人間には強い面ばかりでなく弱い面もあり、両方を持っていてこそ人間なのだという点に目を向けた映画には最近なかなかお目にかかれなくなった。メディア関連の巨大複合企業に買収されたスポーツ誌の営業担当重役ダン・フォアマン(『オールド・ルーキー』のデニス・クエイド)は、自分の年齢の半分のやり手重役カーター・デュリエ(『アイドルとデートする方法』のトファー・グレイス)の部下となる。カーターは結婚生活が破綻したばかりだった。ある夜カーターは寂しさを紛らわすためにダンの家へ行き、ダンの娘アレックス(『ロスト・イン・トランスレーション』のスカーレット・ヨハンソン)と出会う。2人はすぐに意識しあい、のちに街でばったり出くわしたのをきっかけに付き合い始めるが、ダンには知られないよう慎重にふるまう。だが本作の核心は2人の恋の行方にあるのではなく、妻の妊娠を知ったときのダンの反応や、新車で自分のイメージを強化しようとするカーターの姿にある。まじめな話、キャストはこういったシーンの深層に分け入って、登場人物の心模様を表現している。クエイドは単純な男、ダンを演じているが、その率直さはクエイド自身の持ち味でもある(脚本家の想像力が乏しいのではない)。グレイスとヨハンソンはとても仲のよい恋人を演じており、クエイドとグレイスもライバルであると同時にヨハンソンをはさんで父親と息子のようになる関係をうまく演じている。本作は映画祭で賞を取るような作品ではないが、まじめですばらしい作品であり、登場人物はとても写実的に描かれていて、抱えている問題も都合よく片づいたりはしない。たまには観てもよいと思える作品である。(BRET FETZER, AMAZON.COM)
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより) デニス・クエイドとスカーレット・ヨハンソンが父娘役を演じたコメディ。勤める会社が大手企業に吸収合併されたダンの新しい上司は、年下の若者・カーター。しかも、ダンは彼が自分の愛娘と付き合い始めた事実を知り…。