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活動写真の金字塔 2007/12/8
[収録内容]
『雄呂血』二川文太郎監督、1925年阪妻プロ製作、収録時間73分50秒 マツダフィルム所蔵
『逆流』二川文太郎監督、1924年東亜等持院製作、収録時間28分04秒 マツダフィルム 所蔵
特典『佐藤忠男 阪東妻三郎を語る』収録時間は15分30秒(字幕は英中韓3ヶ国語で表示可能)
特典『翠のひとこと』収録時間は2分21秒(英語字幕のみ表示可能)
『雄呂血』活弁は松田春翠翁と澤登翠氏の2種、活弁字幕は澤登版のみを日英中韓の4ヶ国語で表示可能
『逆流』活弁は澤登翠氏の1種のみ、活弁字幕は日英中韓の4ヶ国語で表示可能
活弁、字幕をそれぞれ1種ずつ選択可能。ただ字幕なしは可能だが活弁なしは不可
(注)例えば「雄呂血」なら松田春翠翁の活弁を聞きながら澤登翠氏の活弁英語字幕を付けて見ることも可能。片面一層。
[感想]
なぜこのDVDソフトは片面一層仕様なんでしょうか。
同シリーズの「瀧の白糸」の収録時間は約140分で片面二層(容量8.5GB)。このDVDは約120分で片面一層(容量4.7GB)。なぜ一層なのか。
解説映像なんか別にいらないと思います。挿入される紹介映像だって収録されている二作品しか出ない以上、解説なんて見開きのチラシにでも文章を載せておけばいいではないですか。
片面一層なら無駄な特典映像などは全て省いて本編の圧縮率を上げてほしかった。
ブルーレイDVDソフト(片面一層25GB)が4000円くらいで出ている一方で、片面一層の版権切れの廉価DVDがで千円や500円で出ている(「風と共に去りぬ」などは500円で片面二層)。
こういう時代に正規版に5000円出しているのに片面一層はどうかと思います。 先行販売された同シリーズのものが片面二層なわけですから、これはコスト代ケチったなと思われてもしようがない。
ここでも二種の活弁が収録されていますが、松田春翠翁が澤登翠氏のおまけの扱いになってるのも困ります。
「瀧の白糸」では春翠翁の活弁にも字幕をつけられたのに、これは澤登氏の活弁にしか字幕をつけられません。
あと活弁をなしに出来る仕様があるともっとよかったです。
サイレントとして環境音楽だけで映画を楽しむという選択肢があってもよかった。活弁がいらないときは完全な消音で見ないといけませんから。
仕様はともかく、本編の映像は1920年代の映画にしてはわりとクリアーです。
大雨(傷)はよく降りますが(特に逆流)、元の保存状態がいいのか画面自体は「瀧の白糸」(1933年)よりも濁りがなくて見やすい。
「逆流」は途中に黄、赤、青の着色シーンがありますが、「雄呂血」は全編白黒映像。
いろいろソフト仕様も気になりますが、日本映画のあけぼのとも言うべき「雄呂血」に加えてそのモデルになった「逆流」を一本に収めたという点、春翠翁の活弁で見られるという点で星五つにしておきます(ただ、物語自体は非常に陳腐なもので、溝口作品と比べると作家性が希薄なのは事実)。
なんと言っても23あたりの阪妻の画面を占有する存在感が凄い。スターとか役者というものは本当はこういう人のことを言うんだなと分かりました。現在にも通じる目鼻立ちのくっきりしたジャニーズ系(失礼)のワルい雰囲気の美男でありながら、映ったときの存在の説得力がケタ違いに激烈。
「雄呂血」は老母が馬に轢かれるところも実際に蹴られているくらいのギリギリ、実際に倒れている男を大勢で踏んづけて走っていったり(笑)、ラストのチャンバラなんか本物の瓦を上から投げたり、大人数とのいろんな武器を使った四方八方からの殺陣を、よくもああひっきりなしに対応しながらやれるな~と脱帽するよりほかにないし、自分の身長の倍の高さから実際に阪妻が飛び降りて地面に着地するとか正真正銘体を張っている作品です。この映画幼年期ならではの天衣無縫さと爽快感は人権だの技術だのが発達した時代にはありえません。
逃げ回り、追い回し、人々の蛇がうごめくような動物的な動きが強く印象に残ります。
演出でも岡っ引とのチャンバラ多人数掛けの俯瞰移動撮影や捕らえられるときの岡っ引の面々を現在のサブリミナル効果のような短いカットで繋いだりと興味深い。
反骨の詩、この「雄呂血」を見ずして日本のチャンバラ映画、活劇は語れないでしょう。
また正月に家族揃って大昔の映画を見るという催しにもいいのではないでしょうか。
この映画に限らずTalking Silentsシリーズ全般に言えることですが、日本独自に発展した活弁というものを外国人に紹介する意味でも外国語活弁字幕を付けるという試みは面白いし、プレゼントにいいかもしれません。
今後は伊藤大輔「忠治旅日記」「斬人斬馬剣」「長恨」やマキノ雅弘「浪人街」など、サイレントの断片を集めたものを是非ソフト化してもらいたいものです。
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感動しました 2007/12/4
初めて無声映画を観ました。活動弁士のナレーションもすばらしくて、これから他の無声映画も観てみようと思います。