夏目漱石の幻想的な短編小説集「夢十夜」がベテランから気鋭の若手まで10人の監督により完全映画化。第1夜:実相寺昭雄監督:作家の百聞とその妻(小泉今日子)の時空を超えた愛の物語。第2夜:市川崑監督:悟りを開くことができず苦悩する侍(うじきつよし)の運命。第3夜:清水崇監督:漱石(堀部圭亮)がくずった息子をおんぶして散歩しているが、その背中にいるのは! 第4夜:清水厚監督:漱石(山本耕史)が思い出の町で体験した不思議な出来事。第5夜:豊島圭介監督:夜中に目覚めた真砂子(市川実日子)の部屋に見知らぬ男と子供がいた。彼らは誰なのか? 第6夜:松尾スズキ監督:仁王像の頭を掘る運慶をみて感激した男(阿部サダヲ)は、仁王像彫りに挑戦する。第7夜:天野喜孝、河原真明監督:孤独な旅人と少女の出会いを描いた3Dアニメ。第8夜:山下敦弘:子どもが田んぼで見つけた巨大な生き物。そこから生まれる幻想。第9夜:西川美和監督: 出征していった夫(ピエール瀧)のために息子とお百度参りをする妻(緒川たまき)の秘密。第10夜:醜い女性を殺す美青年(松山ケンイチ)が謎の美女(本上まなみ)に連れられていった先は…。ファンタジー、幻想、ミステリー、ホラー、コメディとバラエティ豊かな10作品。豪華キャストの競演も見逃せない。(斎藤 香)
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより) 文豪・夏目漱石の異色短編「夢十夜」を、実相寺昭雄、市川崑、清水崇をはじめとする10人の監督が大胆な解釈、奔放なイマジネーションを駆使して映像化したオムニバスムービー。小泉今日子、香椎由宇、阿部サダヲ、山本耕史ほか豪華キャストが集結。
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この顔ぶれが大好きなら 2007/6/20
(1)夏目漱石原作
(2)豪華スタッフ/キャスト
というのが売り。もっとも(1)については漱石ならではを感じさせる部分はほとんどない。また(2)の「豪華」とはスター/大物というより所謂「個性派」「カルト的人気」で、ある種の嗜好を持った観客に強烈にアピールし、そうでなければノーサンキューなたぐいの人たちである。結局漱石はあくまでネタであり、それを映像化した(2)が前面に押し出されている。しかもネタが夢なものだから作り手はいくらでも自分色に染めて自己満足できようもので、実際そうである。
ストーリーに特に意味はなく、奇を衒った映像や演出、演技を眺めるばかり。実相寺昭雄はのべつまくなしに傾いた俯瞰図を並べ、市川崑は縦線と白黒のコントラストを強調し続け、松尾スズキは阿部サダヲ他にワンパターンなキレ芸付きで2ちゃん語を連呼させ、小泉今日子(に限ったことではないが)は棒読み大根、山本耕史は現代人丸出し、市川実日子はきょとんとしてて、松山ケンイチはぬぼーっとしてる、といった具合。全スタッフ/キャストがその名前に想定されるイメージを1mmもはみ出すことなくなぞっていく律儀さには全米が泣く。個性派にありがちな痛々しい冗漫さが全編を覆っており、夢も見ずにぐっすり眠れるだろう。第7話の3Dアニメは大変綺麗なのでこれだけぼんやり眺めていてもいいかもしれない。個人的には山口雄大&漫画太郎タッグによる第十話が楽しめた。
十話のうち一本(上記第十話)のみ星四つ、アニメの映像のみに星二つ、プロローグとエピローグの戸田恵梨香に星二つ、エンディング曲に星二つ、他は全てノーサンキュー(松尾スズキ? 寒いだけでつまんないよ)ということで結局星一つ。
2
映画館に3回行きました 2007/5/31
1夜から10夜までのオムニバス。
夏目漱石先生の見た夢の小説、それを映像化した映画。
それぞれの監督の演出で、様々にアレンジされています。
中には原作とかけ離れた感もある話もありました。
私は松山ケンイチ君の大ファンなので、彼が出た10夜目が目当てで行った1回目。
もちろん楽しめました!でも1回観ただけでは解りにくいお話もありましたので、結局3回観に行きました。
それでも飽きず、DVDが出たら絶対買う!と思っていたので、8月が待ち遠しいです。
私のお気に入りは10夜が1番なんですが、3夜・5夜・6夜です。
怖かったり、爆笑したり、う~んと考えさせられたり。
面白いです。
(松山クンは2夜目がいいとおっしゃっていましたね)
3
気に入った作品が多かった 2007/6/14
・・
実相寺昭雄、市川崑、清水崇、清水厚、豊島圭介、松尾すずき、天野喜孝、山下淳弘、西川美和、山口雄大という10人の監督のラインナップを見るだけでも贅沢で、作品ごとの好き嫌いはあると思いますが何とも言い難いミステリアスな雰囲気で、それぞれの持ち味が生きていると思います。
以下、個人的に印象に残った作品の感想を簡単に綴りたいと思います。
第1夜 作品全体を彩るのは官能。小泉今日子が色っぽい。
第3夜 さすが「呪怨」の清水崇監督作とあって怖いです。特に、漱石が子供を捨てに行く恐怖の演出の上手さ。また、ほのかな笑いでオチとするのは絶妙。
第6夜 面白いと言えば本作が一番かな。強烈なダンスと2ちゃんねる用語の連発。そして、セリフは全て英語!! 松尾スズキの世界観とやりたい事をつぎ込んだセンシティブな笑いと痛快なオチ。
第9夜 監督 緒川たまきを徹底的に美しく撮るカメラワーク(着物から覗くカカトがエロい)と対照的なピエール瀧の落差が面白い。これも短編で「女神のかかと」という作品を撮っている西川美和監督は『足フェチ』なのかもね。
第10夜 「地獄甲子園」「魁!! クロマティ高校」の山口雄大監督だからブッ飛んだ映画になると期待と心配が混ざった気持ちで観ましたが、怒濤の爆笑、いや、面白かったです。鼻はブタになるは、屁はこくはの下品さ炸裂。ある意味オイシイ役ではあるけど、本上まなみの役者根性は立派だしチャーミングでした。
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世にも奇妙な物語+FFという感じ 2007/8/3
発売日一日前の今日、家に届きました。
内容は原作を少なからず多からず踏襲していながら、
それぞれの監督の色が強く出たものとなっていると思います。
映像の見せ方が様々で、その点は特によかったです。
全体的に『世にも奇妙な物語』のような流れや雰囲気を持っているので、
そちらのシリーズが好きな方も楽しめると思います。
「第七夜」のみCCアニメーションで、監督はあの『ファイナルファンタジー』のキービジュアルなどを担当されている天野喜孝氏です。
これを見て、FFファンの自分はニヤリときました。
ゲームに登場しそうな幻想的な船、一人の美少年と一人の美少女、
巨大なモンスターのようで美しい生物、主人公の落下シーン。
さすが長いことFFの絵を書いてきただけのことはあるなと感じました。
個人的見解ですが、見所は『奇妙』『恐怖』『幻想』『滑稽』『哀愁』の五要素です。
本当に夢をそのまま映像化したような作品です。是非、DVDを購入してみてください。
5
やはり「ユメ」十夜 2007/8/24
良かったやつと悪かったやつの感想を書きます。
一夜・・・これは脚本がしっかりしていた。訳分からん「夢」をちゃんと表現できていたと思う。結構エロチックだね。
二夜・・・これがベスト1。今時白黒・台詞無しなのが斬新だったし、話もしっかりしていた。今時白黒・台詞無しでやれる監督や役者は滅多に居ないかも。煩悩から逃れられないのが人間なのかも。松山ケンイチがこの作品が「ユメ十夜」の中で一番好きなのも納得。
三夜・・・これで怖い?笑わせんな。陳腐だな、怪物のメイクも怖がらせ方も。原作の方がもっと怖いよ。香椎由宇がいくら大人びた外見をしているからって7人の子持ち役はかなり無理があるな。
六夜・・・これが一番評判いいらしいけど。変わっているけど、やっぱり実世界で2ちゃん語を使うのは寒いな。あれでかなり白けた。個人的には石原良純に救われた。
九夜・・・この監督は大東亜戦争時に亡くなった人や苦労した人に殴られた方がいいよ。むしろその人達を侮辱してるよ、この作品は。あんなにエゴ丸出しで醜い女を演らされた緒川たまきが哀れだ。女臭くて個人的には苦手な作品だ。
十夜・・・これがワースト1。とにかく下品で気持ち悪い。オチもかなり酷い。一番原作を悪い意味でぶち壊してるよ。豚丼や豚丼を作っている人に対して失礼な作品だ。あんなひどい役を演じた本上まなみの女優魂には拍手を送りたい。しかし松山ケンイチは相変わらずの大根役者ぶりだね。彼はこういった外面が良くて性格が最悪な役が一番合うかも。この監督は夏目漱石と豚丼に殴られた方がいいよ。
訳分からない作品が殆どだったが、これは「夢」だからそれでいいんだろうな。
DVDで観て良かった。もし映画館で観ていたら、十夜のあのオチにブチ切れながら家に帰っていたと思う。DVDなら好きな順に観られるからね。
個人的に映画館で1800円払って観る価値があると思うのは一夜と二夜(七夜は映像だけ)だね。
三夜・八夜・九夜・十夜の監督は夏目漱石に殴られた方がいいよ。
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最後まで楽しめます 2007/7/19
摩訶不思議な短編が10本。しかもそれぞれ違う監督が制作しているだけに、ミステリー、ホラー、サスペンス、ダンス、アニメーションなど全く毛色の違う物語が楽しめます。
第一夜は過去と未来が逆転したような奇妙な世界。第二夜はサイレントで、モノクロ画面に文字が映し出される。第三夜は「呪怨」の監督による薄気味悪いホラー作品。第四夜はノスタルジー漂う、少年時代の回想。第五夜は人間の狂気を静と動でおぞましく描く。第六夜はあの「運慶」が激しくアニメーションダンス(!)。第七夜は天野喜孝氏のイラストが3DCGアニメとなって、巨大な船に乗った旅人の孤独を描く。第八夜はまさに夢で、脈絡のないイメージの連続。第九夜は戦争へ行く夫を思う妻の意外な真実。第十夜は残酷なイケメンと美人な「化け豚」とのコミカルでちょっとスプラッタなギャグ。
監督や俳優が有名だとかそうでないとかは軽く超越した、新しいタイプの映画。原作を知っているひとはどんな映像(解釈)になっているのか、知らないひとは次はどんな物語なのか、きっとわくわくしながら観られるはずです。
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やっぱりわからん 2007/8/20
原作は、中学生のとき、国語の先生に進められて読んだと思います。当時先生も、夢の話なので理解しがたい。といっていました。確かに読んでも理解できませんでした。
この作品では、監督それぞれの解釈で作ったのだと思います。だから、なるほどと思ったり、そうじゃないと思ったり、やっぱり意味不明と思ったり、原作を読んだ人それそれの受け止め方は違って当然だと思います。自分が見た夢でさえ所詮理解しがたいですよね。理解しようとする事がナンセンスとさえ思えてきました。
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漱石無残 2007/10/21
日本映画の末路を見る沈痛な思いでいっぱいになった。実相寺監督も力尽き、残された後輩たちの無力と無教養が羅列されている。漱石へのこれほどの冒涜はないだろう。
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うーん、わからん。 2007/9/11
私は原作を読んだことがないのですが、原作が読みたくなりました。
どういう話がそれぞれあんなふうな感じになったのか気になります。
夢の話なのでなんの脈絡もなく意味わからんと聞いていましたがほんとうに意味わからん。
まあ夢なんてそんなもんですけど。覚えていることのほうが珍しいくらいですから。
とりあえず映画から見てしまった私は失敗ですね。
友達に薦められて見たのですが原作を踏まえてから見るべきでした。
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結婚おめでとうございます、香椎由宇さん、オダギリジョーさん。そして二人の未来が、本作と漱石の原作のような素晴らしい精華となりますように 2008/1/27
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香椎由宇がオダギリ・ジョーと結婚しましたね。素晴らしいカップルです。香椎由宇はまだ20歳ですが、いつも彼女は年齢以上の成熟を感じさせてきましたが、特にそのことを感じたのは本作第3夜での夏目鏡子夫人役です。この頃の香椎由宇はまだ10代だったはずなのに、何人も子どもを産んで育てている夫人役を演じて実に説得力があります。そしてエキゾチックな雰囲気もある彼女が和服で髪を結った姿の色気! 江戸美人・明治の貴婦人とはきっとこんな感じだったんだろうなということを納得させる抜群の存在感…。
力作揃いのこの『ユメ十夜』ですが、漱石の原作への文学的「読み」が入ったこの第3夜は完成度が高いです。同じく漱石先生が登場する第8夜はまさに「ユメ」の摩訶不思議な物語。第10夜のパナマ帽庄太郎は第8夜のみならず本作では第5夜にも登場して(大倉孝二!)女性に誘われ理不尽な運命(=死?)を遂げる不幸な男性として統一のイメージキャラを形成します。そして不慮かつ無念の死は第4夜と通底しており、そして流産で子どもを亡くした第3話へとイメージは遡及していきます。さらに妻を主役に据えた時に第3話と第9話の世界観の接近が感じ取れることでしょう。第9話の「母」は鏡子夫人のパラレルワールドであるのだなあと感じ入ります。
古典は独自の生命を持っていて、新解釈や当代の事情を吸い上げてより芳醇なドラマトゥルギーを作り上げるものなのです。そして『夢十夜』も100年の歳月を経て、人間の無意識と幻想を至高の文芸短編として創造し得た古典として我々の元に定着したように見えるのです。日本が生んだショートショート、幻想小説の極北『夢十夜』をこの機会に是非読んで欲しいし、そして更に映画に戻って、本作がいかに実験精神に満ちた意欲作であることか発見してみて下さい。そして最後に、色々芸能ゴシップに流されることなく、二人の行き先に幸せがあらんことを祈念しています。