• home

死刑台のエレベーターのレビュー

よきかな  2006/6/26

以前から手元に置きたきソフトだったのですが、ボックスセットのみの販売形態を取られていたために購入するのを躊躇していましたが、今回漸く単品発売されるにあたり良い機会と思い注文したのです。ほぼ50年を経過している作品にしては画質が大変良く、購入した甲斐がありました。“デジタル・リマスター”を謳っていても実際はさほどでもない場合が多く失望させられる事もしばしばであるため、正直余り期待はしていなかたのですが、片面一層ディクとしてはほぼ文句のない画質と存じます。フィルム傷やノイズ状のものもあまり見受けられず、安定したビットレートで物語を堪能することができました。 独創性のある映画に与えられる「ルイ・デリュック賞」を過去に受賞作品においてはロベール・ブレッソン『田舎司祭の日記』、アラン・レネ『戦争は終わった』、クロード・ソテ『すぎ去りし日の…』ジャン=リュック・ゴダール『右側に気をつけろ』など映画史上における真の傑作に冠せられている事が多く、信頼できる賞という印象を持っているのですが、本タイトルは1957年の受賞作品です。冒頭のジャンヌ・モローのクロースアップ(厚化粧しておらずあえて肌のきめを露わにしているような部分までDVDが再現しています)から始まるモーリス・ロネ扮する退役将校との電話でのやりとりなど、緊迫感に満ちたやりとりで観ているものを一気に物語に引き込みます。そしてマイルス・デイヴィスのすばらしいスコア。モノラルサウンドでありながら厚みの感じられるサウンドトラックは、あてどもなく夜のパリをさまようジャンヌ・モローの姿との見事な交感があります。完全犯罪計画を実行した不倫カップルがアクシデントにより計画が狂ってゆくさまなど、サスペンスの要素も含有してエンターテインメントとしても楽しめる作品に仕上がっています。公開時25歳だったルイ・マルの、まさに溢れるような才気。



マイルス?デイヴィスのトランペットが、実にしっくりと映画と融け合っていたところ。素晴らしかった  2007/6/9

・・  大企業の社長を殺害する完全犯罪を企んだ男が、ふとした運命のいたずらで、会社のエレベーターに閉じ込められてしまう。土曜の夜から日曜の朝にかけて、その男、ジュリアン・タベルニエ(モーリス・ロネ)がエレベーター内で身動きがとれない間、外では思いがけない方向へと事件が転がってゆく・・・・・・。  冒頭からラストまで、マイルス・デイヴィスのトランペットが、この映画に実にふさわしい音楽を奏でていたのが印象的だったなあ。彼の愛人である社長夫人(ジャンヌ・モロー)が雷雨の中、夜の街を彷徨するシーン。無鉄砲な青年とその恋人が、タベルニエの車を無断で乗り回すシーン。ある小道具の効果が非常に印象に残るラストシーン。などなど、話の随所で響くトランペットの、物憂げでやるせないメロディーが、作品の雰囲気としっくり融け合っていたところ。本当に素晴らしかった。  エレベーターからようやく解放されたタベルニエが、身に全然覚えのない罪に問われる話の展開は、サスペンスの味わいがありましたね。タベルニエにとっては、まるで悪夢を見ているような具合に話が進んでいく。その辺の、主人公が感じる不気味な恐怖の心理が、巧みに表現されていました。  また、オープンカーの屋根の開閉とか、翼みたいに扉が開くメルセデスとか、当時の高級スポーツカーもかっこいいんですよね。モノクロの画面ですが、思わず見とれてしまっていました。



まさに神品 サスペンス映画を越えた愛と無軌道な青春の物語  2006/10/8

・・  紛れもなく映画史上に残るマスター・ピースです。モノクロの美しい映像にM.デイビスの絶品のサックスが鳴り響き、J.モローが恋人を捜して夜の町を漂うその叙情。端役もキャラが立っており、夜の酒場の酔いどれ元軍人なんかは実にいいです。プロットに無駄がなく、1つとして入れ替え不可能な「完璧」な映画であることに改めて感嘆するのです。  初めて見た時に驚いたのは、花売りの娘とその恋人が勝手にジュリアンの車を乗り回し、挙げ句の果てにドイツ人夫妻をピストル殺害して、そしていとも簡単に睡眠薬自殺をしようとするその無軌道ぶりでした。「フランスの若者ってこんなもんなのだろうか」と当時高校生だった私には衝撃でした。これはJ.ディーンと『理由なき反抗』の時代潮流と軌を一にしている訳です。しかも青年役がジョルジュ・プージェリだというのが凄い。彼はあの『禁じられた遊び』の少年役です。戦争によって悲しくも引き裂かれた無垢と刻み込まれた哀しみ。成長したこの時になってそのルサンチマンをドイツ人相手に、戦争で恩恵を得た人物達に、自分でもそうとは気づかないうちに晴らしているかのようにも見えるのです。ルイ・マル監督は間違いなくそこまで計算して配役を決めたはず。あまり指摘する人がいませんが、戦慄すら覚える慧眼です。  結末の見事さも群を抜いています。後味の悪い物語を後味の悪いままに終わらせるヨーロッパ映画が多い中、ほんの数分のシークェンスの中で全ての決着を見るのです。そしてJ.モローの独白。この映画が単にサスペンス映画に終わらずに、今なお神品として記銘されているのはこの独白によるものと言えます。映画中一度も会うことが出来なかったジュリアンとフロランス。しかし二人はたった一度だけ抱擁し、お互いの愛を確かめ合っています。それは皮肉にもラストの写真の中。恋愛映画としてもこの作品は神品でした。若い世代にも一生に一度は見て欲しい大傑作です。



“クール”と言う言葉は、この映画を形容する時こそ相応しい。  2006/5/4

・・  言うまでもなく、ヌーベル・バーグの先駆的作品にして、マイルス・デイビスのインプロヴィゼーション(ジャズ&フィルム・ノアールの幸福な融合)も完璧に決まった映画史に残る傑作。冒頭のジャンヌ・モローのクローズアップに“ジュテーム、ジュテーム”と吐き出される彼女のモノローグから、全編一分の隙もないクールでニヒリズムが蔓延する構成の中、刹那的で反モラルな“愛”の顛末が描かれる。些細な失敗がアクシデントを生み、それが増幅して想定外の展開になり、皮肉なラストを迎えるというストーリーは、因果応報と言うべきものであり、特筆すべきものではないが、光と闇の領域の対比と眩惑的効果を狙ったアンリ・ドカエの研ぎ澄まされたカメラ・ワークのもと、焦燥感と不安感、喪失感に苛まれながら、夜のパリを彷徨するジャンヌ・モローの、その心象風景を見事に吹ききったマイルスのトランペットの強靭的な素晴らしさは、単身パリに渡り、バルネ・ウィランやケニー・クラークを配下にラッシュ・フィルムを見ながら、即興で曲を作っていったと言うあまりに有名な逸話を思い出しつつ、正に“奇蹟”と言わざるを得ない。



画質良く、買って損は無い  2007/3/27

アンニュイな雰囲気と美貌の人妻、マイルスのトランペット・・・良い映画は 一つ一つの場面が観てしばらくたってからでも心に残っている物だけれども この映画もまさにそんな映画でライターやカメラなどの小道具も時代を感じさせる 渋い味わいを出している。最後の方でミノックスで撮った印画が浮かび上がるけれ ども、私見ではミノックスにしてはシャープすぎ画質の密度も良すぎる気がする。 同時代のフランスの35ミリカメラか、ライカ又はコンタックスで撮られているよう に思えてならない。しかし、重要な場面の映像であるだけに監督は美しい印画を 望んだのだろう。



一気に最後まで見せてくれます  2007/2/17

 友人の薦めるままにこの古典的なサスペンス映画を見た。最初の場面から、引き込まれていった。ジュリアンがエレベータに閉じこめられ、あの閉鎖的な空間の中で必死にもがく姿は、閉所恐怖症でなくとも、手に汗握るものだろう。このあとのストーリー展開は、意外な方向に拡がり、最後の最後の場面まで、飽きさせることはない。ジャンヌ・モローが不倫の恋人をさがしパリをさまよう姿は、白黒ならではの陰影ある画像となっていて印象深い。約50年前の映画といっても決して古さは感じなかった。現代ならば、携帯電話で連絡をとるという場面は、それができないもどかしさ、二人の関係の重さが逆にはっきり見て取れるのはおもしろかった。  だけれども、あれ?どうして?という場面も実はいくつかあって、(私のみる力がないのかも)、その部分がマイナスで☆4つという評価となりました。



いい映画は何度見ても飽きない  2007/1/20

・・ 前に見たのはいつだったか。主人公がエレベーターの中に閉じ込められてしまうシーンは、なんとなく印象に残ってはいましたが、映画のストーリーはほとんど忘れていたので深夜のBS放送で再見するには、かえって好都合でした。 閉じ込められている間、車を盗んだ若いカップルが犯した殺人罪を免れるためには、社長夫人との不倫から犯した密室殺人事件を認めなければならない。やたら観客の頭の中をひっかきまわしたがる今どきのサスペンスものに比べ、このヌーベルヴァーグの先駆ともいえる古典的名作は、納得できるプロットをわかりやすく展開してくれるので、たとえ先読みできたとしても、おさまるべきところにおさまるという安心感を観客にあたえてくれる。主人公を釈放するべく奔走する愛人役のジャンヌ・モローの存在感は、この映画の中でやはり群を抜いている。できることなら、かまびすしくTVでわめきたてる偽セレブたちに「おだまり」と是非一喝してほしいところだ。 広告や口コミまで操作して何とか観客を騙しておびき寄せようとする作品が多い中で、<いい映画は何度みても飽きない>という法則だけは、何人たりとも偽れない普遍のものだと思います。



傑作です  2007/9/24

恋人同士のJ.モローとM.ロネは最後までひとつの画面に一緒に現れることはない。そして最後に現像液につかった写真のなかで初めて一緒になる。実にうまい構成ではないか。あたかも二人が一緒になることが破局を暗示するかのように。



マイルスのトランペット、ルイ?マルの演出、モーリス?ロネとジャンヌ?モローの演技、全てが完璧に繋がって、、、。  2007/12/23

 恋人フロレンスの夫を殺すために完全犯罪をもくろむ青年ジュリアン、計画は完璧だった。しかし予想外の事態が発生し逃走途中のエレベーター内に閉じ込められてしまう。 彼の車をある少年が盗みだしガールフレンドと一緒に乗り回すうちに、少年は事件を起こしてしまう。何も知らないジュリアンは必死でエレベーターからの脱出を図る。そしてそんな状況を知らないまま、ジュリアンを探して街を彷徨うフロレンス。接点のないまま、三つの出来事が同時進行する。  この映画でフランス映画の最高賞「ルイ・デリュック賞」を獲得したルイ・マル監督のスタイリッシュな演出、撮影担当は当時まだ新人だったアンリ・ドカエ、そして当時のフランス映画界にあって最高のコンビ、モーリス・ロネ&ジャンヌ・モロー、若き気鋭のフランス映画人が結集する中、マイルス・デイビスの透明感に満ちたトランペットのアドリブ演奏が成功を決定的なものにした。  あえて距離をおいて撮影された殺人シーンにより、観客は目撃者としてこの映画に引きずり込まれ、続いて相次ぐトラブルに見舞われるジュリアンに感情移入させられる。車のダッシュボードに隠した拳銃に手を伸ばす少年、もうほんの少し広ければ抜け出せるエレベーターの隙間、愛する男の写真が自分の犯罪を証明してしまうという皮肉に満ちた結末、サスペンスたっぷりのこの映画の魅力はとても一筋縄では語れない。



超一級サスペンス  2008/1/21

いや~面白かった超一級のサスペンス映画です エレベーターが止まったことから崩れていく完全犯罪 3つの事件が同時進行していき 渋い音楽が映画を盛り上げますとても25歳の若監督がとったと思えない面白さ 話の展開の仕方も面白くテンポが良いからまったく飽きない 廃盤になる前にDVDを買うことをオススメします



ホーム 相互リンク サイトマップ 免責事項 問い合わせ ヘルプ Copyright 2008 TryPOP.com