さくらん 特別版のレビュー
早すぎた作品… 2007/5/14
安野モヨコの原作が素晴らしいだけに、それを描ききれていないことがとても残念な作品。
原作者はおそらくそれなりに江戸風俗を研究してリアリティを感じさせる作品を作り、
その中で見事に様々な女の心の機微を描いているのだが、
蜷川実花はそのどちらも描ききることができなかったと言わざるを得ない。
監督にも脚本家にも、勉強不足が見え隠れしてしまい、見ていて歯痒くなった。
特に、原作がまだ単行本化されていない後半部分、クライマックスになるべき部分なのだが、
非常に尻つぼみになってしまったように思える。
物語の舞台だけを吉原に借りて、蜷川実花の世界を全開にするのであれば、
それはそれで終始見応えのある作品になったと思うのだが、
彼女の独特な色使いも後半はなりを潜め、カメラワークも単調になってしまう。
だがひとつの美術作品として見るならば、有り得ない衣装、有り得ない装飾、
映画音楽にしてはどぎつい椎名林檎の音楽も、部分的に取り出せば非常に楽しめるものではある。
それを上手く繋げて、リアリティのある一つの心地良い流れを作るまでには至らなかったことが、非常に残念に思う。
作品に関わった人たち一人一人が、いわゆる「カリスマ」と称される、
言ってみればアクの強いアーティストたちなので、それに上手くリアリティを足し、
心地良い流れを作るというのは、至難の業かもしれない。
せめて原作が完結するまで待ち、監督も脚本家も、もう少し江戸風俗について勉強してから作って欲しかった、
とても惜しい作品だ。
『吉原炎上』はほんとうにいい、と実感し直すための映画。 2007/4/3
蜷川実花は、きっといつだって頑張っているのでしょう。
しかしのこの作品は、彼女が写真でやっていることをそのままスライドさせてきたようにしか見えません。好きなものは好きなんだもの、という心意気は全然悪くない。しかし、ここまでコテコテ過ぎると、もはや単なるシュミのようにしか思われないのです。土屋アンナといういかにも彼女と相性のよさそうな主演、あの色、テイスト、加えて音楽など椎名林檎。嗜好の似通っていそうな者同士でつるみ合ったような狭苦しい印象で、閉塞感ばかりを覚えて仕方ありません。
監督が、映画なんてもうこれきり、のつもりなら、それも良いのだと思います。仲良しの人と、好きな色ばかり使って、思う様そのようにしたらいい。
もとからの知名度の高かった蜷川実花が映画まで進出したことによって、「女性監督もぶいぶい言わし始めている」という認識が著しく強まったことも事実で、そのため、確かに実力はありながら後一押しのきっかけがなかった、という他の女性監督たちがすこしは浮上しやすくなった点、それが彼女が映画を撮ったことによるもっとも有意義な効果だったのではないでしょうか。
あとは、なにより、『吉原炎上』がどれほどの傑作だったか、改めてひしひしと、実感し直すための映画ですね。
これって映画?! 2007/10/3
見終わってまず思ったのが…
「これって映画なの・!」
だった…。どっちかって言うと椎名林檎さんのミュージック・ビデオの気がする。監督が写真家だからって言えばそれまでな気もするけど、とても映画とは思えない。途中で飽きた。
良く言えば華やかな映像だけど、全体的に赤っぽくて目が疲れる。
でも出演者は豪華なんですよねぇ~不思議なくらい(笑)その点だけで星1つってとこだけど…作品としては星0コです。
中高生やヤンキーにはうけそうな作品ですね。
本当は星0個です 2007/5/5
椎名林檎は嫌いでないが、音圧重視の唄あり劇伴とケバイ割には教科書的で
退屈な色使いに頭がクラクラきた。
まるで、若者の多い繁華街のコンビニやドンキホーテに来た気分。
コンビニに置かれている商品はひとつひとつが多くの人によって考え抜かれ
たものであるのに対し、本当にチープなだけのこの作品は耐え難い苦痛を観
るものに与える。
ひとことで言うなら『駄作』。
ただし、それまでの「廓」ものに対するアンチテーゼにはなっていたと思う。
たとえそれが「開き直りヤンキー女」と化することであっても…
コンビニ・ファッション誌あたりのオススメDVDコーナーで紹介され、ヤン
キー相手におおいに売れるといいと思います。
動く写真集、まるで漫画 2007/8/8
登場人物の性格が描けていないので、ドラマになっていない。これは「SAYURI」の日本版でしょうか。
俳優の芝居が撮れない監督は映画を撮るべきではないし、椎名や永瀬には、こんな漫画に出演してほしくない。脚本段階で出来が読めないほど馬鹿なのか……。こんな映画を評価する日本人の劣化ぶりに暗澹となります。
監督さん、途中で疲れちゃったのかな……? 2007/8/15
花魁だからといって、鈴木清順、五社秀雄なんてものと比べること自体無意味な話。しょせん(決して悪い意味ではなく)漫画なんだから。そんなことを口走ってる老人たちは、はじめから観ない方がいい。
鮮やかなジャケット、椎名林檎の音楽、キャスティング、そして斬新な美術。違う監督なので申し訳ないが、誰もが「嫌われ松子」や「下妻物語」のようなノリを期待していたはず。
しかし、歯切れよかった展開が、途中から絵だけで見せようとするプロモーションビデオのようになってしまった。監督「蜷川実花」が力尽きて、写真家「蜷川実花」に戻ってしまったようである。正直、爆睡しそうになった。
時代劇だからこそ効果が発揮されるであろう洒落た台詞が、たくさん散りばめられていたように思う。それだけにもったいない気がした。
期待した.これからも期待する。しかし、この作品だけは落第点。 2007/5/11
・・
監督の蜷川実花も、椎名林檎も、主演の土屋アンナもみんな好きでフアンなボクは躊躇なく映画館へ。しかし、どうひいき目に見ても映画としての完成度となると首を傾げてしまう。脚本もよくないし、映画としての基本ができていない。見所としては極彩色の映像、クールな衣装か。それでもそんなに悪い印象は持っていない。これに懲りずに、再挑戦して欲しい。どうせやるなら、もっと荒唐無稽でも良かったのではないか。過激な次作を期待してます。
うっとりするような色彩、咲かぬ花はないという名科白 2007/7/17
写真家で使うフィルムまで強いこだわりを持つ、蜷川美花監督の色彩はやはりこの映画でも素晴らしかった。
着物、桐箪笥や障子等の家具、金魚などなど全編、うっとりするような色で彩られている。
その中で花魁となる、きよ葉を中心にストーリーが展開される。
土屋アンナを知らない私は、そのハーフ的表情から、なぜこの娘が主人公なの?と思いながら
観すすめたのだが、終わってから振り返れば、木村佳乃でもなく菅野美穂でもなく、
主人公は土屋でなければだめだったことがよくわかる。
椎名林檎の音楽も凄くいい。この映画にマッチしている。
監督、原作、脚本、音楽すべて女性であればこそ、この映画はできたのであろう。
年の若いオーディエンスには、「吉原」という言葉がもたらす、もっとドロドロしたものを
求めたり、あるいは逆にもっと斬新な吉原を求めたりするのかもしれない。
花魁となったきよ葉(日暮)に、「お前はまだなにもわかっちゃいない。
咲かぬ花などないのだよ」と粋なことをいって息を引き取る、
市川左圓次演ずるご隠居さんの方に年が近づいている私としては、
『げに恐ろしきは女なりぃ』--それを見事に描き出したこの作品に満足でありんす。
星無くしたいんですけど。 2007/8/1
これはひどいです。
蜷川さんは写真だけ撮っていてください。写真と映画は全くの別物です。
色彩美なんてどうでもいい。それ以前の問題。
原作モノではあるが、こういった題材で大事なのは何よりも芝居でしょ?ストーリーでしょ?主人公の生き様でしょ?まったく表現できていない。
まず、人物の動かし方がなってない。だから芝居が弱い。
なのに周りはケバケバしいド派手なセット。
その画面の不安定さから画に全く力が無い。
だから椎名林檎の劇中音楽も浮く。
小手先の映像だけで誤魔化すな。誤魔化せてないけれど。
何よりも許せないのはセックスシーン。
手を抜くな。
一番力を入れなきゃいけない所だろ。
本気でセックスしろよ。
この題材の肝だろうが、肝。どういう神経してるんだ。かっこつけるな。
蜷川実花、椎名林檎、安野モヨコという現代女性のカルチャーを代表する三人。
ケミストリーは完全に失敗。
蜷川さん、中途半端に映画に手を出すな。
あんたのオナニーに興味はない。
恥かくのはあんただぞ。
品性下劣な花魁と七光りカメラマンの○○ニーショー 2007/9/11
土屋アンナは花魁を「上等な娼婦」として理解していた
と思わざるをえない演技力(あれが演技と呼べるのかどうかはさておき)で
時代公証をまったく無視したまるでバンドのPVのような映像が観客を置き去りに進みます。
この長いPV(プロモーションヴィデオ、あるいはプライベートヴィデオ)を恥ずかしげもなく世界に
披露できたのはワールドワイドでネームバリューのある蜷川幸雄のおかげでしょう。
土屋アンナはモデルをしとくべきだし、
蜷川ムスメは写真を撮ればいい。
映画は本物の監督と俳優に任せましょう。
土屋アンナ 2007/9/2
何で彼女が主演かなと。芝居が出来ないくせに大女優気取り。最悪。自分以外のロックはロックじゃないって本気で思ってるらしい。兎に角最低の女優・ですね。
masterpiece 2007/5/11
最近、この映画ほど個性的な日本映画を見た覚えがありません。
蜷川監督の極彩色の使用にも関わらず、細やか過ぎるほどの描写が
どう見ても他の多くの日本映画を上回っています。
そこに加わる様々なジャンルで紡がれた音楽が、
もはや平凡な観客を寄せ付けまい、とする
心意気を感じさせます。
凡庸なドラマや凡庸な日本映画、旧態依然たる映画を望む人は
この映画を見ない方が良いかとは思うのですが、
それを置いても、土屋アンナ、菅野美穂等の存在感と希薄さが
ないまぜになった優れた演技技、
安藤政信の控えに控えた受け身の演技もまた他の日本映画に
見られない存在感を放っていました。
文句なしに近年、最も優れた日本映画の一つです。
三流の寄り集まり 2008/1/6
・・
まず、安野モヨコの原作自体が調査不足。タナダユキの脚本は推敲不足。カメラマンから転進した蜷川実花は自己流。土屋アンナはこれまた自己流で、女優と呼ぶにはレベル以下。一部の若者に受けても、多くの観客から見れば鼻持ちならないわがままさが、その目付きに滲んでいる。椎名林檎の曲は長谷川なにがしが絶賛するだけで、一般受けするモノではない。男女共同参画社会だから女性集団故に非難する気はないが、三流の寄り集まり。ケバイだけで、映画にもなっていない。もっと勉強して社会に出るべきだ。
日本発の江戸吉原モノはアヴァンギャルドな映像だった 2007/5/7
この一見チープとも取れる破天荒なアヴァンギャルドな映像は、椎名の音楽とともに実は抽象化された吉原の歓楽を見事に描き出していた。当時の吉原のテンションを現代の人間に伝えるにはやりすぎくらいがちょうどいい。非常に効果的に映った。吉原には粋はあっても格調なんかありはしない。誰一人自分が好きなキャストが出ていなかったが、全員に賛辞を送りたいと思った初めての映画だった。
女性の才能パワーが結集の惹句はウソじゃない 2007/7/19
・・
まず、衣装とかセットの美術、フラワーアレンジメントも含め強烈なインパクトのある映像。中島哲也監督の「嫌われ松子の一生」の映像もすごかったけど、この蜷川実花の映像も天才のひらめき。色と光の入念な処理も尋常ではない。写真家だからこそか映画の24コマを一枚一枚のスチル写真として仕上げたかのような作り。
音楽を担当した椎名林檎の多様なアレンジメントが、遊び心を加えるが、ジャズ、タンゴ、ある種のクラシックも入る多彩な音がミスマッチの良さと、彼女本来の楽曲では、さすが歌舞伎町を歌い上げていただけあって本作の吉原ワールドにピッタリ。
土屋アンナは、相変わらず滑舌が悪くセリフが聞き取りづらい部分はあるものの、ぶっ飛びスーパー遊女ぶりがピッタリはまる。
それより、登場場面はそれほど長くないが菅野美穂ーには正直驚いた。色っぽいし、芯の強さ意地悪さのなかに優しさを垣間見せる難しい役どころを存在感タップリに演じている。カワイイだけの女優を脱したね。
木村佳乃については特に感想はないけど、きつい感じの黄緑色が似合っていた。郭のしたたかな女将を演じる夏木マリも相変わらずの大迫力!!
男優はあまり登場しないけど、成宮寛貴は惣様っぽかった。(笑) あの笑うシーンは絶妙でした。安藤政信は役に恵まれた部分も大きいと思いますが、クールでカッコよかった。あと、永瀬正敏、小泉今日子の元夫婦(残念ながら共演シーンはない)など、豪華脇役陣も話題のひとつですが、忌野清志郎、大森南朋、ゴリなどもカメオ出演していたようなのですが、気がつきませんでした。DVDでこのあたりを確かめてみよう!!
原作漫画とは違うけど… 2007/8/21
漫画「さくらん」を既に読んでおり二刊目も待ち望む中での映画発表となりましたが、やはり映画となると制作上の時間の制限なのか、漫画どおりのセリフを発しているにも関わらずそれがイキイキと伝わって来なかったのが残念極まります。「間」が無いんですよね。
どうせなら原作漫画にとらわれず思い切った脚本を書いて欲しかったです。
キャスティングはまあイメージどおり。粧ひ!原作のイメージはもっと下品で意地悪でしたが、個人的に菅野美穂さんのファンなのでなおさら、彼女の悪女っぷりがもっと出たら良かったのにと思いました。木村佳乃さんの高尾もなかなか、強気で美しい。
でもやっぱり、三雲と高尾のエピソード両方を一人のキャラに詰め込むには無理があったのでは。
しかし、どんなに文句をつけようとも、映像美と椎名林檎さんの、女の魂を揺さぶる音楽とのマッチングには脱帽です。もともときらびやかな中にも哀しい女の性が表される女郎モノは好きなんですが、椎名さんの音楽を重ねることによって時代劇じゃなくなってます。この新鮮さに、より一層女郎そして女に生まれたすべての人(自分も含め)への哀愁を感じます。
最悪 2007/8/25
ここまで落ちたか時代劇。土屋アンナファンには申し訳ないが品のない女優だなぁ。と思いました。乱闘シーンが迫力あると評判があったがいざ見てみるとたいしたことないじゃないですか。陽暉楼で池上季実子と浅野温子の乱闘シーンの方がどれだけ迫力あったか。それに着物が全然慣れていないのが見え見え。歌舞伎見に行って勉強しろ。蜷川幸雄の娘が監督という事で期待したが期待はずれ。現代劇撮ったら。時代劇もここまで落ちたかと思う作品でした。あまりにくだらない作品なので見るの途中でやめました。
インパクトのある演出 2007/6/18
安野モヨコ原作の花魁の物語を、蜷川実花監督が豊かな色彩
感覚で描きます。
残念なのは、花魁を演ずる女優さんたちの多くに、着物の着こ
なし、歩き方、煙管の持ち方、台詞回しなどに、時代物の古風さ
が感じられなかったことです。時代劇の制作本数が激減している
昨今、演技者も演出者も時代劇離れが進み、和服を着る習慣も
減っているから、やむを得ないことではありますが。
菅野美穂が、気位が高く、勝気な粧ひを好演しました。
ご隠居役の市川左團次の飄々とした味わいが素晴らしい。
流石でした。
不満も書きましたが、スタッフ・キャストには、時代劇を、又、
作って欲しいです。細かいようですが、約束事を踏まえれば、
踏まえるほど、それだけ斬新な表現・演出もキラリと輝くもの
です。自分は、単純な好き嫌いの二元論では言い尽くせない、
豊かな魅力をこの映画に感じました。
蜷川監督の新作、見たいです。
少し見かけ倒し。 2007/7/2
確かに、映像美はすごいです。
でもその内容は、花魁映画としては意外と保守的で、「吉原炎上」などと基本的には変わりません。
先輩女郎の背中、叶わぬ恋、客との痴情の果ての情死、金持ち男性からの身請け話、など、個々のエピソードはよくあるパターンが多かったです。
土屋アンナの演技が、期待していたほど弾けてなかったのもやや物足りなかったかな。
もっとセリフが深いものであればよかったのかも。
映像美は秀逸、セリフは陳腐 2007/9/22
期待し過ぎたというのもあるのでしょうが、蜷川実花、椎名林檎、土屋アンナ、その他のキャストも好きな人ばかりだったので、がっかり感は否めません。
映像美・色彩美は容赦なく素晴らしいです。
俳優陣も絶妙です。
それ故、ストーリーやセリフの陳腐さ・野暮ったさが余計目についてしまいます。
原作が漫画という点を考慮しても、話を詰め込み過ぎでは。
動く写真を見てるようです。映画としてはテンポがなくて。
途中からだれてきます。
贔屓目で見ても辛い。
土屋アンナみたいに洗練された子に「粋、粋」言わせるのも、野暮というもの。上品な人が「アタシ上品でしょ」と自意識を露わにするかの様に鼻につきました。
ストーリーは敢えて省きます。吉原や花魁を題材にし使い古されたものが、蜷川色になっただけなので。
長く辛辣な感想になってしまいましたが、音楽も俳優も映像も良かったんです!
だからこそ監督の力不足が残念でした。
よかったです 2007/3/14
・・
原作とはちょっとイメージが違ったけと、さすが映画。豪華だし、キャストも盛りだくさん。夏木マリさんははまってる。湯婆婆とはまた違った凄みがある。木村佳乃さんは怖かったけど、女優魂を見せたかなと。私は土屋アンナさんはぴったりのキャスティングだと思いますね。きよ葉の性格が良く出ていたのではないかしら。見終わってからも目の奥に赤い色が離れない感じで、なかなかよく出来た映画だと思いました。吉原とか大奥とかって好きだなあ。女ってすごい生き物だと思っちゃう。
残念 2007/8/16
とても期待していた作品だっただけに残念でなりません。
毒々しいまでの色使いは途中で見ていて飽きてきます。
この映画は時代劇じゃあないんですよ 2007/9/1
この映画は、江戸吉原をモデルにしたファンタジー物という感覚の作品です。リアリティを求めるのであれば、あの衣装、セットデザイン、照明はあり得ないわけで、ましてや土屋アンナを主役なんて考えもしなかったでしょう。シリアスで生々しい描写も避けて、男女問わず気持ちよい映像を求めた。もちろん、女性好み監督好みに傾いていますけど。蜷川監督のセンスにはまらない人は見ない方がいいし、批評できないと思う。
なんかちょっと惜しい感じ 2007/3/2
・・
主演女優、土屋アンナの演技は、今一つ殻にこもっている感じがした。特にタンカに迫力がない。もっと爆発して欲しいものだ。他の演技、特に『泣き』の演技が素晴らしいだけに、もったいない。
舞台は吉原遊郭。色んな赤の出てくる画面は、華やかで綺麗。何度も出てくる、遊郭入口の門の上や、部屋の中の金魚達も、象徴的でいい。
絢爛豪華という意味では、ちょっと前に公開された、『大奥』の方が上だが。
もう一つの象徴は題名からも連想できる『さくら』であるが、淡いピンクは、ドギツイ赤に押され気味で、目立たない。
夏木マリと木村佳乃は怖かった。
ご隠居役の市川左團次(四代目)さんって、お茶目でかわいい。観る前は知らなかったので、最初、老けメイクした栗田貫一かと思ったけど。
ラストは、ああいう終わり方しかないのかな、とは思うけど、『最後の一葉』かよ!と、ツッコミたくなった。というか、心の中でツッコんでしまった。最後に繋がる伏線が弱いので、唐突な感じもするし。
縦書き横スクロールのエンドロールは、なるほど、日本らしくていいね。
星2つはなんか辛い評価かも知れないけど、好きか嫌いかと問われれば、好きな方に入る映画です。
映像は、綺麗ですが? 2007/3/24
蜷川実花さんの写真のファンで期待し過ぎてしまったのかもしれませんが、話しの内容が薄かったです。
それと、話しがぶつ切りになっている感じが凄くしました。
映像がとても好みだったのでかなり惜しい!
率直に言わせてもらうと 2007/3/7
頑張ってるなぁ、女優さん達…!です。
管野美穂も土屋アンナも木村佳乃もさらけ出しちゃってます…。
でも、生々しくないのは 女性監督の蜷川実花さんだから・
そうなると、安野モヨコさんのコミックとは少しズレがあるのかなと思いました。
色彩はピカイチです 2007/6/19
写真家の作品というだけあって映像は素晴らしいものを見せてくれる。
反面ストーリーはこのキャストにはもったいないほどのできばえ。
もう少し原作らしく、荒々しさがあってもいいのではと感じた。
監督のもつ描写と椎名林檎の音楽はとてもマッチしていた。こういった時代劇の見せ方も出来ると歓心はしたがやはりストーリーが暗いので万人向けではないかな。
各女優のカラミのシーンも前評判ほどでもなかった。
それでも花魁になるまでのつらさ、好きでもない異性と情を交わさなければいけないということがどういったものかということは伝わってきた。
ラストの菜の花畑と桜並木のシーンは見ていて晴れ晴れしく、やっぱり写真家らしいラストだなと感じた。
異世界へようこそ! 2007/6/20
例えれば「スワロウテイル」。
スワロウテイルの世界が日本のパラレルワールド的世界観を感じさせたように、さくらんの世界は江戸吉原であるようでいて江戸吉原で有り得ない世界。
言うなれば「鏡の中の吉原」であり、異世界好みの自分にはサイコーの作品でした。
役者・美術・音楽の全てがひとつの世界をバランスよく構築していて、心地よく入り込む事が出来ました。
蜷川幸雄の芝居の舞台をスクリーンに移したような感覚。
インパクトが強いので好き嫌いは分かれるようですが、感性が合う方なら事ウケアイです。^^
あか。 2007/7/27
原作を読んでいたので映画化の話を聞いて興味を持ち、劇場へ足を運んだ。
主役「きよ葉(後に日暮)・を演じている土屋アンナを始め、俳優陣は素晴らしいと思う。
先輩花魁の粧ひ(菅野美穂)、高尾(木村佳乃)は本当に迫力的で、女である事を見せ付けた気がします。
タイプの違う、一流の女達。それにゾクリとしました。
また惣次郎(成宮寛貴)は原作から抜け出てきたのか?と思う程、違和感が無かった。
実は惣次郎役の俳優さんが誰なのか、後で成宮氏と認識したのですが…他作品でも彼を注目していたので、嬉しかったです。
日本的な極色彩の映像。特に前半はそんな印象に慣れなかった。話的に重要な「さくら・がどうも目立たない。
椎名林檎の音楽も、時々耳障りだと思うこともあったが、彼女らしい音楽だったと思う。
しかし全体として原作の雰囲気とはどうも違う。それが大きな違和感として最後まで残った。
江戸風俗の作品として捉えるのではなく、漫画原作の映画として捉えるのでもなく。
波長の合う人・合わない人はハッキリ分かれそうですけれど、映像美を追求した作品と考えて、オススメしたいです。
動く蜷川実花写真 2007/8/4
花魁、登場する着物、女郎部屋のインテリア、床の間に飾られた美しき花々…ストーリーよりもこちらの方に目を奪われる。
見ているだけでうっとり、恍惚します。
写真の色彩感覚をそのまま映画に持ち込んだな、という感じ。
花魁が着ている着物の中には蜷川実花の写真をプリントして作ったものもあるそうで。
映画の前半部分は、ほぼ原作の漫画と同じ。
原作が未完なので、後半部分はどうするんだと思ったが、上手いカタチにまとめましたな。
このラストなら、大半の観客は満足できるでしょう、みたいな。
後半で高野屋のご隠居がいい味を出しています、これは脚本家のセリフが良かったと思う。
蜷川実花の写真が好きな人なら、ストーリーに満足できなくても、映像を見ているだけで楽しめるのではないでしょうか。