「プロって言うのは仕事以上のことをやっちまうやつだって!」。名セリフが心地よい。ペダルのひと漕ぎは、人生を変える、ネジのひと巻。スペインのアンダルシア地方を駆け抜ける自転車ロードレース「ブエルタ・ア・エスパーニャ」を見事に描いた、大傑作。自転車レースは決してひとりだけで走るものじゃない。チームメイトと協力し、ライバルと駆け引きをしながら、人々の想いと願いを背負って走るのだ。生まれ育った土地から抜け出したいと思っている、地元のロードレーサーのぺぺ。彼はレースの駆け引きの中で、いつの間にか集団の先頭を単独で走ることになる。はたしてゴールまで実力あるベテラン勢から逃げ切ることができるのか。彼はアンダルシアから逃げるように、実力以上の速度で駆ける、駆ける、駆ける。先頭をはたしてたったひとりで走る彼をつなぎとめるものは……? スペインに暮らす地元の人々の生活を丹念に描くからこそ、彼の想いが痛いほど伝わってくる。クライマックスとなるゴール直前のスプリントシーンのド迫力は、アニメーションならではの興奮にあふれる。一瞬もまばたきを許さない、実力派アニメーターたちの競演となる47分。監督はスタジオジブリ作品でも大活躍し、自転車マニアとしても知られる高坂希太郎。
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより) 『千と千尋の神隠し』の作画監督・高坂希太郎による、自転車レーサーの奮闘と人間模様を描く青春ドラマ。チームからの解雇を知りながらスペインでのレースで疾走するペペは、やがて故郷に差し掛かる。そこではかつての恋人と兄の結婚式が開かれていた。
1
手元に置きたいお話 2003/11/4
この作品は、劇場の方で観ましたので、その感想を。
私は大泉洋さんのファンなものですから、
黒田硫黄さんの原作も読まず、自転車レースの知識もないままに、いきなり本編を観ました。 実際映像を観て驚きました。 ひねりも何もない言い方になってしまうのがなんですが、本当に綺麗です。
あらためて「アニメってすごい」と素直に感動。 何の前知識もない私でもわかりやすくて、すんなりと物語世界に入っていけました。 大泉さんの声が、すごくかっこよいんですよ。まさしく「ぺぺ」でした。
筧さんの台詞回しも、どこか声優さんとは違う感じがまたよし。
で、なんだかとても素敵だったのが小池栄子さんの声。すごくよかった。ちょっと惚れてしまいそうに。
登場人物全てに味がある、って感じ。 音楽とあの抜けたような青空がよく合ってました。
47分と短編ではありますが、手元に置いておきたいお話。 なんか疲れた時とか、あとはそうだなぁ、自分の中の何かが萎えそうな時にもう一度観たいなぁと思った記憶があります。
私は「さーて、明日もまたいっちょ頑張るかな!」と空を見上げるような気持ちになりました。 けして気張るのではなくて、ごく普通に目線が上がるような...。
ぜひご覧になってみて下さい。
2
愛すべきどうでしょう魂 2003/10/21
短い作品ながら、広大な自然・異国情緒がこれまでにない色の多さで描かれている。
ヘリコプターから、伴走車から、またはアップでなど、いろいろなアングルでレースを追い、
中継で見たことがない者までも、本物を忠実に再現していることがわかる。
地方都市から遠くへ、かつての恋人から遠くへ、といったモラトリアム期の
もやもやをひきずりながらペダルを踏み続ける主人公ペペに、打ち込むことは違っても、
きっと多くの者が共感を覚えるのではないだろうか。 純粋な硫黄ファン・アニメファン・レースファンには申し訳ないが、
『水曜どうでしょう』ファンにはたまらない作品。
主人公ペペの声を担当したのは大泉洋。 「ローカルタレント」「お笑いタレント」と括られがちだが、役者として舞台に立ち、
これれまでに『千と千尋の神隠し』『猫の恩返し』にも声優として参加している。
作品各所に散りばめられたどうでしょうテイストも、ぜひ味わってほしい。
3
アニメ化で得たもの、失ったもの 2003/12/31
あの北海道のスター・大泉洋が主役!
これだけで「絶対観る!」と決意した、お馬鹿な小生なれども。
原作・黒田硫黄、というのもかなり引っ掛かったワケで。
最近ではあんまり漫画をよく読んでないのだけど、それでもこの方の名前は知っていて。愛読していた某音楽誌でも絶賛されていて。で、公開前に我慢出来ずに原作本を入手。
噂に違わず、凄く面白かった。
これをジブリ人脈の手で映画化、しかも主役・ペペを大泉氏が演じる。期待は嫌が応にも膨らんだ。 で、実際に拝見して── 確かに素晴らしかった。 自転車レースの描写は絶品。監督の高坂さんが実際にレースに参加されている、というだけの事はある。正直、日本に於いては馴染みの薄いものだが…それでも物凄い説得力だった。空撮、実況スーパー、転倒、風切り音、砂嵐……小品とはいえ、相当な時間と手間を掛けているであろう事が容易に想像出来た。これだけでも充分に買い!といえます。
ただ。原作に魅せられたからこそ、の不満もあった。
映画化、故に物語が“ステレオタイプ”寄りになってしまったなぁ、と。 例えば、ペペの表彰シーン。原作では、1頁でサクッと描かれているのみだが…本作では細かくアングルが替えられ、より華々しくなっている。更に、映画オリジナルキャラの友人がTVを観ながら咽び泣いている。他には、兵役から戻ってきたペペと兄・アンヘル&恋人カルメンのシーン。原作は↑に同じ、で本作ではペペは感情を露にして丘の上で悔し涙……ここが残念ながら、個人的には興醒めだった。説明過多というかベタだなぁ、と。
まぁでも原作を知らなければ、そうした不満も無かったであろうとは思います。良い作品ですよ。
4
劇場公開が地元になかったもので・・・ 2003/12/22
・・
劇場公開もなく、やっとレンタルで観ることが出来ました。
これは「買い」です、永久保存版!
アニメにつき物の声優ファンが多いようですが、レースファンから一言。
レース中継シーンから始まり、なんと解説者の御大、市川雅敏氏いきなり登場!いつものトークなのですがなんとなく棒読みと言うか・・・よそ行きバージョンのようで、おかしかったです。
レース中継シーン、主人公のぺペがカンパのエルゴレバーをシフトアップ、これはサイクリストには鳥肌モノですよ。 先頭交代や集団走行の「うねり」をヘリからの空撮、逃げを決めた選手名、チーム名やタイム差などのテロップなど、レース中継を見たことがあるファンには「オオッ!」と絶叫することうけ合い。(笑)
物語そのものより感動するシーンの連続でした。
そんなんで、「自転車の動き」しか見ていなかったわたしには、物語があまり理解できず再度観るはめに・・・ ですが、短時間でレースの醍醐味を凝縮しているところなどが、レースファンにはオフシーズン中楽しめるアニメでしょう。
ゴール前タイム差を計算するあたり、「市川節」が出てますねェ。
5
スピード感と故郷描写が良かった。 2004/1/30
自転車レースはチームスポーツと言う事を理解して見ると良いかもしれません。チームには、エースと呼ばれるレーサーとアシストと呼ばれるレーサーが存在します。チームのエースを勝利させるためチーム一丸となってエースをサポートしていきます。
主人公ぺぺは、アシストレーサー。レース中の事件から、サポート役から勝利するチャンスが訪れます。 レースのスピード感を、そのままにぺぺの人間模様が駆け巡ります。中でも、故郷描写は秀逸。ぺぺの故郷に対するやりきれない気持ちとは裏腹に、レース中に何度となく故郷に助けられる場面、思わず自分の故郷を思い出しました。 少々癖のある作品だと思いますが、楽しめました。
6
名作 2003/10/20
主人公ぺぺは自転車レーサー。
でもレーサーとしては三流。
エースの引き立て役でしかありません。
おまけにレース当日は、昔、付き合ってた女の子の結婚式。
しかも相手は自分の兄貴。
さらにレース中にクビを宣告され、もうふんだりけったり。
ぺぺとしてはもう最悪です。
でもそんなぺぺにチャンスが舞い込みます。
レース優勝のチャンスが。
これがこの作品のあらすじです。
ふんだりけったりのぺぺに感情移入してしまって、劇場では号泣でした。ストーリー最高です。 素晴らしかったのは、自然の描写。
青い空、白い雲、美しい町並みアンダルシアに行ってみたいなあって気分にさせてくれました。
もちろん自転車の描写も素晴らしいですよ。
7
はまっちゃいました!! 2004/1/22
この作品の監督は『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』で作画監督を務めた高坂希太郎監督のデビュー作品です。自転車競技には興味の無い私ですが、これが見てみると結構面白い!!本編は47分と短い映画ですが、内容はすごく充実しております。ストーリー内容は「ツール・ド・フランス」を舞台に繰り広げられる自転車物で画像もすごく綺麗でした。特にキャラクターはジブリ風タッチを受け継いでおりますが微妙に原作「黒田硫黄のコミック」風を各所に散りばめてあります。画質&ストーリー内容ともに最高の作品であることは間違いない事でしょう。是非!コレクションに加えたい作品です。次回作は、長編アニメにも挑戦して欲しいですね!しかし、これを見ると…本物「ツール・ド・フランス」にも興味を抱いてしまいました。
8
ジブリのニューウエーブ。 2003/12/21
日本ではマイナースポーツとされているが、ツール・ド・フランスを始め、ヨーロッパで自転車競技は花形スポーツだ。人が創り出した最もエネルギー効率の高い発明品が自転車だが、一方で、数ある乗り物の中で最も人のエネルギーを吸い尽くす発明でもある自転車。スタジオジブリ恒例の自転車レースから生まれた小品だが、観る者にどこか懐かしさを感じさせてくれる。子供向け作品が多いジブリが、大人をターゲットにしたこの作品は、競技者の心理のみ切り取り、仕立て上げたシンプルなストーリーと、今までに無い、実写のテイストをねじ込んだ画面レイアウトに、将来のテストパターンを感じさせる。ぎこちなさもあるが、ラストの怒涛の演出は、ジブリらしくない新しい試みが試されていて新鮮に見える。宮崎 駿に代わる次世代のスタッフが彼を目指し製作した力作だといえるし、これからに期待したい。
9
ベンガ!ベンガ!ベンガ! 2004/1/6
エンディングの歌で笑えるかどうかで確実に★1個評価が違うのでは?と思われる自転車アニメです。(私事ですが我が家にあるマシンやパーツが歌詞に全部出てくるのでした)自転車の世界を知らない人はわからないでしょうが、映画冒頭からレースシーン中ずっと流れる市川さんの解説が最高です。また、劇中登場する各自転車チームは、有名チームのパロディー(オマージュ)になっていてそれだけでもかなり楽しめます。私的にはべザル選手が大うけでした。内容的にも無理に上映時間を延ばそうとしてないので、間延びすることがなく画面にずっと引き込まれたまま、あっという間に終わります。レースシーン中盛り込まれる主人公ペペをはじめとする各キャラクターたちの人間ドラマがこれまたよくできています。自転車の部分をのぞいても短編アニメとしては最高といってよいのでは?
10
さあ、・・・・・・・と思ったら観よう。 2005/12/4
・・
これは爽快なる作品。自転車レース(?)の話し。無駄が全くない。
主人公は、自転車を走り続けるだけ。
しかし、見終わったときに、勇気がでてくる。さらに人を信用したいとおもうのだ。こんなシンプルな作品、初めて。
嫌な世にウンザリしている者は、このアニメを観ようよ。
「ヨイショ、生きようか」
きっと思う。
世の中にはいい人たちがいるのかもしれないと希望を持ってしまう。
「茄子(なす)」という言葉は、人間たちがまだ希望をもっていいのだという象徴的な言葉。一見キーワードだ。納得する。
一度、観ませんか。