日本映画としてはめずらしく、男と女の性を真正面からとらえ、官能的な映像に結実させた1編。小池真理子の原作のテーマを損なうことなく、見事に映画化された。中学時代から正巳に好意を持っていた類子だが、正巳は親友の阿佐緒に想いを寄せていた。その後、図書館司書となった類子は、妻子ある男との肉体関係に溺れていたときに阿佐緒と再会。親子ほど年の離れた精神科医と結婚を決めた阿佐緒のパーティに招かれた類子は、そこで正巳とも会う。
時を経た親友3人の関係は、再会によって濃密になっていくのだが、正巳が性的不能であるという事実が、さらに関係をややこしくしていく。要所に鮮烈な性描写があり、なかでも、類子が不能の正巳と何とか結ばれようとするシーンは痛々しくもエロティック。しかし、映画全体に漂うのは、純愛のようなピュアな美しさだ。正巳が傾倒する三島由紀夫作品との関係など、文学的要素も多く、結末が、さまざまな想像をかき立てる。主演3人は、複雑な役を文字通り体当たりで演じきり、背景となる70~80年代のカルチャーが、どこか郷愁を誘う。(斉藤博昭)
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより) 直木賞作家・小池真理子による同名恋愛小説を篠原哲雄監督が映画化した官能恋愛ドラマ。中学時代、美少年の正巳に想いを寄せていた類子。10年後、妻子ある男と肉体だけの関係を続けていた類子の前に、ふたたび正巳が現われて…。R-18作品。
1
板谷さんてすごい。 2006/5/9
高岡早紀さんが出るので見に行ったんですが、
それよりも板谷さんの演技というか脱ぎっぷりはすばらしかった。
見ているこちら側が恥ずかしくなるくらいだった。
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男優さんは美形だった方が… 2006/7/15
イントロ、大衆食堂でヒロインが定食を食べるシーンから引き込まれます。この辺、監督のキャラが反映されてそうでいいですね。原作は女の生理的な部分の内向性が生々しく描かれていて重厚な作品なのですが、これをウ"ィジュアル的に表現するのは凄く大変だったでしょうね。もう女優さんの演技力頼みでしょうから…そういう意味では板谷由夏さん、かなり頑張ってると思います。ただ相手役の男優さんが板谷さんの演技レベルまで到達してなかった様な気がします。感情の無いセリフ回しが鼻に付いてまるでロボットの様だ。おまけに尻の上のタトゥーがやけに目障りに感じた。家政婦役の中村久美さんなどは原作のイメージ通りにほぼ完璧な役作りで舌を巻いたんですが…キャスティングのバランスが悪いですね。全体的な評価としては微妙な作品です。
3
むせ返る香気と受容 2006/6/26
小池真理子の名作を映画化しただけに、非常に文学的であり、飛び交う会話は些か非現実的な匂いもするが、全く作品として破綻を助長せず、むせ返る香気を与え、その美に打ちのめされそうになる。
ただ、映像でみる性描写に対し、初めて激甚なる哀しみを覚えたのは、原作を読んでいたからであろうか・
唯一残念だったのは三島邸をそっくりそのまま模倣した建物が出なかったことだが、
観おわった後、筆舌しがたき無常の世界を受容せざるを得ぬ一人間としての強靱さと、やるせない想いが激しく且つ傷ついたように胸裏に募る。
日本映画にまたしても名画が誕生した。
4
切ないです 2006/10/22
涙は出ませんでした。何故なら考える事が多すぎて、涙している余裕がなかったからです。かなり過激なシーンはありますが、グロテスクではなく、美しくさえ思います。素晴らしい作品だと思います。二度目はきっと泣けるでしょう。
5
プロの作った映画 2007/12/31
・・
いろんな映画を作っている篠原哲雄監督といろんな映画に出ている(脱いでいる)高岡早紀の映画。さすがに映画作りは手慣れたモノで、物語の展開からカメラワーク、音響にいたるまで、うまい映画作りだと思う。多くのプロの手にかかる経緯がよく解るので、映画作りを目指す大学の映画クラブなどは必見。お金を出してDVDを買った顧客としては、高岡早紀は好きだが、筋がすっきりこない不満が残る。
6
■小池真理子の本が好きなら観ない方が・・・■ 2007/10/29
■小池真理子の本が大好きで、たくさん読んできたので、なんとな~く『小池真理子らしさ』は映画のなかにありましたが・・・やはりうすっぺらく短縮しすぎて良さが生かしきれてない、という感じがしました。
お庭でのパーティーもあまりにも質素すぎるような気がします・・・
全体的に豪華さに欠けていた?!
■失礼ながら、男優さんが、小池真理子の本によく出てくる、顔を見ているだけで切なくなるような美しい青年とあまりにも私のイメージがちがいすぎ、どうしても物語の中に入り込めませんでした。
他の方が書いてらっしゃるように、腰のタトゥーが目立ちすぎ、安っぽい・・・。
■彼女の長編小説によく登場する、お金持ちで女好きのおじさまに、津川雅彦さんははまりすぎ・・・。それに家政婦さんもぴったり。
とはいえ、やはり名作は本で読むだけにとどめたほうがいいと感じました。
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友達じゃ、いやだ・・・ 2008/2/27
・・
板谷由夏さん、ファンになりました。
「友達のままじゃ、いやだ」って気持ち、久々に思い出しました。
8
熱演! 2008/3/6
板谷由夏の前バリ無しの熱演に感動した。イメージ的には「命」の江角マキコだろうが、ここまで出来ないだろう。テレビのイメージが良いタレント程、冒険しなくなる。
そしてもう一つ付け加えると、映画はドラマを描くものではないと言う事。ましてや原作との比較は、監督と原作者両方に失礼だ。
映画とは、そこで起きてる空気をいかに現実的あるいは、観念的に撮るかだと思う。ドラマは映画の一部の要素なのに、テレビ的にドラマが面白いかどうかで映画が間違った判断されてしまう。
本作品は、篠原監督が板谷由夏の情熱と淋しさを壊さずに撮り上げた傑作である。