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クライマーズ・ハイのレビュー

脂の乗り切った佐藤浩一、重厚なテーマ。  2006/5/15

原作、俳優がいい。 今の佐藤浩一が苦悶するサラリーマンを演じる。 内容もしっかり作り込んである。 まさしく入魂のドラマ。 間違いなく買っていい1枚だと思います。 新聞で読んだのですが、原作の映像化権を数社で争っていた際、 NHK側の「日航を実名で出す」という一言で、横山氏はNHKでの 映像化を決めたそうです。 元記者の横山氏の期待に応えられるのは、NHKだけだったのでしょう。 この重厚なテーマが民放制作だったらどうなっていたか… 東日本航空とか、東京航空とか、会社名が仮名になっていたらと思うと 原作が気の毒でなりません。 これを伝えたい!という作り手の根性を、久々に感じた力作、です。



きれい事では済まない報道というありかた。  2006/5/2

昨今、劇画を原作とした、実に安易で軽薄なドラマがその食いつきの良さで高視聴率をとっているわけですが、このドラマは誠に重たいくらい、視る者におもねることはしていません。 さすがは新聞記者出身の横山秀夫原作。 そして、凄い出演陣。佐藤浩市、大森南朋、岸部一徳、松重豊、大和田伸也、塩見三省、光石研、杉浦直樹…。 もう一目見ただけで、これはTVドラマじゃない、映画だと唸ってしまうような演技派の人々が出て重厚感を醸し出しています。 舞台は新聞社。主人公は遊軍記者の悠木和雄(佐藤浩市)。彼の視点で新聞社の内情が語られる。 日航機が墜落との一報を耳にし、社内はすわ大事故勃発と沸き立つ。現地に飛び、他社とのスクープ合戦の中で、墜落の一報を入れる記者(大森南朋)だが、その頃現場は群馬か長野かで、社内は大揉めに揉めていた。 そこにはきれい事は描かれない。大丈夫か、こんな事まで流しちゃって。こういう時はやはりNHKだ。他局の新聞社系TVじゃ絶対に流せなかっただろうなぁ。新聞を売るために、大惨事を横目に対立する編集局と販売局、そして社主。生々しいやり取りがリアルに、実に人間くさく描かれています。 大人のドラマを待っていた人には、納得の一枚だと思います。



おまえとアンザイレンだ!  2006/5/15

 85年に御巣鷹山に墜落した日航機事故を追った地方新聞社の熱い男たちのドラマです。    面白い。そして熱い。  NHKで放送された時にその緊張感に釘付けになりました。味のある出演者たちの火花を散らす演技合戦は見ものです。  特に主人公を演じた佐藤浩市、渋すぎます。同年代の男として職場で上と下の板ばさみになる苦悩や、家族との葛藤は共感させられます。  音楽や映像もかなりがんばっていて最後まであきさせない作品です。日航機事故を扱った重い雰囲気の漂う話ですが、エンターテイメントととしてよくできた作品なので是非多くの人に観てもらいたいと思います。  



久しぶりにドラマの良作を観た。  2006/10/8

原作を読んだ人も、けっしてガッカリしない出来栄えだと思う。 原作の登場人物に負けないくらい個性的で濃い役者たち ストーリーも少し変更を加えただけで忠実なつくりになっているし 原作に忠実すぎて細かく説明臭くならないように程よく折り合いがついている。 組織の中で生きること、ジャーナリストとしての誇り、家庭の父親であること それらのことに迷い苦しみながらも必死に立ち向かおうとする男たちを 役者たちが良く演じている。 これは、NHKにしか作れないドラマだと思うし 同著者の“顔 FACE”のことを考えると他局じゃなくてよかったと思う。 そう思える骨太の良作だった。是非オススメしたい。 個人的には杉浦直樹の迫力にベテラン俳優の底力をみて唸らされました。



よくぞやってくれましたNHK  2007/2/6

原作は読んだのですが、NHKで放送されたのは知らずに、たまたまDVDを見つけたので購入しました。素晴らしいです。見ごたえがあります。原作同様感動します。原作を読んで感ずる所のあった方、是非見てください。大きい命と小さい命のエピソードで機内での走り書きの遺書が出てきますが、実際にこの便に乗っていた方達の恐怖と無念の気持ちは、計り知れないものがあります。あらためてご冥福をお祈り致します。



原作の迫力には及びません  2006/7/16

原作を読んでDVDを見ました。主人公の佐藤浩市を始め、個性的な役者をそろえ、配役は適役の気がします。日航機墜落は、当時のニュース映像も交え、なかなかの迫力です。また、共同通信のニュース速報の音まで忠実に再現した新聞社内の様子は、臨場感にあふれています。ただ、全体に原作に忠実な作りにはなっていると思いますが、人物の心理描写が弱い気がしました。映像の限界なのかもしれません。活字で読んだ時ほどのどきどき感はありませんでした。



一見の価値ありです  2007/3/28

原作を読まず、前編をまず見ました。佐藤浩市さんの円熟味あふれる演技に、思わず引き込まれました。日航機事故という現実の事件を題材に、新聞記者の葛藤や興奮、仕事とは、自分の果たすべき使命とは、親子の絆とは、いろいろなことが、熱く、そしてテンポよく刻まれていて、とても面白かったです。前編を見て、すぐに後編を見たいといてもたってもいられなくなりました。主役である悠木の心情だけでなく、周りの人間の描写も素晴らしいと思いました。原作を読んでいれば、映像化に際しいろいろコメントもあるのかもしれませんが、先入観なしで見て、ストレートに面白いと思いました。 このくらいの面白さを持っていれば、ドラマとしての完成度はかなり高いと言って良いのではないでしょうか。一見の価値ありです。



惜しい間違い  2007/8/20

私は新聞記者です。テレビ放映翌日の記者クラブで話題になるほどリアリティーがありました。ネタ取りや特ダネを打つときの一瞬の躊躇など、記者にしか分からない心理をこれほどまで詳細に描いたドラマは初めて。ただ、予想墜落場所の見出しを決める際に、群馬を先にするか長野にするかで悩む場面はおかしい。地元紙なら群馬を先にするのが常識だろう、と私を含め記者仲間の一致した意見。ここだけが惜しい。



リアルでテーマが深い  2007/9/5

「日航機墜落事故」関連の数多いドラマの中で、最もリアルでテーマが深いと思う。 しかし、センセーショナルではありません。主人公がかっこいいわけでもありません。 告発ドラマでもありません。お涙ちょうだいでもありません。 もちろん、第一級のエンターテインメントして堪能できますが、テーマはその奥にある。 大事故をショーとして見てしまう下衆な好奇心はマスコミだけでなく誰にでもあります。 もちろん自分もその一人だからこそ、このDVDを買ったわけですが、痛烈に批判されました。 事故当時を知る者にとって、時代設定や舞台設定がきわめてリアルで、どっぷりと ドラマの世界に引き込まれ、最後に深く考えさせられる稀有な作品です。



もうひと越え欲しかった  2007/2/19

山好きだからなんとなく観てみた。 まだ前編のみしか見ていない。結末がどうなるか全然知らないので後編が非常に楽しみ。前編を見ただけではまだ全然わからない。 後編を見た。 事故原因の下りは、なかなかの盛り上がりで楽しめた。読者投稿欄の話が、ようやく長い前振りからつながったのだけれど、物語のクライマックスに向けて唐突な感が否めない。 新聞と登山。 20年間と今日。 2つの世界と2つの時間。 プロットは面白く、日航機事故というテーマ性も悪くない。山登りが好きであるという個人的な嗜好にもマッチしている。 それでも、いやそれが故に?こなれ切れていない印象が残った。俳優陣が熱演しているだけに、ラストの印象が・・・。これぞまさにクライマーズ・ハイが解けたということか。



迫力  2007/11/10

迫力あるストーリーもさることながら、石原さとみの美しさはもっと見応えありました。



佐藤vs岸部一徳の演技バトル  2008/1/13

岸部一徳と佐藤浩市とのバトルが素晴らしい。若手記者が必死に書いた記事が隅に追いやられたときのバトル、そして、その後の焼肉屋でのバトル。とくに後者がいい。「ホルモンでーす」の絶妙な割り込み方。「事件は私のためにある」などと山本リンダの替え歌で酔って騒ぐ回想シーン。 しかし、終盤に、女子大生が出てきてヘンな「青年の主張」をして、それだけならまだしも投書を押しつけて、それを掲載してしまって主人公が左遷されるくだりは、作中の台詞のとおりに「青くさい」。あそこは絶対に要らなかった。ただ、墓参りをやめてという依頼のときに捨て台詞としてマスコミの遺族への姿勢を批判する、という程度でよかったのでは?そのようなマスコミ批判は、あの事件当時は斬新だったかもしれないが、今は言うほどのことでもないしね。あそこが無ければ、もっと良かった。 (追記)・・・と、思ったが、これは意図的なのかもしれない。クライマーズ・ハイというタイトルを考えれば、大事件に興奮してガンガンいってしまい醒めた後に愕然とする、というのがこの作品の基調であろう。スクープのためにハイになりすぎて末路が左遷というのならそれなりにカッコつくが、ダサくて生真面目な女子大生の「青年の主張」を載せるなどというチッポケなことに勇気を発揮してしまって左遷、という間抜けなオチ。そんな判断力の欠如をもたらすクライマーズ・ハイの恐ろしさ、ということなのかもしれない。そう考えると、石原さとみの超ウザイ生真面目キャラも、意図的な人選、演出なのかもしれない。だとしたら、もっとコミカルな、たとえばコーエン兄弟の『ビッグリボウスキ』のような、シニカルになりすぎないブラックコメディ調で撮ったらよかったが、NHKドラマじゃそこまでは無理か。そういう路線なら、佐藤浩市は、よりいっそう、この役にピッタリだと思う。勇敢でカッコイイ面もある一方で逡巡する優柔不断さや情けなさも併せ持っている。『文学賞殺人事件』で彼が演じた文学青年の中年期バージョンという感じになる。



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