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静かなる映画 2006/8/31
本作品のこれまで・・・化されてきたものとの比較ですが、いずれも・・・・・・・・・は変わらず、輪郭・色調・明暗がかなり異なっています。個人的には最初の80年代のSONYのVC/LD版も捨てがたいのですが、新版に慣れると画面が暗いかも…。90年代に出たLD-BOX版は輪郭はかなり鮮明になったものの逆に明るすぎる印象を受けました。初のDVD化となったCinefil版は基本的にはLD-BOX版と同じだと思いますが、字幕のon/offの切替が出来ない点と・・・・の・・・・・・が満足度としては今一つでした。今回の最新版DVDは、まず・・・・がなかなか良いし、画質・音声は最高ですし、特典も納得できる内容であり、本作品を家庭で鑑賞するには最高の・・・・・・と言えます。個人的には80年代・・・・映画の・・・・3の一本でもあり、今回の・・・・は大歓迎です。
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トラビス 2006/6/13
トラビスの生き方は決して憧れるようなものではない。彼は人に対する「思いやり・愛情」の欠落した人間だ。なぜなら、彼は両親から愛されずに育ったため、愛され方・愛し方がわからないからだ。それゆえ、幸せな状況を「居心地の悪いもの」と受け止めてしまい、そこから常に逃れる生き方をしている。
彼は自分の愛した女、育てるべき子供に対して「大人・親としての使命」というものを果たそうとしない。彼はピーターパンだ。こういった男はそもそも結婚するべきではないし、子供を作るべきでもない。
トラビスは自己満足のために妻と結婚し、エゴが満たせなくなると妻を邪険にした。その結果、妻だけではなく息子をも不幸にした。弟の大きなお世話により、意図せず息子と再会、行き当たり上、妻を捜すことになるが、それは所詮、息子をモノ扱いし、そのモノを持て余すが故、押し付ける誰かを見つけようとしたに過ぎない。
トラビスは、自分の弱さに対峙し、「自分が女々しい奴だ」という事実を認め、だがそれを乗り越えて「真の男」になることを、結局は諦めた「負け犬」である。妻も息子もこんな男と暮らしていてはいつまで経っても幸せになれないから、二人で生きたほうがかえって幸せである。「息子と妻のことを想って行動しているフリをして、その実、自分の得しか考えていない」トラビスの考え方、生き方には私はまったく共鳴しない。
だが、私は'Paris, Texas'の広大な青い空とそこに浮かぶ白い雲の素晴らしい映像、その感動をいつまでも覚えていた。アメリカを車で旅をする生き方に憧れを抱いた。10年後、私はアメリカに移住し、'Paris, Texas'を訪れた。それから更に8年後、私はアメリカ人になった。今でも私はトラビスのような男は友達にしたくない。なぜなら彼は、私も確実に持っている「男の情けなさ」を私の前に晒してくれるからだ。
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真摯で、痛切で、深遠な“愛”の神話。スタッフ&キャストとも完璧な映画史に残る傑作。 2006/8/20
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言うまでもなく、ロード・ムービーの先駆者ヴィム・ヴェンダースの最高傑作にして、映画史に永遠に語り継がれるべき傑作。既存のBOX集からの待望の単品セールスだ。4年もの間、何かに取り憑かれたごとく荒野を彷徨し続けた中年男トラヴィス。行き倒れ状態で病院に担ぎ込まれた男は、何事にも答えず、唯一持参していたのは、1枚の古びたポラロイド写真、即ち、自己のアイデンティティと愛の原点であるパリ、テキサスの風景写真だけだった、、、。果てしなく続く西部の荒涼で乾いた原風景が、“かけがえのないもの”を失い、魂が空洞化してしまった主人公の心象を表している。以下、トラヴィスが弟夫婦に引き取られている我が子と再会、確執と和解の後、別れた妻を捜しに行く、ただそれだけの物語であるにも拘らず、146分間一分の隙もなく、ストイックかつエモーショナルな雰囲気に心底酔わされる。観る者全てが一度観たら決して忘れられない、それまで寡黙であったトラヴィスが一転赤裸々に心情を吐露するマジック・ミラー越しの妻とのモノローグは、サスペンスと苛酷さを持ち併せつつ、かって、これほど“痛切”で“深遠”な“愛”の告白があったであろうか、と思わせる名シーンだ。70年代、コッポラ、ペキンパー、ミリアスら名監督に重宝がられたハリー・ディーン・スタントンの初主演にして圧倒的な名演と、最も美しかった頃のナスターシャ・キンスキーの2人の、セリフを極力拝した中での表情だけの感情表現が素晴らしい。特典のトラヴィスのかけがえのない至福の瞬間を切り取った8mmホーム・ムーヴィーは必見もの。脚本は俳優でもある作家のサム・シェパード(「ライト・スタッフ」!)、音楽はライ・クーダー(「ストリート・オブ・ファイヤー」!)とスタッフも超クール。
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正統なる愛の記憶。 2006/8/18
トラビスが探す答えは何処にあるだろう? 孤独を知る者は黙りこむことを余儀なくされ、自分の探す答えを誰
かに求めたりはしない。答えは出ていようと折り合いをつけることが問題だから、悔恨に塗り込められた過去の
時間の中を見つからない反証を求め歩き続ける。人はいつだって孤独だが、それでも寂しさの度合は時によって
異なる。(自分の経験では)孤独を持て余すほど人はよく歩く。劇中の8ミリ映画に映し撮られていた幸福と、
砂漠の中を歩き続けている冒頭のトラビスを隔てたものが何であったのかを映画は描いている。トラビスとジェ
ーンの心がすれ違っていった経緯がやがて示される。ミラー越しの告白。それはトラビスの視点から。さらには
ジェーンの視点から。トラビスが求めた幻影、掴めない心を探し続けたジェーン。互いの一方通行な関係を象徴
するように、マジックミラーが二人を隔てる。愛と人間の関係はひどくイビツで、愛し合う者同士さえ幸せには
なれない。哀しいがそういうケースはある。愛は愛しすぎれば壊れてしまう。
観客の気を引くために子供をただ子供らしく描くことをヴェンダースはしていない。ハンターは聡明な魂を身の
内に宿し、子供らしさのうちにもトラビス自身に啓示をもたらす深い洞察を示す者としても描かれている。その
必要があるのは、幼心に彼がトラビスとジェーンの心を傍らで感受してきたと観客に示すため、即ち8ミリ映画
の中に封印された時間がハンターの心のルーツとしてあり、答えを探す旅を続けたのは何もトラビスやジェーン
ばかりではない。ボイスレコードを聞くハンターの心は意味を知るよりも直感で父を理解するだろう。幼い魂が
おぼろにせよ真実を嗅ぎ取る。その事実の中にトラビスの求めるべき反証は示されている。過誤の多い愛に残さ
れた希望は脈づいている。過ちを繰り返すことを恐れトラビスは去った。しかし彼はもう答えを見つけている。
5
はにかみやさん 2006/6/28
この映画の切ない想いに満ちたマジックミラー越しの告白は、
ナスターシャ・キンスキーの美しさとあいまって何年経っても色褪せない素晴らしいシーンですが、
「ヴェンダースって、多分面と向かっては女性を口説けない奴なんだろなー」なんて勝手に想像してます。
男女の会話が妙に空々しいというか不自然、この作品に限らず一番重要な場面の会話が
日常会話にならなくてモノローグめいた言葉の応酬になってしまいがちなのは、
なんか男子校の生徒みたいというかなんというか・・・。
好きな女の子に入れ込み過ぎ、過剰に思い入れや自問を繰り返し過ぎた結果、
生身の存在ではなく自分の心に構成してしまった架空の人格を相手にしてしまい、
気が付いたら独りで空回って突っ走り、後から振り返ると顔か火が出るようなお手紙なんぞを渡してしまい、
自爆してしまった経験って、ありませんか?あ、無いですか、ならいいです。
でもなんかこの監督さんの映画って、自分のすごーく青くてイタイ思い出抜きに見れないのれす。
6
過ちと愛の再生 2006/9/6
この映画の評判の高さは前から私は知っていたが、『パリ、テキサス』のDVDはもはやプレミア状態で、再販の可能性は諦めていたが、何と今回再販されることになり即購入をした。
もはや、傑作という言葉以外に何が思いつくのだろうと思った。脚本、撮影、音楽、キャスト、監督…そのすべてがあまりにも完璧にマッチし過ぎと言わんばかりの作品だ!私は、正直この主人公のトラビスという男の人生はめちゃくちゃだとは思うが、息子への真摯な愛情が息子の心を動かし、そして妻への過去の過ちを語りかけるシーンは私の中の映画史に残るベストシーンになった。そして、トラビスは自分なりの“再生”を終えて、また旅に出るのである…
あと、ヴェンダースという監督はつくづく静かな描写の中に、深いメッセージが込められている作品を撮るのが巧いと思った。
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石鹸のCMでしか知らなかったナスターシャ 2007/1/12
20年近く前に、「今まで観た映画ベスト10」というのを友人20人くらいでやったことがある。映画を良く観るヤツ、観ないヤツ、邦画好きなヤツ、洋画好きなヤツ、それはいろいろでとても面白かった。その時のオイラのナンバーワンが「パリ・テキサス」。20年経ったいまでも不動の1位である。
哀愁のトラヴィスに泣け!
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音楽も映像も、当時衝撃を受けました。 2007/5/16
この映画を観に行き、なんて不思議な映画があるのだと驚いたほどです。音楽にあわせて、何もない砂漠が映し出される。その中に「パリ」がある。なんとも不思議です。
離ればなれになった息子に出会い、道路を挟んで大股で一緒に歩くシーンに、涙が出ました。そして一緒に妻を捜す旅に出ますが・・・
ベンダースならでは出来る作品なんだと思います。
9
渋い映画 2006/10/30
音楽と映像がこれほどマッチした映画もめずらしい。ストーリーもえらい渋いし。人生、何もかも捨てて放浪して蒸発したくなる時もあるでしょうなー。残された物はたまったもんじゃないけど。男泣き映画ですね。
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やっぱり名作★★ 2007/7/30
期待を裏切らない名作です。
主人公はもちろん登場人物が不器用だったり、うまく言葉にできないような感情を持っていたり、感情を取り繕ったり、とても人間らしくて好きです。主人公は他の映画や小説に出てくる主人公より魅力的ではないけど、この作品の魅力はそんなことではなく彼を取り巻く人々との関係が、観ている私たちにいろいろな感情を沸かせます。ライクーダーの音楽もテキサスの砂漠と登場人物の抱く言いようのない感情によくあっていて最高です。