腐海(ふかい)と呼ばれる毒の森とそこに棲む蟲(むし)たちに支配された世界。辺境の王国・風の谷には、自然を愛で、蟲とすら心を通わせる少女ナウシカがいた。腐海を焼き蟲を滅ぼそうとする大国の争いに巻き込まれながらもナウシカは、人を愛するのと同様に蟲たちをも愛そうとする…。
アニメ誌に連載していた自らの漫画を原作に、宮崎駿が監督を務めた劇場用長編アニメ。母の優しさと獣の荒々しさを兼ね備えたヒロイン、おぞましくもどこかしら哀しさを感じさせる蟲という存在、あるときは風に乗りあるときは雲を割いて空を駆ける飛行機械など、それまでの宮崎作品の集大成にしてその後の原点と呼べるような1本だ。音楽を久石譲が手がけて「宮崎×久石」の黄金コンビが生まれるきっかけともなったが、そのテーマ曲も美しいことこの上ない。
巨大な王蟲(オーム)の群れが暴走するクライマックス、そしてナウシカの純粋な魂が胸を締めつけるラストシーンは圧巻。日本のアニメ史上にさん然たる金字塔をうちたてた作品である。(安川正吾)
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより) 宮崎駿の劇場監督第2作。「火の7日間」といわれる最終戦争で壊滅した近未来を舞台に、風の谷の王妃・ナウシカが、谷を守るため、人々が忌み嫌う王蟲(オーム)と心を通わせ、トルメキア王国の陰謀に立ち向かう姿を描く。通常版。
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宮崎監督の地位を固めた一作 2002/3/26
宮崎監督は,この作品で社会的評価を高め,この後も多くの作品を作っていき,その美術の質などは限りなく高くなっていきます.今から見ると,ナウシカは技術的には色褪せている面が多く見られます.原作と比べても,原作の途中をぶった切ったような中途半端な印象も受けますし.
さて,皆さんは正直言って最近の宮崎監督の作品は売れていても本当に面白いと思われますか?私には過去の作品を知っているゆえに悲しさを覚えさせるものが多いです.上で技術的には~と書きましたが,このナウシカには,そういうものを全て吹き飛ばす輝きがあります.まだ,年をそれほどとっていなかった,その代わりそれほど社会的に有名でもなかった宮崎監督の珠玉の作品です.もののけ姫も良いかもしれない,千と千尋も良いかも知れない.ですが,これらの作品がごちゃごちゃとした装飾を付けて重たく見えるが故に,これらの作品で宮崎監督を知った新しいファンの方々にも素朴なこのナウシカを見て,そこにある新鮮な輝きを見て欲しいし,宮崎監督本人にも,この頃持っていたものを取り戻して欲しいと思っています.風を感じられたら楽しいだろうな.メーヴェで飛んでみたいな.風の谷に住んでみたいな.そんな感じに率直に思える.そういうものが良い作品なんだと思います.
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モノラル 2003/11/11
モノラル, 2003/11/11 お客様
私自身風の谷のナウシカのDVD化は
非常に待ち望んでいたタイトルである。
いまさらナウシカの内容について語る必要もないだろう。
私ががっかりするのは音声についてである。 オリジナルがそうであるから仕方ないのかもしれないが、
音声がモノラルとは一体どういうことなのかと。 伝説のアニメ映画だと思う。
出せば売れる売り手市場だとも思う。 ただだからといって、DVDでモノラル音声のまま製品化してしまう
ブエナビスタの商売のスタイルが気に入らない。 大した問題でないかもしれないが、
購入されてがっかりする方のためにも一言言っておきたかった。
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もうひとつのナウシカを知らない人へ 2003/3/15
知らない人がいるかもしれない。何も知らない人は本屋で風の谷のナウシカの本を見ても映画のマンガ化だと思うでしょう。しかし、それは違います。映画とまったく違います。ここで多くのことを書くとネタバレになってしまうので多くのことは言いませんが原作のナウシカは宮崎駿が17年間をかけて作った大作です。映画のナウシカは全7巻中2巻目を書いていた頃にに作られたものです。だったら、マンガのナウシカは映画の続編なのかと云うとそれは違います。マンガのナウシカと映画のナウシカは違う。もちろん映画に出ていた登場人物ナウシカもユパもクシャナもアスベルも全員出てきますし役柄も同じです。でも違う。だけれどもどちらもすごくいい作品です。どちらも良くまとまっています。そこが宮崎駿のすごさだと思います。だから映画のナウシカしか知らない人はぜひぜひ見てください。映画とはまったく違う腐海の本当の意味が分かるはずです。
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10年前に見えなかったこと 2003/4/1
「千と千尋」がアカデミー賞を取ったようで、あっちを見てちょっと「あれ?これが宮崎ワールド?」みたいな不満を感じたので、これを見直して改めてこの作品の素晴らしさを感じました。大袈裟に言うと、あれでアカデミー賞ならこれだったらきっとノーベル平和賞でももらえるんじゃないかと思う程です。
勝手に思っているだけですけど、「自国の正義を力で他国に押し付ける」トルメキア、「傀儡にされるより誇り高い死を選ぶ」という某アラブ系民族を意識したようなペジテのキャラクターとか、見ていて心が「キュ~」っと締め付けられる思いです。全世界でこれをガンガン放送したらウケると思うんですけど…。リメイクしてトルメキアの正義などのバックグラウンドも書けば、もっと奥の深い話になるような気がします。 子供の目からしたら「ナウシカ&風の谷=いい者」「トルメキア=悪者」かもしれませんけど、そうじゃないですよね?全ての人間は(こんな世界にしてしまった過去の人類も)「生きる」ために一生懸命した結果なんだって事。クシャナの「生きるために腐海を焼き払って、何が悪い!」と言う台詞が、心に突き刺さります。(ちょっとテーマがもののけ姫に似てますが、根底に流れているものは同じだと思います)
今こうしいる間にも、熱帯雨林は伐採され、砂漠は確実に生物の住処を侵食しています。それでも人類は戦争をやめず、企業は毒を流し続けます。そういう時代にこの映画を家族で見て、私たちはこれからどうやって生きるべきか、などということを話し合ってみるのも、いいかと思います。 あと補足ですが、どうもこう書くと堅苦しくて説教臭いアニメのようですが、そんなことありません。メーヴェで空を舞うナウシカ、それにあわせるように盛り上がるサウンド、巨神兵の恐ろしい破壊力などなど、魅せる要素も満載です。
ぜひぜひ、是非見てくださいな。
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次世代へ伝えるべき傑作。 2003/10/27
この作品の主題はエコロジーである。
だが、いわゆるエコロジストの様な浅い悲嘆ではなく、
それよりも二重、三重に思考を深めたエコロジーだ。
「自然を大切に」の様な単純明快な話なら誰でも描けるし、人を簡単に感動させられる。
だが宮崎駿氏は、そんなエコロジーを皮肉るように「風の谷のナウシカ」の原作を仕上げている。 「腐海が実は世界を浄化している」のだという部分では、
そういう「自然を大切に」的な展開を予想していたが、
原作でナウシカが旅の果てに見たものは、腐海によっていつか世界が浄化され尽くした時、
人類の肉体はその清浄さに耐え切れないのではないか、という皮肉だった。 人間は環境汚染にあわせて、実際は肉体そのものを作り変えているのではないか・ これは簡単に回答できない重く深いメッセージだ。 ナウシカはそれでも自然と共に生きることを決める。
この辺りの彼女の苦悩こそが、この作品の、そして作者の作品総てに通じるテーマだと思う。 自然破壊という業を背負いながら、自然と共生するという考えは、
環境問題に関して最もリアリティある回答ではないか、と思う。 両極端に行くことなく、その善い意味での曖昧さというのは、
別の視点からは卑怯にも映るが、この世界に生きる以上、
当然な結論と言える。 人間が自然の側に立つことなど出来ない筈であるし、
人間側の理屈だけで考えるべきではない。 それが、
ナウシカの言う「いたわりと友愛」の精神なのだろう。 原作で墓の主がナウシカにこのようなセリフを言う。
「お前は危険な闇だ