秒速5センチメートル 通常版のクチコミ

- 今の自分だからこそ素晴らしい作品
- 2007/11/24
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「泣ける映画が必ずしも良い映画じゃない」とは『子ぎつねヘレン』を見て号泣してしまった爆笑問題太田の言葉だが、この作品を見終わった時、「ああ、これがそうか」とすぐに思い出した。全く涙は出なかった。ただ心が締めつけられるような痛み、速くなった鼓動、目の前にモヤがかかったような感覚だけが残った。そしてそれらが落ち着いた時、最初に感じたのは、新海誠への愛情にも似た憧れとある種の親近感だった。この作品に限らず新海が度々批判の対象になるのは、見る側の中にかなりの割合でこの親近感を感じられない人間が存在することが原因だと思う。逆に一部の人々が彼を絶賛するのもまた、親近感が全てだと言っていいだろう。おそらくこの作品には「まあまあ良かった」という評価はないはずだ。境界線のこちら側で見ることができるか、あちら側から傍観するかで全く違った感じ方になると思う。心の隅に、かすかに、しかしいつまでも残っている何かを無理矢理映像にしたような性質の作品であるため、少し説明不足にも思えるが、この説明できていない部分は、きっと作った新海にも分からないのではないだろうか。そしてその説明できない『何か』とはおそらく、ものすごく恥ずかしい、誰にも見られたくない類の感情だ。そう考えてやっと、作品を見た後に残った新海への親近感の正体は、断片的とはいえ自身の生々しい感情を日本中に公開した勇敢さへの尊敬と、自分の中にも説明できない『何か』があることに気づいた共有感覚なのだと気づいた。ストーリーはリアリティに欠ける部分もあるが、では現実ではどうなるべきなのか、見終わって感じた共有感覚を頼りに記憶の糸をたぐり寄せてみても、なぜか何も引っかかるものがなくて驚く。経験もないのにそんな気になっていたのか、すっかり忘れてしまっているだけなのかは分からないが、それを思い出すには自分は大人になりすぎてしまったのだと気づいて、また胸が締めつけられる。きっとこの作品を素晴らしいものとして受け取ることができるのは、新海と同世代か、精神年齢の近い人間だけなのだろう。若すぎればモヤモヤした『何か』はすぐ目の前にあるし、歳をとりすぎれば色々なものを忘れ去ってしまう。今の新海誠が、今の自分に絶妙のタイミングでこの作品を届けてくれた事をとても幸せに思います。

- 若者はあがいて何ぼだろうに
- 2007/8/19
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背景の美しさは物凄いです。特筆に価します。これだけで話が成立しそうです。
その割に人とか波とか煙にはこだわりが無いらしく、動画は非常にあっさりです。
話の内容を私なりに簡単にまとめると、
「男が初恋の娘を10年以上かけて忘れる話」
です。馬鹿げたシチュエーションですが、実際似たようなことはあると思います。
個人的な感想ですが、
一話、「ちょっといい話だ。気持ちは判るが、めそめそするな少年。」
二話、「高三ったらいい年なんだから、夢見てないで18切符で会いに行けや小僧」
三話、「主人公と付き合った女が気の毒」
雪の中、7時間かけて彼女に会いに行った主人公の行動力は、
何処にいったんでしょうかね?後になるほど、主人公の思考が引きこもり
になって印象悪いです。行動して、悩んであがいた上で結ばれないのが
ある意味普通で、それが青春だと私は思うので、何もしないで現実と妄想に
流された主人公がそのまま結ばれないってのは至極当然と思って受け入れました。
流されるというのは、消極的な逃避ですからね。
現実と向き合うなら、あがけ若者よ。

- やっぱり、納得できない
- 2007/12/12
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初めて観たとき、ラストのPV演出できっちり泣かされた。
でも、2度3度と観ていると、徐々に納得がいかなくなる。
あの一話の後、何故二話で(状況的に)こんな事になっているのか?
あの孤独の中
「それでも待っている」と、
「それでも来てくれる」と、
そう固く信じられるほどの二人を引き裂くのに、何の描写もないのは何故なんだろう。
ラストのフラッシュでそれを表現したつもりかも知れないけど、
一話の二人から想像すると、手紙だけでも相手の不安を読み取れるんじゃないか。
そして、不安を取り除こうとするんじゃないかな。そして、「きっと大丈夫」って。
もっと観たかったし、もっと描いて欲しかった。こんなに美しい情景が描けるのに…
「これが新海節」で片付けるのは、あまりに惜しい。
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