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不遇の傑作 2007/6/20
この映画を封切る時、製作者は非常に姑息なことを考えました。
3時間を越える一本の大作を公開するより、1時間半の二本の映画にしたほうが興行収入も倍になるだろう、と。
ところがもともとが一本の映画として撮られた映画を無理やり前後編に分けたのですから、映画としては無理が出てしまいました。
監督のリチャード・レスターはもともと若者映画が得意。
この映画も何にも考えていなかった田舎出の若者が、大人たちの陰謀策術に巻き込まれているうちに人生の苦味を知り大人に成長していくという内容。
そのため、前編の「三銃士」はやたらと軽い若者の馬鹿騒ぎだけしか描かれず、批評も芳しいものではありませんでした。
そのため後編の「四銃士・はたいして話題にもならずにポシャリました。
けれども二本まとめてみるとこの映画大傑作です。
特に大人側の代表チャールトン・ヘストンとフェイ・ダナウェイが素晴らしいです。
実在の人物リシュリュー枢機卿に扮するチャールトン・ヘストンは貫禄の一言でしょう。
王や王妃をチェスの駒のように操る悪徳政治家ですが、単なる悪役として演じていず、実に魅力溢れる役作りです。
でもそれを上回るほどの出来なのが、フェイ・ダナウェイ扮するミラディです。
男達を次から次へと手玉に取り、嘘や涙は使い放題、いざとなればカンザシを手にして立ち回りを演じます。
悪女とはかくありたい。そんな役を見事な色気と風格さえ感じさせる演技で観客を魅了してくれます。
この映画への不満は、
1、音楽の作曲家が「三銃士」と「四銃士」では違う人に代えられていること。
「三銃士」のミシェル・ルグランの音楽が良かっただけに後編は何か違和感があります。
2、世紀の美女アン王妃を猿みたいなジェラルディン・チャップリンが演じていること。
英仏戦争が起こった原因のひとつがこの人というほどの美女の役なのに彼女ではあんまりです。
台詞も少ない役ですから、ここは新人でももっと美女を使うべきでした。
けれども大傑作だと思いますので、ぜひ「三銃士」「四銃士」のセットでご覧になってください。
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レスターの脂の乗った演出で面白い趣向の古典の映画化 2007/8/25
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あまりにも有名な原作の映画化は、その多彩な登場人物の多さから、日本で言えば「忠臣蔵」のようにオールスターキャストが組みやすい。今回の映画化でも大御所チャールトン・ヘストン、フェイ・ダナウェイから、中堅のクリストファー・リー、オリバー・リード、リチャード・チェンバレン、若手のマイケル・ヨーク、ラクエル。ウェルチ(若手ではないか)まで多士済々。一見、ドタバタコメディのようだが、やたら剣が重そうで実はリアルなチャンバラシーンなど当時、もっとも脂の乗っていたリチャード・レスター監督の才気走った演出が光ります。原作を読んでいれば少しおふざけが過ぎるかなとも思われるでしょうか、何回も映画化されている古典ですからたまには変わった趣向の作品があってもよいのではないでしょうか。最後が突然、終わってしまいますが続きは「四銃士」でどうぞ。
内容とは関係ありませんが、ジャケットの表紙の三銃士の写真の左から三番目がリチャード・チェンバレンでなく(おそらく)サイモン・ウォードになってるんですけど・・・・。