1
ご覧になってみてください。 2007/11/12
映画館で観ました。
満たされないもの同士の不倫、元受刑者に対する地域住民の過剰ともいえる反応、
ストーリーはどろどろしています。
R15指定だけあって、かなり激しい映像も…。
でも、ただのメロ(エロ?)ドラマじゃありません。
心にズシッときたということでは、今年観た映画の中でも上位に入ります。
そして、衝撃的なラスト!涙がとまりませんでした。
苦手だった、ケイト・ウィンスレットが嫌いでなくなりました。
高貴な婦人役に定評があるみたいですが、
意外に、このような普通の主婦役が(厳密に言えば不倫している主婦は
普通ではないでしょうが)、彼女には似合っていました。
そして、ジャッキー・アール・ヘイリー(オリジナルの「がんばれ!ベアーズ」の
バイク乗りまわしていた不良少年役でした)、
彼演ずる元受刑者のエピソードにはグッときます。
主たるエピソードより、私は引き込まれました。
群像劇っていうんですか、「クラッシュ」のような構成です。
ハッピーエンド、めでたし、めでたし…っていう映画ではもちろんありませんが、
この映画には、救いがありました。
やっぱり、ハッピーエンドっていうのかもしれません。
2
普通の不倫物語に終わらない 2007/11/20
・・
郊外の住宅地を舞台に、いい年して今の自分を受け入れられず別の人生を夢見てしまう大人になりきれない大人たちの哀しい人間模様を、同情と共感を込めつつもシニカルに綴ります。特に、プール周辺にいる、サラやブラッドとその子供たちの様々な光景を、流れるようなカメラワークでひとつの空間のなかで写しだすシークエンスが素晴らしかった。
ワクワク感があった時代の、心の忘れ物をとりもどそうとする大人たち。サラ(演じるケイト・ウィンスレットは、豊満な肉体をドンとさらし、まさに存在感満点)は、主婦という窮屈で絶望的なヨロイを脱ぎ捨て、新しい女として旅立とうする。サラの不倫相手ブラッドも、学生時代断念したアメフトを始め、不倫にも似たよううなワクワク感を感じる。
題名どおり小さな子供のような大人たちの物語なのですが、ただの不倫話に終わりそうなストーリーに幼児性犯罪者ロニー(J・E・ヘンリーが年食ったなぁ)とその年老いた母、過去を引きずる元警官が絡んで作品に奥行きを生み出しています。彼もまた、子供である。汚れた人生のなかで母の思いを感じる罪深き男。終盤の自分を責める彼の心情も哀しい...。
ところで、ロニー役のジャッキー・アール・ヘイリーは、「がんばれ、ベアーズ!」の不良少年役で一世を風靡したが、93年から2001年まで、俳優の仕事がなく、ピザ配送や運転手で喰いつないできたそうだ。それが本作でカムバックの機会を得て本当によかっったね。熱演でした。
ラストは、各登場人物の最後の行動に違和感を覚える部分もありますが、まぁ、このラストで良かったかな。
3
誰に何を求めるのか… 2007/12/31
自分の夢や希望を持ちながらも、一歩踏み出せずにいた男と女。悲日常的な恋愛に身を焦がしながらも、最後には現実世界に戻ってしまう主役二人の話より、サイドストーリーの方が興味深かったです。こっちの方で、一本作品が作れるんじゃないかと思いました。
幼児性愛者の出所により、周りの人々の不安が、集団心理によって過剰なまでの反応になってしまう恐ろしさ。
危険人物とされる当該者とその家族の抱える切なさ。
二つの思いが絡まって、悲劇が更に悲劇を招いてしまう…。
何だか悲しいお話でした。
4
倦怠期の乗り越え方 2008/1/23
結婚して何年か経過すると、どんな理想的なカップルであっても、必ず倦怠期が訪れます。この倦怠期を、多くの作家が小説に書き、映画化されてきました。この倦怠期をどのようにして乗り越えるかは、古今東西を問わず、永遠のテーマになっています。この映画は、ごく自然な形で倦怠期の乗り越え方を示している点で秀作と思います。
「どんな理想的なカップルでも、必ず精神的な離婚と再婚を繰り返す。」とは、誰かの文章で読んだことがあります。不倫をするかどうかは、この映画のように、偶然と倦怠期が重なれば誰でも陥ってしまう罠の様な気がします。変化のない日常の繰り返しの時にこそ、罠にはまってしまうのでしょう。
しかし、そのままの日常が繰り返されると、罠から抜け出せなくなるかもしれません。この映画は、罠から抜け出せなくなりそうな不倫同士が、非日常的な出来事によって元の鞘に収まる物語です。
結婚の倦怠期を乗り越えるには、非日常的な出来事がないと、困難な時代になっているのかもしれません。
5
母親の愛 2008/1/15
・・
メインストーリーの裏側で進むもう一つのストーリー。そちらの方がよくできていると思います。
メインの方は、日常の生活から逃げたいと願う、大人になれない大人達の不倫の話なので、正直たいしたことはありません。子供を持ちながら、不倫に走る男女の話。救いようがありません。ケイト・ウィンスレットが体をはった演技を見せます。
しかし、もう一つのストーリーである、犯罪者の子を持ちながら、近隣の住民の嫌がらせにも屈することなく、わが子を守ろうとする母親の姿勢に感動。これこそ真の母親の姿だと。
救いようの無い展開が続きますが、ラストでは、一筋の光も見える。登場人物達のその後が知りたくなるような終わり方だったと思います。
ケイト・ウィンスレットには?でしたが、よく出来たストーリーだったと思います。
初回は、レンタルで十分ですが、特に倦怠期を迎えた夫婦にオススメです。
6
買いです。 2008/2/19
出演者や演出云々より、登場人物それぞれの周囲のひととの関わり方を描くことを通じて、見終わったあとに、なぜか「生きることは悲しいよ。でも、できることはやらなきゃいけないことなんだよ。」という歌の歌詞を思い出しました。
7
大人にしてくれるのは‥ 2008/3/16
この映画に出てくる大人になれない大人は、見た目は、ごく普通
で幸福に暮らしているように見える人達です。
彼らは、ヌイグルミも着てないし、過食症でもないし、アルコール中毒
でもありません。それでも、現実からほんのチョット逃避したい。
なにか、周囲の生活になじめない、よく考えれば、それって
結構ありがちなことに思えます。
たとえば、ピーターパン・シンドロームと思える主夫ブラッド・アダムソンは、
自立した美人の妻がいて、子育てをしながら司法試験の勉強をしていますが、
なぜか、身がはいらず、サラと不倫関係になります。
娘を連れて公園デビューするサラー(ケイト・ウィンスレット)
は、近所の子供と打ち解けない自分の子供を疎ましく思い、
自分の子供を愛せず、主婦の閉鎖的な生活にもストレス
を感じ、ブラッドとの不倫関係に溺れていきます。
そんな中、性犯罪で服役していたロニー・マゴーヴィーが街に戻って
きたことで閑静な住宅街は騒然とします。
子供にしか興味のもてない男は、市民プールに現れ、水中メガネ
を付けて泳ぎ…その目線の先は、子供達だったりします。
ブラッドとサラの不倫カップルは、ロニー・マゴーヴィーと接することで
意外な結末を迎えます。
タイタニックが、青年期の素直な恋愛とスペクタクルをテーマ
としているとすると、この映画は、成熟期の大人の心を描いて
いて、深く心に残る作品と言えます。
心が大人になるというのは、子供に対する思いが大人にしてくれる
こともあるのかもしれません。