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物凄い映画です。これは 2007/3/24
…凄いものを観てしまった…!2時間を悠に越える上映時間中、まばたきも呼吸も忘れるくらい画面に釘づけ。それは他のお客さんも同様だったのか、エンドロールが始まっても、劇場は水を打ったように静まりかえり、誰も身動きひとつしなかった。この作品が好きか嫌いかを考える前に、とにかくその凄さに圧倒されて言葉をなくしてしまう、そんな映画だ。
ベストセラーになった原作自体が奇想天外なストーリーで前代未聞の感動と衝撃を与えるものだが、ティクヴァ監督はこの原作の映画化に完全に成功していると思う。独特の怪しく美しい映像の世界。香りをイメージさせる音楽もすばらしい。そして主役のベン・ウィショーが圧巻だ!天才的な嗅覚と悲惨な生い立ちを持つ殺人犯の孤独、切望、狂気、悲しみを、全身で表現できる驚異的な演技力は、共演したダスティン・ホフマンも絶賛したという。
究極の香りを作るという目的のためには、何のためらいもなく次々と女性を殺害する主人公。本来なら絶対感情移入できないモンスターのようなキャラなのに、彼が哀れで心が痛んだ。ラストシーン、彼は作り上げた香水によって全世界を支配することもできたのに、あえて香水と共に滅びる道を選んだみたいに思えた。とにかく凄い映画なのでDVDが出たらぜひ購入したいと思う。メイキングも観てみたい。
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ヨーロッパ映画の底力を感じる “問題作” 2007/3/25
少々乱暴ですが、これは「愛と喪失の寓話」(原作はちょっと違うらしいですが)。
天才な嗅覚を持った孤児、グルヌイユ。彼は自分がこの世で初めて愛した、“究極の香り”を再現するため、美しい少女たちを次々と誘拐し、その香りを奪うために殺害していく。遂に追い求めた“香り”が完成した時、グルヌイユは自分が本当に欲しかったものが何だったのかを悟るのだが…。
“嗅覚”“匂い”を、どう映像化するのだろう、と興味を持って見に行ったのだが…これは実に見事だった!視覚であれ、聴覚であれ、嗅覚であれ、“鋭い感覚”というのは、対象を“凝視する力”。映画は、グルヌイユが鼻で“凝視”する対象を、カメラの眼で、映像技術の限りを尽くして“凝視”する。
文字通り“匂うような”執拗で緻密なアップの多様は、特に前半、パリの街の悪臭を描く場面では相当にグロテスク。しかしその“グロテスクさ”は、後にグルヌイユがめくるめくような香りに魅せられた時の、劇的な“転調”の伏線になっている。
他にも、多数の伏線や暗喩が織り込まれたプロットは精緻の極み!そしてテンポよくキレ味鋭い演出!これぞ、“『薔薇の名前』のプロデューサー”ד『ラン・ローラ・ラン』のティクヴァ監督”のコラボレーションのなせる業。
とはいえ、日本人としては、ラストに得心がいくかどうか微妙な所。ラス前の場面で決着していれば、もう少し“救われる”ように思えたかも…。でも、「グルヌイユも、他の人間達も、読者も、救済なんかしてやらない!」ことを(原作者は)選んだのでしょう。
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裸体の群れに涙 2007/3/29
とにかく、深いです。
色々な解釈ができます。
流れの中で、こみあげてくるものを整理させてくれる、穴を埋めていってくれる、全体感のある映画だと思いました。
おもしろおかしくも、切なさ、悲しさ、愛しさ、憎しみ、孤独、
色々な感情が絡まり合って。
残酷なんですが、少し心臓にも悪かったりしますが、
それも含めて良かったです。
とても美しい作品だと思いました。
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“究極の匂い”に取り憑かれた男の危うくも切ない物語。 2007/3/14
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18世紀のパリが舞台で、香水調合師が主人公と言うと、ファッショナブルで芳醇な映画を連想されるかもしれませんが、これは「ある人殺しの物語」とのサブタイトルで明らかの様に、超人的な嗅覚を持った男が、究極の香りを追い求め、結果的に次々に殺人を犯してしまう物語です。主人公は何人もの女性に手を掛けていきます。それは恐ろしく常軌を逸した猟奇的行為なのですが、決してサイコキラーとしては描かれていません。この世に生を受けた瞬間から誰にも祝福されず、愛情も情緒教育も無縁のまま生きてきた男性が、初めて“女性”の匂いを意識し、それに取り憑かれ固執していく。まるで、まだ見ぬ“母なるもの”や“恋人”を追い続けるかの様に。嗅覚でしか“愛”をイメージ出来ないから、殺人と言う行為について、罪悪感や反モラル、と言うか、どんな感情も抱かないのではないかとも思えます。演じるベン・ウィショーの確信的な眼差しと純一さが、危ういながらも見事です。男が究極の匂いに到達した時、映画の宣伝文句で言えば、正に“奇跡”が起こった時の、廻りの人々のリアクションに比べ、男が感じる虚無と絶望の深さが余りに切ない映画です。
さて、もう一つの見所は、原作小説の世界より更に難しい“匂い”をどう映画的に表現するかですが、監督のトム・ティクヴァは、舐め回すような濃厚なカメラ・ワークと音楽、美術で、さまざまな香りを醸し出そうとしています。そして、究極の匂いを、彼がどう視覚化させてみせたのか、これは見てのお楽しみです。別に、「映画史上に残る衝撃」とは思いませんが、ナルホド、そうきたか(笑)。
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芸術作品 2007/9/10
スピルバーグが映画化しようとしてたみたいだが、この監督だから描けた作品である。
とにかく全てが圧倒的で、なかなかこんな芸術作品には出逢えないだろう。
個人的にはハリウッドのようなエンターテイメント映画を好んで観るが、この作品は素晴らしかった。
凡人には理解できない、感情、展開、世界観、演出。とにかく凄かった。
ただ万人にはお薦めできないです。
6
香りの視覚化 2007/8/9
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本作で最も興味深いのは、「香り」という視覚的には味わいにくいものを取り上げていることにあります。その表現には、かなり工夫の跡が見られました。音楽やら視覚やらで、ニオイを巧く表現しています。さらに、オカルトっぽくサスペンス色も色濃くしているのが面白い。
超人的な嗅覚を持つ主人公は、若く美しい女から溢れる匂いをベースに、誰もがひれ伏すだろう匂いの生成に励む。その生成方法はグロテスクでエロティックで、もちろん犯罪であるが、なんだかロマンティックだ。そして、「究極の香り」とは一体どんな香りなんだろう?と想像力を駆り立てられる。それに、全くエロくない話なのに、ここまで官能的な作品ってスゴイです。
予告編にもあった、グルヌイユが香水のしみ込んだハンカチを振る処刑場のシーンは、ニオイが伝わってくるようでしたし、それにしても、あれだけの大量のエキストラで、こんな映像を撮りったと別の意味でも関心しましたよ。
ただ、ドラマはともかく設定にツッコミ所が満載で、ある意味笑っちゃうような展開。これは人によっては受け付けない人もいるでしょう。私はラストも含め「おお、そういう展開かぁ」という感じでしたが。
グルヌイユの殺人がいつ露見するんだろう、とハラハラしながら観ることができました。特に、最後の美女ローラのニオイを得るまでのシークエンスはスリリングな演出が光ってました。そして、あの処刑場と魚市場でのシーンは、究極のファンタジーとして成立させる力技でした。
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類まれなる臭覚の持ち主 2007/10/16
好き派と嫌い派がはっきり二分する作品だと思う。私はどちらかといえば、好きである。
「香り」を映画で扱うことは、考えてみても、とても難しいはずである。しかしこの映画は、
主人公が産み落とされる冒頭のシーンで、早くもこれでもかというくらい悪臭が漂ってくる。
が、最後は主人公の調合した香水はそれを打ち消し、度肝を抜くシーンにまで昇華させる。
最後のひとりの娘を追って、主人公グルヌイユが山を越えて走っていくシーン。カメラが峠を
空中から俯瞰して追い駆けるが、「ラン・ローラ・ラン」を彷彿させるスピード感である。
このトム・ティクヴァという監督は、文字通り類まれな臭覚を持っており、時々現れる斬新な
カットが、中世を扱いながら観客を飽きさせないひとつの要因になっているのではないかと思う。
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構成のテンポと迫るようなべたつく表現が見事でした! 2007/3/4
数年前に原作を読んだときの感想が、
『「ぴたっ」と皮膚に張り付くような描写が続き、だんだん感覚を侵されていくようなじとっとした感じの作品だなぁ』という感じでした。
果たして映像ではあのべたつくような筆致をどう表現しているんだろう?っと楽しみに見ました。
主人公は天才的な嗅覚の持ち主ですが、生い立ちがそれほどよいわけでもなく、その才能を生かすことはできません。
孤児院から皮なめし職人へと人生が流れていきます。
しかし、ある時転機が訪れ、主人公は香水職人の道を歩きます。
そして、自分が感じた匂いを再現すべく、表向きは修練に励みます。
しかしその実、主人公はある匂いを保存するため、何人もの人間を実験台にして、狂気的な行動に走ります。
この間の主人公の演技が見事!
少しずつ自分の実験にのめりこむ主人公がだんだん狂気に走っていく様子が、迫るような(しかもあしもとからひたひたと)映像と、不気味な音楽で見ている人の五感を侵していきます。
主人公役の青年の顔つきもものすごくて、だんだんと痩せて目の光ばかりが目立ちます。
最後のシーンもすごいですが、そこに行き着くまでの息苦しいような迫り方がよかったです。
2時間以上ありましたが、話のテンポが狂気と日常の緩急によって構成されているため、割と気にすることなく見れました。
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好みの分かれる作品だから星3つてことで... 2007/9/12
全く関係ないんですが,ずいぶん昔に夢野久作の“ドグラマグラ”が映画化されました(私的事情で,DVDでしか観ることが出来ませんでした).
原作は読んでましたから,どこまで映像化できてるのかを(少し)気にしながら観ましたが,(アラのあるなしは別にして)思ったよりも満足の行く出来でした(逆に,それほどまで全く期待してなかったと言うのもありますが).
で,この作品(パフューム -ある人殺しの物語-)を観た印象ですが...上記の“ドグラマグラ”のソレとよく似た印象を持ちました.“確かにアラはあるけど,それでも十分素晴らしかった”というのが正直な感想です.
原作の持つ“極限の美しさを備えたタブーの世界”を,限られた時間(たった2時間)と制約の多い中で,あそこまで表現したのだと思えば,十分オススメできるものです.
ただ...メジャー系映画の作品でもありませんから,その意味でも(トータルで考えて)万人受けする作品ではないとも思います.
簡単に言えば,好みや価値観(こだわりか)ではっきり評価の分かれる作品です.
ちなみに,私は“香水”が題材という理由だけで買いました.
これ参考になるかなぁ...
10
人それぞれなので・・・ 2007/11/10
他の皆さんはかなりの評価をされているようで、意外でした!!
私の意見ですが、期待していた内容とはかけ離れていて残念でした。
まぁ、今回のような出来もアリといえばアリ・・・的な称賛です。
誇張しすごるのはよくないでしょうが、もう少しショッキングというか、
そうきたか!的、意外性がほしかった気がします。
欲張りでしょうか・・・。
ちなみに、DVDは売っちゃいました・・・。