくとも昭和30年代の「時代の雰囲気」を記憶にあるし、だからこそ「三丁目の夕日」が親近感を持ってとらえられる。
この作品は、「三丁目の夕日」を、というか、そこに描かれている昭和30年代の人々の心情を忠実に再現しながら、完全に縛られずに、独自の視点での表現もされていて、実にすばらしい出来だと思う。
こうした作品は、できれば、第二作、第三作も作ってほしいが、「東京タワー」を使ったことで、自ら連作の進路を断ったのかもしれない。それだけ渾身の一作ともいえる。
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批判の皆さん 2006/4/29
幻想とか無理やりなど、色々な感想がありますが、これは映画ですよ?ドキュメントではないのです。
SFをみて「そんなのありっこない!」といっているようなものでは?
近所のしがらみがあった時代、それが故、住みにくいが住みやすい
近所の目が、世間体があったからこそ常識も育つものですよね。
いい時代だったのですね
素直に楽しめた映画です。お奨めです。
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永久保存版!! 続編が楽しみ。 2006/5/29
何故この映画を批判する人たちがいるのか、全く理解不能です。“こんな明るい時代だったのか”“お涙頂戴映画”“共感できなかった”など。しかしそんな人たちは本当に映画全編の風景・物・人情・音楽などに対して少しでも心にジーンとこなかったのか。まあその時代を生きてないからいろいろな批判が言えるんでしょうけど。現に私の祖母も、夢と希望が溢れていて周りのみんなも明るかったと証言しています。そもそも前提に言っておきますが、これは映画。お芝居、作り物です。過去の時代を完璧に再現できるわけないでしょう。そんな意味でもこの映画を誉めたいです。映画という形で昭和という時代を疑似体験させてもらえたので私にとっては100点満点です。いろんな批判を言わずに軽くお芝居を見るくらいの気持ちで見てほしいです。きっと心に残る部分もあるはずです。
8
マーケティング通りに作った映画もどき。 2006/10/30
もともと日本のアカデミー賞になんの意味も意義も見出せないので
この映画が各賞を総なめした事はどうでもいいです。
では単純に見た者の感想としてどうだったか?・・・
非常につまらない。
何故か?
味も素っ気も無いからです。
平成の現在、格差社会に疲れてる現代人ならきっとこう作れば受けるだろう!!
ノスタルジックな雰囲気で人情味をこれでもか!と入れればきっと受けるだろう!!
全てがこの調子でマーケティング通りに作ってしまった映画です。
狙いすぎであり、媚すぎている。
昭和30年代は決して素晴らしいだけの時代ではなかった。
光化学スモッグや様々な公害病が最も取り上げられた時代であり、河川はヘドロで
悪臭を放っていた。
東京の下町ではいたるところに乞食や物乞いがいたし、金の卵として集団就職してきた
15歳~18歳の少年少女達は休む暇も無く働かされていた。
暴力団の抗争事件や凶悪犯罪が最も多かった時代でもある。
薄っぺらい演出に人情を絡めてパラレルワールドの昭和30年代を描いたところで
何も共感する事はないし、映画に出てくる全ての人物、モノが作り物にしか見えない。
疲れた現代人へバーチャルな昭和を見せる事で、「昔は良かった・」などとのたまう
懐古主義的な人には受けるのだろう。
この映画にはちびまる子ちゃんやクレヨンしんちゃん程のユーモアもテーマも無い。
安っぽい演劇である。
寅さんシリーズには遠く及ばない・・・。
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幸せとは何かを考えさせる良作 2006/6/11
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昭和・・・決して豊かではない、便利でもない時代だが、そこに登場する人々は互いの心を通わせ、温めあって人と人の絆を結んでいく。
演技陣も素晴らしく、観ていて何箇所か私は泣かせてもらった。
特に修理工場の夫婦を演じる堤真一と薬師丸ひろ子の演技は自然でわざとらしさがなく、好感が持てた。情けない売れない作家役の吉岡秀隆も素晴らしい。
特撮も実に昭和の時代を巧みに再現していると思う。
その技術を見せ付けられる一方で、あの時代も特撮でないと再現できない時代になったんだなあと思ったりした。
昭和も人の心は豊かだった・・・とは言い切れない。いつの世も貧富があり、心は荒みがちだ。この映画も実は、それをきっちりと描いている。だから、その中で精一杯生きようとする人々を描いている姿が印象的に心に残る。
人間の幸せとはなんだろう。観た後にしばし思いを馳せた。
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続編の制作が決まりましたね 2006/3/23
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本作は映画でなはく、テレビドラマなので
二番を煎じる欲が出て当然なのです。
映画館に、年2,3度しか足を運ばない人は本作で満足できるのでしょう。