弟の大学の学費のために盗みに入った邸宅で、誤って女性を殺してしまった剛志。千葉の刑務所に服役中の彼の唯一の支えが弟の直貴から来る手紙。しかし、兄が受刑者というだけで、差別され、仕事も転々とし、恋人にもふられ、夢さえ打ち砕かれてきた直貴。兄を思いながらも、その存在の大きさ、罪の大きさに彼は押しつぶされそうになる。そんな彼が所帯を持った。守らなければならない妻、子どものために、直貴はある決心をした。
直木賞作家・東野圭吾が描いた小説をTVドラマでおなじみのヒットメイカー生野慈朗が映画化。加害者の家族を主人公にする大胆な試みだが、登場人物の心情にきちんとよりそい、ときには心にグイグイと入り込む演出は、罪を背負って生きる兄弟のドラマに見るものを釘付けにする。陰のある役がよく似合う山田孝之が、兄への思いと妻と子への愛の間で苦しむ直貴を熱演。意外にもさわやかなイメージの玉山鉄二が受刑者の兄を淡々と演じながら、最後で泣かせてくれる。ひとりの人間の犯した罪により、家族がどんなに苦しむか。そこから生まれる差別との闘いのドラマは確かにヘビーだが、弟の怒り、哀しみ、諦めなどの感情がうなりをあげて見る者の感情をゆさぶり、目が離せない 。まさに感動作だ。(斎藤 香)
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより) 山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ共演、東野圭吾の同名小説を映画化した社会派ドラマ。兄が殺人を犯したために人目を避けて生きる青年の姿を通し、加害者家族の有り様を見つめる。フォトブックを封入した2枚組プレミアム版。
1
プロの仕事 2007/2/11
原作者の東野氏は、自身の作品が映像化されるとき、基本的に何も注文を出さないらしい。
映像に関するプロが良かれと思ってやる変更なら、それを信頼したいというスタンスだそうだ。
この作品では、原作では別の形だったものが「お笑い」というものにアレンジされている。
映画製作中にその話を聞いたとき「変更って言ってもそれは変えすぎだろ!」と思った。
半信半疑のまま、映画館へ足を運んだが、そこで「プロの仕事」を見せつけられた。
この変更は、ただでさえ重い『手紙』という作品に、さらなる深みを付加していた。
原作を読んだことがあって、「あれをお笑いに変えるってどうなのよ?」と思っている方は、必見です。
読んだことのない方は、映像でも原作でも、とにかくどちらかを手にしてください。
双方が、プロの仕事をしていることを思い知るでしょう。
2
コレが世間の現実 2007/2/20
直貴本人は何も悪い事をしていないのに兄貴が強盗殺人犯ってだけで世間は彼を排除しようとする。
見てて凄く腹立たしかったけれど自分ももし近くにそんな境遇の人がいたらどうだろうかと考えたら何とも言えない。
でも自分から進んで親しくしようとは考えないのでは?と思う。
そんな中で由美子や祐輔は直貴の中身だけで彼を受け入れてて凄いなと思う。
この映画で再び山田孝之kunと沢尻エリカchanのコンビが見れて幸せでした★
内容も最高に素晴らしいものでした。
小田和正の「言葉にできない」が映画の良さをバックアップしてくれてますね。
3
決して許されることではないのだけれど… 2007/2/18
この映画を見ても被害者が可哀想だと思わなくなったとは思いません。決して許されることなんかじゃない。どんな理由があっても…。
でも、この映画に出逢えてよかった。加害者という逆からの視点を知れてよかった。
そう思える映画。
最後の吹越満と山田孝之のシーンは彼らだからこそ出てくる言葉なのだと思った。
今まで見た映画の中で一番心に残り、そして考えさせられる映画だった。
4
一人でも多くの人に・・・ 2007/4/25
毎日、テレビから流れてくる殺人や犯罪のニュース。
忙しい日常の日々の中で、「ふ~ん、またか」位の感覚になっている恐ろしさ。
でも、この「手紙」は簡単に罪を犯すことの愚かさや怖さを思い知らせてくれる。
自分一人だけが刑務所に入れば済むという問題ではないこと。
関係ない人たち(家族や恋人、友人)まで悲しませ、苦しませてしまうこと。
そして、自分を信じ支えてくれる人がいることのありがたさ。
確かに、お金持ちのお嬢さんとすぐ恋愛関係になったり、漫才がとんとん拍子に
売れたりするけれど、そんなこと以上に大きな衝撃や言葉が胸に刺さる。
一人でも多くの人に見てほしい、そして何かを感じて答えは出なくても
こういう現実があるということをよく考えてほしいと思いました。
犯罪者の兄を持ち、漫才師を目指ざすという難しい役柄を繊細な演技力で
最後までぶれずに演じたきった山田孝之さん、弟思いの愚直な兄を演じた玉山鉄二さん、
そして今まで苦手だったのに、素敵な笑顔と一途な演技で素晴らしかった沢尻エリカさん、
そして電機会社の社長、被害者の息子の言葉など、見どころ満載です。
5
若い人に是非観てもらいたい 2007/3/13
映画も観て、原作も読みました。とにかく考えさせられる話です。
泣けるかどうかは個人差があるとは思いますが、私は共感出来たので、泣きました。
自分の身の回りで、今後起こってもおかしくない話だと思います。
(たとえば、交通事故で死亡事故を起こしても状況によっては同じだと思います)
人の人生についてまじめに取り組んだテーマであり、是非現代の若い人に観てもらいたいと思いました。
話の設定(芸能界や大金持ちの令嬢が登場)に無理があると言う意見もありますが、話の構成上、許せる範囲だと思います。
山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカのキャストは、若い人に観てもらうきっかけになるのでいいと思いました。
6
ヤベェ… 2007/4/3
久々にマジ泣きしました。犯罪者だけが犯した罪を拭うのではなく、その家族も社会的に迫害されていて…
良かったのは、とある社長の言葉と、最後の刑務所でやった漫才でのシーンです。
7
いつのまにか古いレビューが削除されたので 2007/2/10
・・
また沢尻エリカに泣かされた。
本作では、一途な愛に生きるユミコ役を健気に演じていた。
良作駄作問わず、どんな役でも出演して現場で勉強し続けていれば
いずれ大輪の花を咲かせるかもしれない。
吹石一恵が可哀想だ。
あの美貌に傷をつけるなんて、監督にはサドの気があるのじゃなかろうか。
星よっつの理由は小田和正が苦手だから。
他の挿入歌は良かったので、どうにかならなかったのか悔やまれる。
文句は言ったけど、泣ける、2006年の邦画を代表する作品である。
メール全盛の今、何か大切なことを想い出させてくれる傑作。
8
素晴らしかった 2007/2/1
原作も素晴らしいが、この映画も本当に素晴らしかった。
いい意味で原作をアレンジしていたと思う。
テーマは重いし、内容は確かにすくいようがないかもしれない。
でも、心に残る作品だと思う。映画館で見逃した人にはぜひ、見て欲しい。
9
泣けません。 2007/2/9
「差別」という大問題に正面から取り組んだ映画です。
よって、エンターティンメントとは相容れないところにあります。
山田孝之、沢尻エリカをもってしても、テーマが重過ぎて楽しめません。
映画を見て悩みたい人向け、或いは中学校の道徳の授業で使うのが
いいのではないでしょうか。
最後、オフコースの「言葉にできない」が流れて、強引に盛り上げて
終わろうとしますが、・・・泣けません。
泣けませんし、笑えません。
山田孝之の漫才も、しっくりいかないし、もともと、勉強が出来て、
学年トップなのに漫才も出来るという設定、超美人の女の子が近くに
いて、しかもずっと好きでいてくれるという設定、大富豪のお姉さん
と合コンで仲良くなってしまうという設定等、あまりに現実離れした
人間関係に、共感しろというのが、がっかりすぎて、泣けます。
10
加害者側から 2007/5/19
・・
「千の風に乗って」は死者から見た生者へのなぐさめの詩だ。見る側を変えると、今まで見えなかった世界が見えてくる。「手紙」も加害者の家族から見た社会を描いて秀逸だ。山田考之以下全ての出演者が真面目で控えめな好演で、想定に難があるのをカバーしており、好感が持てる。プレミアム版の挿入本もファンには宝物になると思う。