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権力者の心の闇を描いた作品 2007/6/30
アフリカのヒトラーとも呼ばれたウガンダのアミン大統領を、スコットランドの青年医師の視点から描いた作品。
主演のフォレスト・ウィテカーは、アミンの陽気で自信に満ち溢れた強い姿と、
反面、権力の座に着いたがゆえに持つ周りへの不信感やおびえる姿を上手く演じている。
そして、そのバランスが崩れた時、狂気へと走っていく事になる。
本作品でフォレスト・ウィテカーは2006年度アカデミー賞の最優秀主演男優賞を獲得しているのも頷ける。
軽い気持ちでウガンダにやって来てアミンの主治医となるスコットランドの青年医師ニコラスは、
いい加減で自己中心的な人物に描かれている。
ニコラスはアミンと親しくなり、どんどん彼に入り込んでいくことになる。
しかし、彼の薄っぺらな生き方では、結局、アフリカの大男の奥深い心を掴みきれなかった。
ニコラスは架空の存在であるが、アフリカでのヨーロッパ人の行いの象徴のように思える。
アフリカを知る上で是非観てほしい映画ではあるが、残酷なシーンも多くありそれなりの覚悟も必要である。
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アフリカと西洋のギャップという視点 2007/8/16
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元ウガンダ大統領イディ・アミンは、当初は英雄として国民の期待を一身に集めながら、独裁者へと変貌。冷酷な殺人を繰り返すさまを、彼の側近となったスコットランド人青年の視点からスリリングに描きます。つまり、本作の物語上の主人公はアミンではなく、ニコラスという若い白人医師なんですね。
一国の大統領の信頼を得て有頂天になったニコラスの思いは、中盤あたりで「何か変だな」という疑念が入り混じるようになり、終盤には「もう駄目だ」と絶望に変わる。
架空の外国人をあえて主役に据え、無知で脳天気でよく言えば純粋な若者の“過ち”を描いたからこそ、この映画は普遍的なテーマと奥行きを獲得したといえるかも。
ところで、アミンとニコラスが出会うのは、アミンの乗った車が牛にぶつかり、ニコラスがアミンの怪我のケガの手当てをします。その時に、ニコラスは、牛を苦しませないという判断から、牛を撃ち殺す。このシーンは、とても興味深かった。
アミンたちは、その行為にショックを受け、同時にそこに新鮮さを感じる。彼らには、牛を苦しめずに殺すことが「善」という観念はない。そして、この経験が、アミンには、「西欧的合理主義」への洗礼となり、一連の虐殺にまでエスカレートしたと示唆しているようにも受け取れます。
フォレスト・ウィティカーは、笑福亭鶴瓶に似た細い目で笑う「人のよい」キャラクターというイメージが強いですが、本作では、子供がそのまま大人になり、人形を壊すような感覚で虐殺を行なう独裁者をリアルに演じています。時折みせる大統領の強い部分と弱い分のギャップが凄かった。アカデミー賞受賞は納得です。
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あまりに痛すぎる青春の蹉跌 2007/10/20
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時代は七十年代。「若者の反乱」の時代に、父の職を継ぐべく医大を卒業した主人公は気まぐれにウガンダを訪れる。自分探しの旅だ。手軽に下半身を満たしてくれる現地人の女の子にも会えて幸先の良い道中になる。しかしいったん僻地医者になってみれば、毎日が地味でつまらない。同僚の奥さんに手を出そうとして拒まれるし。そんな時にひょんなことからアミン大統領と出会い、スコットランド人というだけで気に入られる。本国でならほんの見習い医師の青年が突然権力に近くなる。わくわくする。しかし…、という話。
アミンと彼の絆は「反英意識」がきっかけとなるのだが、アミンの英国憎しが経験に由来する臓腑の感覚なのに比べて、主人公のそれは流行に乗った反権力意識でしかない。ウガンダで策動する英国大使館職員に対して喧嘩腰の態度を取る主人公は得意満面だ。青春ってこっ恥ずかしい、の普遍的な姿がここにある。
アフリカもウガンダも・オレの青春の彩り・くらいに思っていた青年が、後半に入って次々と現実のしっぺ返しを受けていくあたり、恐ろしくもあるのだが、何気にカタルシスもある。ダークな道徳劇としてかなり力強い話だ。
フォレスト・ウィテカーの巨躯の横で主人公は小柄で唇は真っ赤で、まるで女の子のように見える。おそらく監督はわざと二人の力関係に同性愛的な匂いを持たせている。フォレスト・ウィテカーばかりが注目されたが、この医師役の若手俳優さんも物凄く上手い
それにしても、終盤の残酷映像は貧血モノだった。主人公の・若さ故のバカさ・が・れほどの罰を受けることなのかと慄然とする。しかし原因と結果の非対称性というのもまた現実世界の残酷さだということなのだろう。素晴らしい映画だが、残酷シーンが嫌いな方は避けて下さい。
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ウィテカーの名演だけではない 2007/11/7
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100万人以上をカンボジアで殺したポル・ポトについて、その物静かで温厚な人柄を指摘する人は多い。
子供のよう人懐こい明るさと、他人の弱みを見つけることに長けた人間観察力と話術、いつ寝首をかかれるかと怯えつづける猜疑心の塊。多くの独裁者や教祖は、これらの要素が不思議に共存している。彼の人間性の振幅は凡人の理解を超えて大きく、その変化は凡人に考える隙を与えないほど早い。
スコットランドから「自分探し」的な理由でウガンダに来た青年の、アフリカに対する優越感、ゲーム感覚を、アミンはみごとにくすぐって自分の腹心にしていくが、青年は自分のアフリカ観の歪みに気づく余裕がない。
そんな独裁者共通の人間性に加え、アフリカ、ウガンダ、そしてアミンの大きな特徴である「身体性」、つまり身体が闘争の重要なファクターになる風土を本作はうまく描いている。
アミンの巨体や声は人民の父として強い説得力をもつ。飛びまわる虫と音楽とSEXによるアフリカンビートの高揚感。
印象的な拷問シーンは残虐の極みだが、主人公が仕える西洋医学は肉体の痛みや苦しみを治癒する方法論であるのに対して、肉体を痛めつけることで身体に入り込んだ悪魔を追い払うというアフリカの土俗信仰(それは主人公が本編中、常に行く手を阻むものとして遭遇する)を前提にしなければ、拷問シーンの複雑な意味は理解できない。
ウィテカーの熱演はもちろんだが、敵対派の大量虐殺を描写せずに独裁者による粛清の恐怖を表現して、サスペンス映画としての緊張感も維持した監督の技量は評価されるべきだ。
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あー、恐かった(汗) 2007/11/28
最初は、ウガンダの独裁政権のドキュメンタリーだと思って、見てたんですけど。段々違うイメージになってきて。。痛々しく、生々しく、残酷なシーンは見てられませんでした。
ドキュメンタリーというほどのリアリティはなかったですけど、ウガンダの独裁政権がどんなだったか知りたい人には、ちょっとした勉強になるかな。
あと、主人公の青年とアミンの心理描写は、けっこううまくできてる気がします。特にアミン。片親育ちで、貧乏な暮らしをしてきた彼のような人が、権力者になると、どう豹変するのか。青年の「あなたは子供だ」というセリフに、それらが集約されてる気がしました。
最後に、心臓の悪い人は拷問シーンに注意してください!!
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フォレスト・ウィッテカーが良かった! 2007/7/3
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権力者の近くにいる面白さと恐ろしさを感じた。
アミン大統領の迫力に魅了された2時間だった。
浮気が発覚した奥さんを見せしめに惨殺したり、
たくさんの人を殺す一国の指導者がそら恐ろしい!
「あなたは子供だから怖い・・」
能天気なギャリガン青年のセリフが心に残る。
フォレスト・ウィッテカーはド迫力なんですが、
アミン大統領の人間性や大虐殺するようになった
心の経緯が描かれていなくて物足りなさが・・。
でも、ギャリガン脱出シーンはドキドキしました!
よくある娯楽作品のような結末が意外でした!
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良い作品だが物足りなさもあり 2007/11/25
1970年代にウガンダを支配した独裁者、イディ・アミンとスコットランド
出身の主治医の若者の関係を描いた映画。
アミンの、チャーミングな側面と、およそ独裁者とはこういう存在なんだ
ろうなと思わせる、懐疑的、徹底的且つ暴力的な側面の対比(落差)が
うまくハイライトされており、そういった点の描き方は秀逸。
しかしながら、これだけにアミンの性格面の描き方、ウィテカーの演技が
優れていると、かえって、作品中で触れられていない、アミンがいかに
して権力の座に上ったのか、そして、なぜ、あのような破滅的な行動を
起こすに至ったのかにどうしても関心の焦点が移ってしまう。
このような点の掘り下げがなされていない為、場面場面は印象的である
ものの、全体としては、関係性を十分に把握できず、不完全燃焼という
感覚も残った。
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好奇心が招いた悪夢・・ 2008/1/26
とでも言いましょうか。
実際にあった話を元にしている訳ですが
当時の忌々しいウガンダの実態より
主人公のスコットランド人の医者の恐れを知らない若さや正義が
徐々に衰退していき地獄のような現実を見ながら大人になっていく過程の方が
この映画のウェイトを締めていると思います。
派手な銃撃戦などが無い分些細な会話や仕草から徐々に滲み出る「恐怖」が逆にスリリングで引き込まれます。
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人間の脆さと恐さ 2007/10/6
冷静に考えれば、クーデターで政権についた軍人を信頼できるとは考えないでしょう。若さ故の好奇心や独裁者に特有のカリスマ性があったとしても、自ら近づいて狂気に巻き込まれてしまうのは、ある意味でニコラスの自業自得。しかし、彼が常識でみればおかしな行動をとってしまったのは、知らず知らずの間に、権力の魅力にとりつかれてしまっていたからだと思います。そうして、周りが見えなくなってしまった。医者としての正義感などは、部分的に働いているものの大局で判断できない。やがて、自分が狂気に加担していることに気づいたときには動き出した歯車は止められない。普通の一人の人間が、悲劇を支える一部となってしまう歴史のいろいろな場面でみられる人間の脆さと恐さを感じました。
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社会派+娯楽作品のバランスの良さ 2007/10/8
社会派歴史ドラマを想像していましたが、思ったよりサスペンスチックで娯楽作品的
な「面白い」映画でした。2時間飽きることなく予想できない展開を楽しめました。
固すぎず柔かすぎず「社会派+娯楽作品」のバランスがグッドです。
また主人公の二人の演技も素晴らしい。