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2007年度トラウマ映画の決定版 144分 2007/8/2
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1944年ドイツの敗戦が色濃くなっているポーランドで、家族をナチスの罠にかけられ惨殺されたラヘル(カリス・ファン・ハウテン)をヒロインとして展開するわけなんですが、この女優が美しさの中にも気品あり、この作品にあっているわけですな。
ナチスの将校にもムンツェのようにハト派の軍人(ミュヘンで家族が空爆で死亡し、ヒロインと同じような喪失感を抱いて善人として描かれている)もいれば、フランケンみたいに捕虜を残虐に拷問する軍人も両方いるので、一方的にナチスドイツが全部悪としては描かれていない。このあたりはスピルバーグの『ミュヘン』に類似してますよ。
美しき貴高いヒロインが、いろんな困難、屈辱、恥辱、にまみれても負けないで強く生きていく姿は『羊たちの沈黙』に通じるところもある。
『ゆきゆきて神軍』のように、戦争といふ究極の状況下では、一般市民でも大きな過ち、倫理的犯罪を誰もが起こしえる、ということを突きつけられたきがして、「私自身がこの様な究極的状況で倫理的犯罪をするかもしれない。」といふ不安がよぎりました。この映画は第二次世界大戦のことをいっているんじゃなくて、現代社会の世界情勢を描いているから面白いんです。
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美しきユダヤ人女性の愛と裏切り 2007/8/17
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最愛なる家族をナチス・ドイツに殺され、その報復としてレジスタンス運動による復讐劇が始まるのですが、ナチスの徹底的なユダヤ人に対する迫害から身を逃れるには、身体的に変装するところからしなければならなかった。
そして、ドイツ将校に近づく為には女の最大の武器を使うことになる。絶対に許すことが出来ないドイツ軍のある将校であっても、それ以前に男であるということを忘れては成らない。絶対なる復讐の前で運命に翻弄された愛情が、男の優しさが包み込むように変えていくのは自然なことなのか?
ハリウッド映画ではこのような映画は作ることができないぐらいの、4ヵ国合同によるオールキャスト陣は実に見応えがありました。
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戦争中が舞台だが、感傷的にならないドライなスパイ映画として楽しめる 2007/10/7
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ハリウッドではひたすらエロ&グロ大作路線の映画を撮っていたバーホーベンだが、故国に戻って作ったこの映画は、(裸も嘔吐もグロテスクな死体も出てくるが)これまでとは全く異なる作風に仕上がった。
戦争映画にありがちなヒステリックに反戦を叫んだり、感情的なお涙頂戴のシーンもなく、淡々とミステリー映画のように話が進んでいくのに最後まで飽きない。ナチスとレジスタンスが敵味方入り乱れての展開で、伏線や小道具の扱い方が効果的な脚本が秀逸。ちなみにバーホーベン自身が脚本を書いており、最初はおどおどしていたヒロインが(精神的に)段々と強くなって行く過程や、ナチにもレジスタンスにも金の亡者や脅しに簡単に屈してしまう人間がいたりするところ、戦後のナチスへの協力者への(善良そうな)民衆の過度の仕打ちなど、客観的な視点で人間を冷静に観察できる彼ならではの描写だと思う。
難を言えば、レジスタンスがあまりにも白昼堂々に無防備で行動しているのが気になった。
アメリカでは言葉の問題もあり、与えられた脚本でしか映画が撮れなかったので、あのようにエロ、グロ的な演出部分のみ突出してしまったのだと思う。こんな内容のある脚本が書けるなら、次回作も是非オランダでバーホーベン自身の脚本で撮って下さい。
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これがバーホーベンの真の姿!! 2007/9/8
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バーホーベン監督への見方が変わった映画。バーホーベンといえば「トータルリコール」「ロボコップ」などドラマ性がないアクション重視のハリウッド映画を作る監督と思っていたので、あまり期待しないで観たが本作はヒューマンドラマに仕上がっており、監督の力量に驚いた。戦争体験のあるバーホーベン監督は戦争映画の描写には人一倍思い入れがあったと思う。ダイレクトに戦争を描くことに躊躇をおぼえ「スターシップトゥルーパー」のようにSF映画を撮っていた監督。ハリウッドで成功した後、拠点をオランダに移して本当に撮りたい映画を作り始めたのだと思う。本作は意外な謎解きはあるものの、ただのビックりに留まらず何度観ても味わい深いものがある。実話をベースにしたシナリオだけに、ノンフィクションであれど真実感は非常に大きい。本格派ヒューマンドラマが観たい方へお勧めの作品
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終わらない悲しみ☆ 2007/8/28
戦下においてその運命を翻弄された女の半生を通して見せる物語です。
登場人物達もそれぞれに「色」を持っていますし、全体にサスペンス性がうまく機能していて、エンターテイメントとして成立しながらも緊迫感を損なっていないと言えると思います。
また安易にナチス(悪)、レジスタンス(善)としていないところもよかったです。そのほうが、「戦争反対」「平和万歳」の看板をただ掲げているだけのものより真摯があると思いますし、まともさなど意味を持たない状況、人間自体における愚かさを見せていることによって、物語にも説得力を感じさせてくれました。
ある意味、直接的な表現には好みは別れそうですが、見応えのある作品ではないでしょうか。
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退屈はしないけど 2007/9/7
エンターテイメントとしてみれば決してつまらない映画ではなく、2時間以上の上映時間、退屈はしないけれど、テーマの重厚さの割りに全体が軽すぎます。
ナチスとレジスタンス、徹底的な悪「ナチス」にもいい人がいた、善のレジスタンスもひどいことをした、そういう両面を描ききった素晴らしい映画、と評して感動している人も多いようですが、そういう類のことをこの軽い映画を見て知り、感動できる人たちに向いている映画です。
「善き人のためのソナタ」の劇作家役の俳優が出演しているということでこの映画に興味を持ち、さまざまなレビュや評判を聞いてようやくDVDを見ましたが、ラストシーン以外に見るべきシーンはなく、強烈な生理的嫌悪感を与えるシーンがあまりに多すぎ、それが見終わった後の不快感につながっています。
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二転三転するストーリー展開 2007/9/23
「氷の微笑」で知られるバーホーベン監督が久方ぶりに故国で撮った作品。
実話に基づいているとのことだが、二転三転するストーリー展開に最後まで緊張感が持続。シナリオがしっかりしている映画は良い!
出演俳優の多くは日本では無名だがオランダでは実力派ばかりということで、安心して楽しめた。
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バーホーヴェン監督のフェミニズムにも注目 2007/11/16
高校生の頃映画館で見た、この監督の“ロボコップ”の、凄まじいバイオレンス描写が忘れられません。 確かTVで放映された時は、えぐいショットが一部カットされていたと思います。 その後、“氷の微笑”“ショーガールズ”“スターシップ・トルーパー”など、なかなかの話題作ながら、いつも“ちょっとねえ、迫力はあるけど、なんか安っぽくてお下品”という印象を与える作品が続きました。
そんなバーホーヴェン監督が故国オランダで撮ったこの作品、ようやく一般のお客さんも楽しめる、アクション娯楽大作が出たなあ、と言う感じです。 監督も実はもうすぐ70歳! 歳をとってからようやくいい具合にトーン・ダウンしたと言うことでしょうか。 ナチス将校を演じる俳優たちも、アクの強さよりも人間臭さに重きを置いた演出がなされていて好感がもてます。 ところで、そのたたみかけるようなパワフル演出が売りのバーホーヴェン監督ですが、意外にも彼の映画で一番強烈な印象を残すのは女性キャラたち。 “ロボコップ”のナンシー・アレンや、“氷の微笑”“ショーガールズ”は言わずもがな。 シャロン・ストーンなんか、言っちゃ悪いけどあれ一本きりの女優さんだし。 もちろんこの作品のカリス・ファン・ハウテンも、そんなバーホーヴェンが描いた一連の、“カッコいい女たち”の系譜にとどめをさす存在と言えるでしょう。
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でたらめな映画 2008/1/5
第二次大戦下のナチスドイツに対するオランダのレジスタンスの内幕をえがいたことになっています。1944年6月6日には連合軍がノルマンジーに上陸しています。本作の時代設定は1944年9月だから、ドイツ軍の敗北が濃厚になってきたころです。
ユダヤ人のラヘルが仲間の裏切りにせまる、という物語です。ウソで固めたようなストーリーは二転三転して最後まで予断を許しません。見終わってみれば、そうしてああしてこうなった、と筋はつながりますが、すべては偶然に訳がわからないままに、都合よく結果だけを追っていきます。
レジスタンスは強い精神力と頭脳が必要な戦いですが、ここにはそれはありません。あるのは都合のいい結果だけで、武器でも、自動車でも、証明書でも、敵でも味方でも、ここでほしいというときには、唐突になんでも出てこないものはありません
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血、ゲロ、糞尿、そしてサスペンス! 2007/9/21
ヒロインが復讐のためにレジスタンスの一員となり、党の高官に接近するサスペンスドラマ。裸、溢れる血、お約束のゲロ吐き、糞尿、と、バーホーベン節全開の面白いドラマだ。本当の裏切り者は誰かという興味で最後まで引っ張り、満足させる。シナリオに伏線が張り巡らされているのもいい。この監督には、こんな作品をもっといっぱい作ってもらいたい。