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マイケル・チミノの最高傑作 2006/11/28
マイル・チミノといえば、「ディア・ハンター」という良質な反ベトナム戦争を謳った映画を作ったものの、その描き方がアメリカ至上主義的というか、アジア蔑視的だったため欧米で総スカンをくらってしまい、その後は大作主義に走り赤字を乱発してハリウッドからいなくなってしまった監督。その大作主義に走る前の力作がこの作品。個人的にはこの作品が彼の監督デビュー作にして最高傑作だと思う。
朝鮮戦争の英雄サンダーボルト(クリント・イーストウッド)の魅力にひかれ、彼とともに旅をするライトフット(ジェフ・ブリッジス)の年の離れた男の友情を哀愁いっぱいに描く。前半はサンダーボルトが昔盗んだ金を探す旅をロードムービー的に描き、後半は昔の仲間(ジョージ・ケネディとジェフリー・ルイス)と金庫を襲う展開。前半の2人の珍道中は笑える展開もあり、また微笑ましくライトフットがサンダーボルトにひかれる理由が良くわかる。後半は、金庫破りの準備と実行、破滅の過程をじっくり見せてくれる(彼等の死にざまも決してかっこ良くなく、そこが魅力的)。そして、決して忘れることの出来ない悲しいラストシーンは秀逸。男達の友情とその果てを映画いたアメリカンニューシネマ的な心に残る作品だ。
この映画C・イーストウッドよりも、まだ痩せていたジェフ・ブリッジスが演技的にも素晴らしかった。そういう意味でも、邦題は「サンダーボルト」よりも原題どおり「サンダーボルト&ライトフット」にして欲しかった。
ところで、この映画、ジェフ・ブリッジスの女装や犯罪の準備ためにまじめに働く等のユーモラスなところも多く思わず笑ってしまう。何といっても、前半のいかれたドライバーが車を転倒させて、トランクから無数のウサギをだして銃を乱射するのを見てライトフットが「いい奴だと思ったのに」ともらすところは最高におかしかった。そんなメリハリもこの映画の魅力か。