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モーツァルト演奏史上の「転換点」の記録 2007/2/22
1981年11月11日 ウィーン楽友協会大ホールでの演奏会のライブ収録。フランツ・バイヤー版。
独唱・合唱も含めて同一のCDがあるが、それは1981年10月30日のテルデック・スタジオでの録音。
20世紀の最後の20年間、アーノンクールは交響曲・協奏曲・オペラ・宗教曲など
モーツァルト作品に幅広く取り組み、全世界のモーツァルト演奏を変えてしまったが、
このレクイエム演奏はその出発点となった。80年代以降、モーツァルト演奏は
肯定的・否定的であるかは別にして、アーノンクールの影響から逃れられなくなってしまったのだ。
ウィーン国立歌劇場合唱団の指名により行われたというこの演奏会の映像は、
モーツァルト演奏史の、まさに<転換点>を記録している。
演奏は彼が70年代までに取り組んできたバッハ・受難曲・カンタータ、ヘンデルのオラトリオの
延長線上である。コントラストが強く直截で意志に満ち、熾烈で激越。
挑戦する精神、鋼の意志の演奏である。
旧CD発売当時「非モーツァルト」なレクイエムと物議を醸したが、2003年11月の再録音CD、
昨年秋の来日公演における歴史的名演は、アーノンクールこそがウィーンの音楽伝統の継承者
であったことを証明した。
本来、このような歴史的偉業・遺産に<星>による評価は失礼だろう。なお、鈴木淳史氏の日本語解説も
立派な付加価値になっている。