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とても雰囲気のあるミステリ映画 2007/8/14
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中世のヨーロッパ、北イタリアの山奥の修道院で起きた連続殺人事件を、バスカヴィルの僧ウィリアムと弟子のアドソが解明していくミステリ。誰が犯人なのか、どうやって殺していったのか、といった謎の妙味はあまり感じられませんでした。何よりもまず、中世の僧院内の雰囲気に引き込まれましたね。殊に、迷路になっている図書館めぐりと、「本」というものへの畏怖と敬意がよく伝わってきたところ、そこにぞくぞくする魅力を覚えました。
キャストでは、バスカヴィルの僧ウィリアムを演じたショーン・コネリーがさすがの存在感で見せてくれました。中世のシャーロック・ホームズといった印象を受けましたね。
ヨーロッパ中世の歴史の雰囲気が好きな方には、猫にまたたびのような映画でしょう。図書館とか本とか迷路とかに惹かれるわたしには、上述した修道院内の図書館めぐりのシーンが忘れられません。
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鬱々とした中世の閉塞感が漂います 2007/6/19
小説だけでは再現しがたい中世ヨーロッパの鬱々とした空気が表現されていると思います。
血、泥、垢、黄色く汚れた歯、ろうそくに灯りにひかる女性の裸体、石造りの重々しい修道院などが効果的に映画のテーマ(神への信仰は時として独善的で殺人まで生じさせる異常さを秘めているということ、かな?)を彩っています。
原作の小説からはだいぶ省略されてサスペンスの要素が強調されていますが、これはこれで別の作品として楽しむことができます。
最期まで「薔薇の名前」とは何を示すのかはっきりとさせないところもミソだと思います。
映画では最期に主人公を見送る少女のことかとも思い、小説を読むとどれだけ信じても愛しても近づくことのできない「神」のことをさしているのかとも思い、難解だけれど何度も味わいたくなる作品だと思います、映画も小説も。
キリスト教徒でなくとも、思想を独り占めして優位性を保ちたいという社会的に上位の保守的な人間に対する批判としても見ることができて面白いと思います。
とにかく私はすっごく好きです!
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原作が先か、映画が先か・ 2007/9/8
映画を先に見ましょう。原作を読んでから見るとちょっと腹が立ちます。
だいたい史実を曲げてまで勧善懲悪のストーリーにしたがるのは困ったものです。
とまずは、原作を先に読んだ者の不満をぶっつけておきます。
しかし、映画として見ると、細部にまでこだわった中世修道院と、ボッシュかブリューゲルの絵のような
容貌魁偉の登場人物たちには感動します。この細部のリアリティを見た上で原作を読んでみるというのが
理想的な楽しみ方だと思います。
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中世の迷宮を垣間見る 2007/11/26
イタリアの記号論の覇者ウンベルト・エーコのデビュー作を見事に映画化したもの。たったひとりの女性を除いて、登場するのはすべて男性それも修道士、中世北イタリアの山深く雪に閉ざされた修道院内で起こる殺人事件。ショーンコネリー扮する英国人修道士ウィリアムは、会議で訪れたその修道院での事件の捜査を依頼され、見習い修練士である弟子とともに謎解きに挑むことになる・・・原作のエッセンスを抽出した演出、美術、ロケ地など一見の価値がある。とくに中世・修道院・人々の価値観、キリスト教の矛盾など、高度な原作の知識を持たなくてもすんなり理解して愉しむことができる。
鑑賞後は中世修道院通になれること必至。
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ミステリー映画としても歴史映画としても楽しめる 2008/1/4
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全体に暗く重い映画ではあるが、ミステリー映画としてだけでなく一流の美術と俳優で歴史映画としても傑作。
原作があまりに有名なため話の面白さは原作によるところも大きいが、映像化の際に文字では表せない修道院のセットとキャスティングに凝ったのが成功した理由であろう。そびえ立つ塔のような修道院の外観や内部の迷路のような構造を再現したセットは見事だった。
キャスティングはショーン・コネリーの渋さと寛容さ、F・マーレイ・エイブラハムの不気味さ、若き日のクリスチャン・スレーターの初々しさ、ロン・パールマンの醜さ、その他にもミッシェル・ロンズデール(ジャッカルの日)や盲目の長老、でっぷり太った副司書など顔付きにこだわった上手い配役だった。そんな中でショーン・コネリーがやはり抜きん出て素晴らしかった。修道院到着直後に便所の場所を推理してしまうところですでに、頭の回転が速いことがわかるし、多量の書物を見つけた時に思わずあげてしまう歓声など、この役は当時のコネリー以外には思い浮かばないほど適役だった。
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買って損は無いです 2007/12/25
細部に拘りを感じさせるこの作品がこのお値段。
買って損は無いです。
特典もたっぷり楽しめます。
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この傑作映画の高画質DVDが1500円で買える時代なんですね 2008/2/3
内容、ストーリー、作りについては他の方の評を参照していただければ十分と思います。監督自身による詳細なメイキング解説もはいってますし。いずれにせよ傑作映画のひとつだと思います。配役と演技もすみずみまで素晴らしいものです。
で、DVDとしての映像についてですが、これ私の所ではDVDプレーヤ(一応10年ほど前の某メーカーのフラッグシップ製品)では深々としたコントラストや微妙な色合いの変化などがどう調整しても出にくいのですが....
ところが、動画再生支援機能を持ったグラフィックカード内臓のPCでガンマ値など適切に調整して再生すると、SD映像とは思えないような精細感と色彩/コントラストの見事なグラデーションが出てきます。DVDは物によって画質はそれこそピンキリですが、この一枚は手持ちの中でもトップクラスのものです。音声も撮影当時としてはめずらしいオリジナルからのサラウンド多チャンネル収録とのことで、臨場感たっぷりの好録音です。
今は1500円程度で買える訳ですが...いい時代になったと思います。
これはブルーレイで出てきても買い換える必要は感じないなー。
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原作好きでもイケる作品 2008/2/5
原作の細部(無駄なほど饒舌な細部含め)を偏愛する人間も、この特別版はOKサインを出せます。
ショーン・コネリーが007役とは真逆の役で、真相=真実に迫るところがなんとも味があるのですが、コネリーを選んだことによって、ラストの哀切さに妙な別の効果が生まれているような気もします。未見の方はそのあたりも注目してほしいですね。
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文学作品映画化の見本 2008/2/26
エーコの原作を「完全に」映画化することなど、もちろん不可能だろう。
あの長大な(そして細部を掘りまくった)小説を、映画化するなら、例えばこういう風にするんだよ、と見本にしたくなるような、そんな素晴らしい作品である。
成功の原因は、ハリウッドがあまり制作にからまなかったこと…のような気がしてならない。