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素晴らしい明暗のコントラスト 2006/1/14
さすがにATGの作品だけあって、単なる「時代劇」や「文芸モノ」ではなく、実験的な試みをこらした「芸術作品」を撮ろうという志が随所にみなぎっているように感じました。
この映画に限らず昔の映画(特に白黒映画)は「明暗のコントラスト」がはっきりしていて、現代の映画には見られなくなってしまったリアリティがありますが、特にこの作品では平安時代末期の宮廷が舞台になっているということもあり、昼なお暗い宮廷の内部に格子から洩れて入ってくる光が、大仕掛けではないのにも関わらずものすごく綺麗です。またキャメラワークが鋭いので、さして起伏のない物語進行にも関わらず、観ている者を飽きさせません。「時代モノはちょっと・・」という方も、きっとこの美しく怪しげではかない世界に魅せられることと思います。
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宮廷から修行へ。元寇のときの精神世界の陰と陽。 2004/11/13
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都の貴族社会の中で縛られる前半と尼として諸国巡礼に出る後半に分かれます。
前半は詩歌管弦の雅なだけの世界に埋没して自分の愛する人以外とも結ばれる女の業が描かれます。(女人五つの障りあり、というところ)
後半はそんな生活への嫌気と愛した高層の死がきっかけで出家するところからスタート。思い余ったら仏門へ入るということです。
そして西行法師のように「風になびく富士の煙の空に消えて行方も知らぬ我が思ひかな(新古今集・西行) 」の心境のごとく雅な都の世界を「夢・まぼろし」として新境地に向かい、たどり着くのです。それは「女人五つの障りあり、無垢の浄土は疎けれど、蓮華し濁りに開くれば、龍女も仏に成りにけり」(梁塵秘抄)まさに女も成仏できる、そしてその境地に達したということ。これは映画の中でも出てくる貴族社会のなかでの天台、真言の御教えと対比されて庶民の浄土信仰の発端となった熊野で神託を得た(熊野は女性も受け入れていた)「一遍上人」の「踊り念仏」にも対比・付随されて描かれるのです。このように女性を差別的に扱う宮廷から独立して精神的に成長する過程を描いた映画で、かなりの映画的な場が実現した素晴らしい映画だと思います。ジャネット八田さんの美しさはいうまでもありません。厳島と熊野の景色とATG最大のセットは見ものでしょう。